あなたが何も手につかないくらいネガティブな感情になるのはどんなときですか?

今回は、ショックなことがあると何も手につかなくなるという方の相談をもとに、瞑想の応用で、嫌な感情や衝動さえも乗りこなすためのエキスパンションについて解説させてもらいます。


Q. ショックなことがあると何も手につかなくなることがあります。これはどうすればいいでしょうか?


メンタルが落ち込んでしまった時に何もできなくなる傾向があるということだと思いますので、これに関しては、メンタルが弱い性格を変えるための方法について解説したこともありますので、長期的には、それも参考にしてもらいながらメンタルを鍛えるというのもいいと思います。


他のおすすめとしては、エクスプレッシブライティングがいいと思います。

自分の今の気持ちはネガティブな感情を思うままに書き出すことによって、自分のメンタルを落ち着かせるということができます。

8分ぐらい自分のネガティブな気持ちを書くだけで、そのネガティブな感情をコントロール可能なものにすることができるという研究があります。


運動や散歩ももちろんいいと思います。

運動や散歩はかなり心身のストレスを軽減してくれるものです。


以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。




より自分と繋がり、より自由に生きたい人の為の【エキスパンション】


ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)では、人間のネガティブな思考は止めることはできないから、それを止めようとするのではなく受け入れて、振り回されることなく生きていくことが重要だということを教えてくれます。


とはいえ、それを受け入れて距離を置いていても、ただ気にしないように無視しているだけでは、いつのまにかまた近づいてきます。

ですから、ネガティブな感情の居場所を与えてあげるというのが、今回解説させてもらうエキスパンションというテクニックになります。

これができるようになると、ネガティブな感情にとらわれるわけでもないけれど、飲まれてしまうこともない絶妙な距離感を保つことができるようになります。


ネガティブな感情は体のどこから起きているのか?

ボディスキャン瞑想という体の様々な部分の感覚に注意を向けて行う瞑想があります。

例えば、足の甲・ふくらはぎ・太もも・腰・お腹・胸・首・肩・腕・手のひら・顔・・・と、体の様々な部分に順番に意識を向けて、体のどの部分にどのくらいの変化が起こっているかということを観察します。

手に力が入り緊張をしていることを感じたとしたら、ゆっくりとした呼吸に合わせてリラックスをさせることを意識します。

自分の体の緊張が表れている部分を探していき、ひとつずつリラックスさせていきます。緊張を感じていたら1箇所につき、ゆっくりとした呼吸を2回から3回行なって緊張をリリースさせていきます。


エキスパンションでは、このボディスキャン瞑想を使います。

自分のネガティブな感情が体のどこから発生しているのかをスキャンする遊びのようなものだと考えてください。

自分の体を使って感情を感じます。


人間はネガティブな感情を感じると体に変化が起きます。

例えば、嫌なことがあって気分が滅入っている時に、お腹のみぞおちの下あたりが重く感じるという感覚を感じたりする人もいます。


これを逆に捉えて、自分がネガティブな感情を感じたら、自分の体の変化に注目してどんな変化が起きているのかということに注目します。

嫌なことがあってネガティブな感情を感じた時に、何もしなければ、なんでそんなことをしてしまったのだろうかとクヨクヨと考えたりしてしまいがちです。


自己卑下したり余計なことを考える方向に進んでしまうのを防ぐために、体のどの部分で自分はネガティブな感情を感じているのだろうかということに注目します。

これによってネガティブな感情と適切な距離を取ることができます。


ボディ・アウェアネスワーク

エキスパンションでは、ボディスキャン瞑想のように呼吸に意識を向ける必要はありません。

体のそれぞれの部位に1箇所につき10秒ずつ注意を向けるだけで結構です。

1. 足に注意を向けてください

2. 膝のあたりに注意を向けてください

3. 背骨の湾曲と自分の姿勢に注意を向けてください

4. 呼吸のリズムと深さに注意を向けてください

5. 腕の位置に注意を向けてください

6. 首と肩に注意を向けてください

7. 全身で、自分の体温がどの部分が暖かくて、どの部分が冷たいのかということに注意を向けてください

8. 全身の肌が触れている空気の感覚に注意を向けてください

それぞれ10秒ずつ行なってください。

ここまでがウォーミングアップです。

このようにして体の感覚に注意を向けていると、かなりリラックスした感じがすると思います。


9. 頭からつま先まで全身をスキャンして不快感を探してください

自分の体の中で、緊張を感じている場所や痛みを感じている場所、不快感を感じている場所がないかスキャンしてください。


10. 頭からつま先まで全身をスキャンして心地よい感覚を探してください

続いては、同じように頭からつま先までスキャンして、自分の体の中で心地よい感覚を探してください。

なんとなく胃がすっきりしている感覚がするとか、いつもよりも足が軽い感じがするなど、どんなことでも構いません。


感情から始まる自分の行動をコントロールすることはできますが、自分の感情自体をコントロールすることは難しいです。

ネガティブな感情を感じたら、まずは、ディフュージョン(脱フュージョン)で、頭の中で考えていることと、実際に起きている出来事はまったく別のものだと考えられるようにします。

それによってネガティブな感情と距離を置きます。


そこで 、このボディ・アウェアネスワークによって、「自分の体のどこがネガティブな感情を感じているのか ?」スキャンして探すようにしてください。


これはネガティブな感情だけでなく、ポジティブな感情も含めて、自分で何かしらの感情を感じた時にそれぞれを行ってみてください。

そうすると、自分が失敗して後悔した時に体のどこにどんな変化が起きるのかとか、嬉しいことがあってワクワクしている時には体のどこにどんな変化が起きるのか、やる気が出なくて行動したくない時に体のどこにどんな変化が起きるのかなどが理解できるようになります。


自分の感情を体で感じる!

これができるようになると、自分のネガティブな感情が体のどこから生まれるのかということが考えられるようになります。

そうなると、その時点でネガティブな感情に飲まれることがなくなっています。

一歩引いて自分の体を観察することで、ネガティブな感情に飲まれることなく対応することができるようになります。


例えば、なんとなくやる気が出ないという時も、ボディ・アウェアネスワークで自分の体に注目すると、ネガティブな感情に振り回されることなく行動することができるようになります。

それによって物事を習慣化することもしやすくなりますし、仕事でも勉強でもパフォーマンスが安定してきます。


常にポジティブな状況ややる気を保つことは無理です。

それを考えるよりも、自分がネガティブな状況に苛まれた時にどうすればいいのかということを知っておくことの方が重要です。

その方法が、自分の感情を肉体で感じるボディ・アウェアネスワークです。


余計な思考に惑わされないためのおすすめ

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幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない: マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門 (単行本)


同じ体験をしても心から楽しむことができる人もいれば、それを歪んで捉えることでネガティブに考えてしまう人もいます。

このように人間は物事を歪んで見てしまうと、どんどん自分から不幸になっていくものです。

それを防ぐにはどうすればいいのかということを解説してくれている本になります。


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相手は変えられない ならば自分が変わればいい: マインドフルネスと心理療法ACTでひらく人間関係 (単行本)


特に、恋愛で相手との問題に悩む場合にはこちらの本が参考になります。

恋愛の関係でも人間関係でも同じですが、そこで起きる問題というものは、実際には自分が考えているほど相手は問題だと思っていないことがほとんどです。

ですが、自分が問題だと思い込んでしまうと、勝手に自分で距離を取り始めてしまいます。嫌われると怖いと考えて距離を取ってしまい、自分の内側のことをあまり言わないようにしようと思ってしまいます。


そうなると、相手からすると、自分のことを信頼していないとか自分のことを嫌っていると違う感情を抱くことになってしまいます。

ですから、自分の中の心配や認知の歪みを取り除くことが必要です。


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自信がなくても行動すれば自信はあとからついてくる ――マインドフルネスと心理療法ACTで人生が変わる (単行本)


自信がないために他人に流されたりリスクが怖くて挑戦できない人には、こちらの本がおすすめです。

それぞれ自分の状況や求めることに合わせて、ぜひチェックしてみてください。


ここから先は、エキスパンションについて、さらに具体的な練習方法から大切なポイントまで解説していきます。

余計な感情や衝動に惑わされることなく、常に安定したパフォーマンスを保ちながらチャンスを掴んで成功したい人は、ぜひ続きもチェックしてみてください。