あなたが、今年やり残したことはどんなことですか?
今回は、迷ってばかりで行動できないという方の相談をもとに、年末の後悔を繰り返さないための、多くの人が陥りがちなバイアス対策について紹介させてもらいます。
Q. いつも迷ってばかりで、結果行動できず後悔することばかりです。アドバイスお願いします。
人は迷った時には「それをやらなかった時に、どれくらい後悔するか」ということを考えると行動できるようになります。
ところが、多くの人は心理的に真逆のことをしてしまいます。
ほとんどの人は「やって失敗したら、どれくらい後悔するか」と考えてしまいます。
そうすれば当然ですが行動するのが怖くなります。
自分が行動しなかったことによってどれくらい後悔するのかということに目を向けてください。
それだけで大抵のことには行動する勇気が湧いてきます。
現代人には完璧主義が増えています。
とても多くの人が完璧にこだわったり失敗を極度に恐れています。
なぜ現代人にこのような人が増えたのかということについては、科学的にも諸説ありますが、例えば、SNS の普及によって、他人との比較が容易にできるようになったということがあると思います。
この完璧主義がひどくなると決断麻痺という状態になります。
結局のところ、やるということを決めているわけでも、やらないということを決めているわけでもない状態です。
無意味に保留している状態が増えてしまいます。
例えば、転職するかしないかで迷った時に「今は転職しない」を選んでいる人は多いと思います。
それが「今転職をするか」「一生転職しない」この2択の場合には、ほとんどの人は「今転職する」を選ぶことができます。
これは選ぶのが怖いだけです。
完璧主義に陥ると人は物事を選べなくなります。
以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。
「また今年も…」後悔をなくす方法
今回は年末の後悔をなくす方法について紹介させてもらいます。
年末の後悔をなくすための考え方や習慣があります。
大抵の人が、年末が近づいてくると「今年も何もできなかった」と考え後悔から始まり、それが徐々に諦めに変わり忘年会シーズンを過ごし、来年こそはコロナも落ち着いて良くなるだろうと考えて、次の年も同じように過ごしてしまいます。
これはいくつかのバイアスが人間の思考を歪めているからです。
人生では選択の連続です。
この人生での選択を毎年間違っているから、毎年同じ後悔を繰り返すわけです。
1. 他人に期待しすぎるのをやめる
まずは、性善説バイアスと言われるものですが、他人にも自分にも「本当の自分」がいると信じています。
そんな本当の自分なんてないということを教えてくれるのが、イェール大学の研究です。
自分は本当はやればできるし我慢もできると考えます。
今はちょっと忙しいから、ちょっと体調が優れないから、何かしら理由をつけて、今の自分は本当の自分ではないと考えてしまいます。
科学的には本当の自分なんてどこにも存在しません。
人間の頭の中には様々なモジュールや機能があり、それがせめぎあって自分というものを作り出しているに過ぎません。
例えば、目の前に美味しそうなケーキがあったとします。
それを食べたいという自分と、ダイエット中だからダメだという自分がいて、多くの人は自分にとって都合がいい方を本当の自分だと勝手に決めています。
本当の自分はダイエットしなくてはいけないとわかっている、でも、つい食べてしまったと言います。
食べてしまったのは環境が悪かった、友達に誘われて仕方がなかったと言い訳をします。
ケーキを食べた自分はたまたまで、それは本当の自分ではないと言うわけです。
本当の自分をいい人に保とうとするバイアスが性善説バイアスですが、自分にだけでなく他人に対してもこれが起きてしまいます。
悪い人がほんの少し良いことをすると、本当はいい人だと思い込みます。
目の前でほんの少し良いことをしたからといって、本当にいい人かどうかはわからないのに、いい人に違いないと期待してしまいます。
もちろん逆もあります。
いい人だと思っていた人が少し悪いことをすると、それが近しい人の場合には、きっと環境が悪かっただけで仕方がなかったに違いないと考えます。
性善説バイアスは、自分と仲間を信じて群れや集団を守るために人間に備わったバイアスです。
ですから、自分に対しても自分の仲間にもいい人だと信じてしまいます。
味方や仲間を必要以上に信じてしまい、結果的に裏切られたり依存してしまうことも起きます。
だからといって近しい人を疑えと言っているわけではありません。
近しい人を手放しに信じ込みやすい人は、自分に対しても都合がいい解釈をしがちです。
本当の自分なんてどこにもいないということを忘れないでください。
近しい人も同じです。
他人に勝手に期待して、裏切られたと考えたりするのはやめましょう。
今年一年を振り返って、他人のせいにしていることはありませんか?
2. 他人に尽くすのをやめる
他人の喜び過大評価バイアスというものもあります。
ニューヨーク大学が、17,549人を対象に壮大な研究を行なっています。
様々な実験が含まれていますが、誰かの頼み事を聞いたりプレゼントしたりする時に、人は相手が喜んでくれると期待するわけですが、多くの人が相手の喜びを過大評価し過ぎだったということです。
他人に一生懸命尽くすことは美しいことですし、素晴らしいことではありますが、無理をして尽くすと、無理をしたのにコスパが悪いという結果になりがちだということです。
無理をしないレベルで、他人に尽くすことが楽しいと思えるのであれば何の問題もありません。
無理をして他人に尽くすと、その人は自分が思ったほどは喜んではいません。
人は他人が何をしたら喜ぶのか見抜くのが苦手です。
人間はそれぞれ様々な価値観や考えを持っています。
それが必ずしも相手が喜ぶことだとは限らないということを一度思い出してもらい、それから行動するようにして頂けると、このバイアスの影響を受けにくくなります。
他人に尽くしすぎると新しいことに取り組む時間も無くなります。
いろいろ尽くしたのに報われなかったということはありませんか?
3. 他人と比べて安心するのをやめる
ほとんどの人がナルシストバイアスというバイアスを持っています。
イリノイ大学の研究を見てみると、2,821人を対象に、どれぐらいの人が平均よりも頭がいいと思うかひたすら調べていますが、全体の65%の人たちが自分を平均以上だと考えていました。
自分を平均以上に思うバイアスをナルシストバイアスと言いますが、この研究は結構古い時代から行われていて、新しい研究になればなるほど、人間のナルシストバイアスは強くなっている傾向があります。
人間はどんどん自分が平均以上だと思うようになってきています。
他人と比べて安心しないようにしてください。
比べるのであれば過去の自分と比べて、確実に前に進めるようにしてください。
年末の後悔について、あの人よりはマシと考えていませんか?
4. 人気を無視する
人気優先バイアスと言いますが、人間は無意識に人気があるものを選んでしまいます。
商品やサービスを買う時にも、人生で大切な決断をする時にも、人気があるからという理由で損する選択をすることが結構あります。
スタンフォード大学の研究で、Amazon のような通販サイトでの購買行動について調べています。
それによると、口コミやレビューが良い商品が必ずしも売れるわけではありませんでした。
どんな商品が売れるのか調べたところ、大抵の人はレビューの点数よりもレビューの数が多い商品を購入する傾向がありました。
実際の商品の質で選ぶのが合理的だとわかっているのに、商品の質よりも商品の人気をベースに購入の意思決定をしてしまいます。
商品でもサービスでも、投資でも同じですが、人気だけで決めてしまうことが多くなります。
流行っていたから手を出してみたけれど、使ってみたら微妙だったということもこのバイアスの影響です。
商品の質や自分の本当の興味で決めていないからです。
これと同じことを人生の様々な場面でしてしまいます。
不動産投資が流行っているからと不動産に手を出したり、周りがみんな結婚しているからという理由で後悔する選択をしてしまいます。
他人の選択に流されてしまい、自分が本来するべきことができなくなるので、年末の後悔につながります。
人気でみんながやっていることは無視する一年を過ごすというのも時にはいい方法だと思います。
今年購入したもので、周りに引っ張られて買ってしまったものはありませんか?
ここから先は、さらに来年こそ人生を変えるために理解しておいてもらいたいバイアスと対策について解説していきます。
ぜひ続きもチェックしてみてください。