あなたは、どんな人が投資に向いていると思いますか?


今回は、学生のうちに投資の勉強をすることについての相談をもとに、投資向きの性格がわかるマネーリテラシーテストから、初心者が始めてみるための投資の心理学について解説させてもらいます。


「Q. 学生のうちに投資の勉強をすることについてどう思いますか?」


絶対にするべきとても良いことだと思います。

投資の神様と言われるリーマンショックでも大金を稼いだウォーレン・バフェットは、幼少期からビジネスをされていて、10歳の頃から投資もしています。

この方の書かれた『スノーボール』という本があり、投資はスノーボールを作るのと同じだと言われています。

雪玉は早い段階から転がし始めた人間が一番大きな雪玉になるとされています。


ですから、本当に少額でも構わないので、自分の自由にできるお金があるのであれば、できる限り早いうちから投資を始めることが、投資で成功するための一番の近道だと言われています。


親から反対されることもあると思いますが、特に近しい人から何の反対もされないことは、別に新しいことではないと考えた方がいいですし、親自身も投資をしていて反対しているのであればわかりますが、そうではないのであれば、自分がしたことがないから恐れているだけですので、それは気にしなくていいと思います。

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文庫・スノーボール ウォーレン・バフェット伝 (改訂新版)〈上・中・下 合本版〉 (日本経済新聞出版)


以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。



投資は、まずは手をつけてみるのが一番です。

少額でもいいのでお金を入れて始めてみてください。


始める時には、全額を失うような気分になってしまうので怖いと思います。

FX やビットコインはおすすめしませんが、普通の株式投資では価格の変動はそれほどありません。

価格変動のことをボラティリティと言いますが、これがやたらと大きい無駄にリスキーな投資に手を出さない限りは思っているよりも安全です。

まずは安心なところから始めてみて、まずはお金に対する興味を持ってください。




単純緊急性効果の罠


世の中にある緊急なことはそれほど重要なことでもありませんし、本当に重要なことが緊急であることも少ないです。


本当に緊急で重要なことであればもうしているはずです。

まだしていないことで本当に緊急なことは、それほど重要なことではありません。


例えば、明後日に有効期限を迎える割引クーポンがあったら、どのように感じるでしょうか?

早く使わないともったいないと考える人も多いでしょうが、それは本当に重要なのか考え直してみてください。

緊急なことはそれほど重要なことではありません。


本当に重要なこととしては、皆さんが10年20年かけて仕事のスキルを高めていったり、幸せで温かい家庭を作ることであったり、投資や英語の勉強など、皆さんにもそれぞれあると思います。

間違いなく皆さんの人生にとって重要なことなのに、それが本当に緊急なのかと考えると、今日始めても明日始めても同じではないかと感じてしまいます


人にとって緊急なことは重要ではありませんし、本当に重要なことは緊急ではありません


人間には単純緊急性効果という性質があり、緊急なことはやらなくてはならないことだと思ってしまいます。

緊急なことと重要なことを分けて考えることができていません。

それに気付かないと、人生の大部分の時間をどうでもいい重要でないことにばかり費やしてしまいます。

緊急なことばかりに時間を奪われてしまい、結果的に何もなすことができない人生になってしまいます。


みなさんは何かやらなくてはならないと思った時には、「それは本当に重要なことか?」と自分に問いかけてみてください。

緊急かつ重要なことはそんなにありません。

逆に、重要なことは緊急であることが少ないので、ちゃんと意志の力を持って始めることができなければ、いつになっても物事を達成することはできません


人生のための勉強や読書も投資もこれと同じです。





マネーリテラシーテスト


皆さんがどれくらい投資に向いているか判定できるマネーリテラシーテストを紹介しておきます。


2015年にミズーリ大学コロンビア校が2009年にアメリカで実施されたマネーリテラシー診断のデータを使い、一般的な投資家のマネーリテラシーレベルとターゲットデートファンドの投資率を調べています。

マネーリテラシーはお金に対する知識で、ターゲットデートファンドというのは、資金を必要とするタイミングを決めて、そこまでに段階的にリスク資産を減らして最終的にはリスク資産をゼロにしていくという投資です。


老後の資金など、資金が必要になるタイミングに向けて段階的にリスク資産を減らしながら安定資産を増やしていくことを自動で行なってくれる投資がターゲットデートファンドです。

若いころにはある程度リスクを取ることもできますが、年齢を重ねるにつれて当然リスク許容量も減ってきます。

リスクがある投資と安定した投資の割合を自動で調整して 、資産を必要とするタイミングに向けて長期的に行う投資がターゲットデートファンドです。

資金が必要になるまでの時期が長ければ長いほどリスクを取れるようになり、初心者でも手を出しやすい投資です。


テキサス大学のパーソナルファイナンス研究者であるマイケル・ギルメット博士によると、基本的に投資の知識や経験がない人が投資を始めるのであれば、個別の株式を買うより、まずはターゲットデートファンドから始めた方がいいと言われています。


投資の経験や知識が多い人は、経験や知識が少ない人よりも22%多くターゲットデートファンドを選んでいたそうです。

それによって大きなミスが少なくなります。

リスクが少ない状態で投資の世界に入ることができるので、一番最初に始めるのであればターゲットデートファンドがおすすめだということです。


この研究で使われたマネーリテラシーテストを紹介しておきます。

全部で6問ありますので、それぞれあまり難しく考えず即答で答えてみてください。

何問正解できるかで、皆さんのマネーリテラシーを確認することができます。

元のデータはアメリカのものですが、おそらくは日本の場合はアメリカよりもマネーリテラシーは低いと思いますので、皆さんが投資を始める際に、どれぐらいお金に対してまともな判断ができるのかということについて参考になると思います。


全部で6問あります。

紙とペンを用意して、あまり難しく考えずできるだけ即答で答えてください。


1. 年間2%の利子を稼ぐ貯蓄口座に100ドルが入っています。
5年後はいくらになりますか? 

以下の4つから選びなさい。


・102ドルより多い

・102ドル

・102ドルより少ない

・わからない


2. 預金口座の金利は年間1%で、インフレ率が年間2%です。

1年後に口座に入っているお金を使って、今日よりもより多くのものを買うことができますか?
それとも今日と全く同じですか?
それとも買えるものの量は減っていますか?


・多く買える

・同じ

・買えるものが減る

・わからない


3. もし金利が上がったら、債券の価格はどうなるでしょうか?

上がる?下がる?同じまま?
それとも無関係?


・上がる

・下がる

・同じまま

・無関係

・わからない


4. 以下の文章は正しいでしょうか?

「通常、15年間の住宅ローンにおいては、30年間の住宅ローンよりも高い月々の支払いが必要です。しかし、ローンの期間に対する総利息は少なくなります」


・正解

・間違い

・わからない


5. 以下の文章は正しいでしょうか?

「通常、自社株を1株買えば、株式投資信託よりも安全な利益を得ることができる」


・正解

・間違い

・わからない


6. あなたがローンとして1000ドルを借りていて、複利計算で年2割の金利を請求されるとします。もしあなたが何も払わなかった場合、あなたの借金が2倍になるまで何年かかりますか?


・2年未満

・2~4年

・5~9年

・10年以上

・わからない


それぞれ答えることができたら先に進んでみてください。


答え合わせ

以下がそれぞれの答えになります。


1. 年間2%の利子を稼ぐ貯蓄口座に100ドルが入っています。 

5年後はいくらになりますか? 

(答え)1. 102ドルより多い


2. 預金口座の金利は年間1%で、インフレ率が年間2%です。

1年後に口座に入っているお金を使って、今日よりもより多くのものを買うことができますか?

(答え)2. 買えるものが減る


3. もし金利が上がったら、債券の価格はどうなるでしょうか?

(答え)3. 下がる


4. 以下の文章は正しいでしょうか?

「通常、15年間の住宅ローンにおいては、30年間の住宅ローンよりも高い月々の支払いが必要です。しかし、ローンの期間に対する総利息は少なくなります」

(答え)4. 正解


5. 以下の文章は正しいでしょうか?

「通常、自社株を1株買えば、株式投資信託よりも安全な利益を得ることができる」

(答え)5. 間違い


6. あなたがローンとして1000ドルを借りていて、複利計算で年2割の金利を請求されるとします。もしあなたが何も払わなかった場合、あなたの借金が2倍になるまで何年かかりますか?

(答え)6. 2〜4年


6問中何問正解したかで、皆さんのマネーリテラシーがわかります。

日本よりもマネーリテラシーは高いであろうアメリカの国民の中で、どれくらいの位置にあるのかがわかります。


結論としては、アメリカでは平均で3問正解ということでした。

これを上回れば平均よりもマネーリテラシーがあると判断されます。

5問以上正解できたのは全体の37%ということです。

5問以上正解できた人はマネーリテラシーがかなり高めです。


ちなみに、直近の2016年の結果は3問以上の正解できた人はたったの39%だったということですので、アメリカでもマネーリテラシーはどんどん下がっているということかもしれません。


ここでは自己評価のデータも出されていますが、マネーリテラシーが高いとされたのは実際には37%だけだったのに、76%もの人が自分がマネーリテラシーが高いと判断していたそうです。

この自分の評価が実際よりも高くなっている人の割合は、過去のデータを見ると徐々に増えてきています。


さらに、2009年のテストでは自分のマネーリテラシーが高いと思っている人は67%だけでしたが、これが2016年になると76%にまで上がっているので、実際のマネーリテラシーは下がってきているにも関わらず、自分たちにはマネーリテラシーがあると自信過剰になっているようです。

いわゆるダニングクルーガー効果が起きているわけです。


このアメリカのデータを心理学的に考察してみると、この頃は徐々にアメリカの景気が回復している時期です。

その景気の回復と同時に、人々の当時の判断は徐々に甘くなり、自分たちはマネーリテラシーがあると勘違いし始めているということです。


3問以上正解した人は投資に挑戦してみるのもいいと思います。

それより低かった場合には、まずは基本の勉強から始めてみてください。


ここから先は、投資詐欺に騙されやすい人の特徴とほとんどの投資家が陥ってしまいやすい分散投資の失敗、そして、心理学的に投資に向いている人と向いていない人の特徴について解説していきます。

ぜひ続きもチェックしてみてください。