あなたは、 最近会話が盛り上がったのはどんな時でしたか?
今回は、人見知りで人と仲良くなるのが苦手だという方の相談をもとに、会話も盛り上がり話に深みも出るポイントについて解説させてもらいます。
「Q.コミュ力もなく人見知りで人と仲良くなるのが苦手です。誰とでも仲良くなれるようになるにはどうすればいいでしょうか?」
コミュニケーション能力を鍛えようとするよりも、質問能力を鍛えることを考えてみてください。
コミュ力がない人は喋るのが苦手だから一生懸命喋ろうと思い、そのプレッシャーによって語彙力が下がってうまく会話できなくなってしまいます。
ですから、無理をして喋らないようにしてください。
そうではなく、質問だけしようと考えていただければ、それだけでも7割ぐらいのプレッシャーが軽減されて上手にやり取りできるようになると思います。
相手に興味を持つことと、質問すること、これだけできるようになっておけば基本的に会話は問題なく進みます。 喋るのではなく質問すると考えるだけでも、上手に会話できるようになると思います。
以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。
話に深みを出す方法
同じ内容を話すとしても、話に深みが出る話し方と浅い話し方があります。
深みを出す話し方ができるようになると、それだけで人間関係も大きく変わります。
深みのある話し方ができるようになると、信頼されやすいですし、深みがある話し方ができる人同士であれば込み入った話もできて急激に仲良くなれます。
当たり障りのない浅い話をいくらしたところで意味はありません。
相手との信頼関係を築くのであれば、早い段階で相手と抵抗なく深い話をする必要があります。
ここで言う深い話とは、普段周りの人とはしない感情的な議論や思想についてです。
人の奥底にある深い感情を伴う内容や考え方をお互いに話すことができるかどうかです。
人は自分から深い話をして相手から深い話を引き出すことで、お互いの人間関係を深めていくことができます。
他の人とは違う会話ができる相手だと、信頼できて能力もある人だと感じるようになります。
当たり障りのない会話しかできない人は親友を作ることもできません。
深い話をできる人こそが信頼関係を築くことができて、本当に価値がある人間関係を作ることができます。
神経科学者のアンドリュー・ニューバーグらの研究チームが、深い会話や盛り上がる会話についての先行研究を集めて、いくつかのポイントとしてまとめてくれています。
つまり、信頼関係を築くことができる深い会話や、盛り上がって途切れることがない会話について調べてくれているわけです。
盛り上がる会話とは?
話が盛り上がるためには、話し方や内容、お互いの立場や地位などが関係するのではないかと考えるかもしれませんが、1番重要なのは新しい情報や話を避けることです。
はっきり言って、雑談で盛り上がるかどうかというのは、その相手がその雑談の内容にどれだけ詳しいのかということで決まります。
相手がよく知っている話題を出せば出すほど、相手の心に刺さり仲良くなることができるようになります。
自分が生きてきた人生の中で、直感的に感じることや常識だと信じていることに反する話題を出されると人は強く抵抗します。
人間は自分の直感的な部分と相反することが大嫌いです。
そんな話をして人の心を掴むことができるのは、よほど説得力が高い人か説明能力の高い人だけです。
難しい話をわかりやすく説明することができれば一番それが良いわけですが、それはなかなか難しいことでもありますので、今回紹介するのはどこにでもある話を深くする方法についてです。
どこかで聞いたことがあるようなどこにでもある話を深くする方法があります。
盛り上がる会話のためのおすすめ
話題選びやトークについて悩む人も多いと思います。 こちらは Amazon の Audible であれば今無料で聞くことができますので、ぜひこの機会に使ってみてください。
自分をオープンにすることに対する不安や人間関係に関する心配で自己開示ができないという人は、参考になる本もいくつか紹介しておきますのでチェックしてみてください。
自信がなくても行動すれば自信はあとからついてくる ――マインドフルネスと心理療法ACTで人生が変わる (単行本)
内容より内面の静けさ
どこにでもある話を深くするには自分のメンタルを整えることがまず第一歩です。
ネガティブな感情は他人とのコミュニケーションを阻害してしまいます。
様々な研究で確認されている事ですが、自分の内面が落ち着いていてリラックスしているかどうかで、話の深みが変わります。
これは考えれば当然のことではありますが、焦ったり慌てたりしている人よりも、落ち着いて話している人の方がなんとなく深い話をしている感じがします。
とは言え、これがかなり難しいわけです。
相手に理解してほしいとか伝えたい気持ちが前に出過ぎると、人は慌てた状態で話してしまいますし、一生懸命さが前面に出てしまいます。
実際には、そういった気持ちも抑えて落ち着いてリラックスした状態で話した方が、話に深みも出て相手に伝わりやすくなります。
話の聞き手の状態や話す内容によって話し方を変える必要もあります。
論文や研究の内容のように話の内容自体が難しいことを伝えるのであれば、落ち着いた喋り方でゆっくりと話すと話に深みが出すぎて伝わらなくなります。
ただ、話の内容にそこまで新しさがなかったり、相手にとって抵抗感が少なく多くの人が受け入れているであろう情報の場合には、薄っぺらくなってしまうので深みを出すために落ち着いて話した方がいいということです。
自分の内面にネガティブな感情がある状態で話すと、そのネガティブな感情は相手に伝わります。
ネガティブな感情が内面にある状態で話すと、話に深みもなくなり説得力も落ちてしまいます。
ですから、ネガティブな感情を排除した状態で話すことがまず必要不可欠です。
研究チームは、相手と会話をする前に、ネガティブな感情を排除して内面の静けさを取り戻す方法について教えてくれています。
会話が得意でなかったり、相手によく誤解を与えてしまうことでコミニケーションが苦手な人も多いと思います。
これはこの内面の静けさがない状態で話しているからです。
内向的な人やコミュニケーションが苦手な人は、自分が相手にどうしてもこれを伝えなくてはならない追い込まれた状態になってから口を開きます。
追い詰められた状態で話しているわけですから、内面はざわつきまくっている状態で話しています。
だから話に深みもなくなったり、本当は周りの人よりもしっかりと物事を考えて話しているのに軽く扱われてしまいます。
このようなコミュニケーションの問題を解消するための3つのエクササイズを紹介しておきます。
1. 1分間リラクゼーション
自分の全身の感覚に注意を向けて、最も緊張している体のエリアを感じ取って、現在の緊張レベルを10点満点で採点してください。
その後に息を5秒間吸って10秒かけて吐くことを3回行ってから、もう一度自分の緊張レベルを10点満点で採点して、どれぐらい自分の内面が落ち着いたか把握してみて下さい。
緊張したりストレスを感じたときに体のどこに最も変化が起きるかは人によって違います。
要するに、自分が会話をする時に、どこに無駄に力が入っているかを探すわけです。
自分の人生で最も強いストレスで寝込んでしまう位のレベルを10点として、完全にリラックスしている状態が0点です。
それを探した上で、5秒かけて息を吸って10秒かけて息を吐くことを3回繰り返します。
そして、改めて同じエリアに感じるストレスレベルを採点します。
非常にシンプルな方法ですが、ゆっくりと深呼吸するだけでもストレスや緊張は軽減されます。
人はストレスというものを漠然と捉えすぎています。
まずは自分の体のどこにストレスが現れているのかということをチェックして、10点満点で採点した上で深い呼吸を3回するだけで、こんなにも心が落ち着いて内面の静けさを取り戻すことができるということを理解できます。
このゆっくりとした深呼吸でストレスや緊張が軽減するという感覚が、深みがある話ができるようになるために非常に重要なベースになります。
この研究では脳をファンクショナルMRIでスキャンしながら実験も行っています。
1分間リラクゼーションを行った人たちの脳をスキャンしたところ、脳の大脳皮質が活性化してコミニケーション能力がアップしていたという研究が複数あります。
脳機能のレベルからコミニケーションスキルがアップしていたということです。
2. ライトハンドエクササイズ
会話の前には落ち着いていたはずなのに、話し始めると緊張感に襲われることもあると思います。
会話中に自分の内面がざわついてきた気がしたら、まずは自分の右手に意識を向けてください。
右手が本当に存在していることを実感するために何をすればいいか考えてみて下さい。
自分の右手がここに本当に存在していることを味わうエクササイズです。
自分の内面の静けさを取り戻すためには、どこか一点に自分の注意を向ける必要があります。
自分の内面がざわついていたり、相手にネガティブな反応をされたということから別のところに自分の注意を向ければいいだけです。
先程の深呼吸も同じですが、会話中にゆっくりと深呼吸をするわけにもいかないでしょうから、自分の右手にとことん注意を向けてみて下さい。
これは実際に行ってみて下さい。
自分の右手の存在をたっぷりと感じてみて下さい。
手のひらと手の甲の感覚の違いや自分の右手の重み、指が感じる感覚と手のひらが感じる感覚の違いなど、とことん味わってみてください。
どうしても右手に注意を向けることが難しい場合には、30秒だけ右手を強く握り続けてみてください。その上で力を抜くと、入れた力が抜けていく感覚を感じることができます。
このようなことを行っていただけると人はマインドフルな状態に入りやすくなります。
ゆっくりとした深呼吸を行うことと同じ効果を得られるので、内面の静けさを取り戻しやすくなります。
3. 思い出エクササイズ
人は話している時に相手の内面を見ています。
ですから、リラックスして話している人に対しては堂々と話しているように感じて話に深みも感じるわけです。
自分の緊張感を下げた状態で話をすることが必要です。
相手は皆さんの表情から緊張感を読み取ります。
相手と会話をする前にポジティブな思い出を思い返しておくだけで、皆さんの表情や体から余計な力が抜けて、自分のメンタルを内面の静けさを保った状態にもっていくことができます。
ですから、相手と話す前に自分にとってのポジティブな思い出を思い浮かべてみて下さい。
これだけで目のまわりの緊張がほぐれます。
人は楽しかった思い出を思い出すだけで目のまわりの緊張がほぐれます。
それによって落ち着いた表情になり、相手に緊張感が伝わることも少なくなります。
よく目が笑っていないと言われる表情がありますが、これは目の周りの緊張感によるものです。
皆さんにとっての楽しかった大切な思い出を思い返してみて下さい。
それだけで皆さんの目の周りの緊張感が和らぎます。
たったこれだけのことですが、相手からすると脳内の信頼をつかさどっている部位が活性化します。
つまり、相手は皆さんのことをより信頼するようになり、信頼をするから自分の深い部分の話もするようになり会話が盛り上がります。
目の周りの緊張を和らげて、相手と深い話ができるようになるのが思い出エクササイズです。
人は会話の内容ばかりに注目してしまいます。
会話の内容ばかりに注目してしまうと、自分の内面がおろそかになってしまいます。
実際のところ、人は相手の話なんてそれほど聞いていません。
相手の話を聞くかどうか、深い話をしたいと思うかどうかは、相手の表情から感じ取ります。
それは相手の目の周りの緊張感によって大きく変わります。
喋っている内容よりも自分の心の内面の落ち着きを保つことができるかどうかが重要です。
アフェクト・ボーカライゼーション
大抵の人は相手の声の抑揚から相手の感情を読み取っています。
例えば、驚きや悲しみを伝える時には、表情よりも声の抑揚の方が相手に伝わりやすくなります。
効果的な声の抑揚の使い方を身に付けましょう。
効果的に声の抑揚を使うためには3つのポイントを押さえてください。
とても簡単ですが、少し大げさに感じるぐらいにしていただいても相手は気づきません。
ポイント1:話し声を普段よりも少し低めでゆっくり話す
特定の目的がない場合には、普段よりも少し声のトーンを低めにして、ゆっくり話すことを心がけて下さい。
研究では、1つずつの言葉をゆっくり、かつ、重要なポイントについては声の抑揚をベースラインよりも下げて話すことによって、相手の理解度が向上するということが確認されています。
よほどの難しい内容や新しい情報を話す場合でないのであれば、声の抑揚は少し下げてゆっくりと話すことを心がけて下さい。
ポイント2:簡潔に話す
普段の会話では1つの話が30秒以内に終わることを心がけて下さい。
シンプルかつ短めに話すことを心がけて、自分が話した後は余裕を持って相手の反応を見るようにして下さい。
長くても30秒ほどで話したら必ず相手の反応を見ます。
相手の反応を見るからこそ深みのある話ができるはずです。
ポイント3:感謝の気持ちを持ちながら話す
普段の会話の中では、話す内容よりも自分の心の内側の冷静さを保つことが重要です。
相手と会話をする前に、自分が相手のどこを素晴らしいと思っているか考えてみて下さい。
自分が相手のどんなところを尊敬しているのか自分に問いかけてみて下さい。
オススメとしては3つ尊敬できるところを探してみてください。
尊敬できるポイントを頭に浮かべながら話をするようにして下さい。
これによって自然と声のトーンが変わります。
人は相手に対して敬意を持っていると自然と声のトーンのベースラインが下がります。
相手のどこに学ぶべきところがあるかを考えていただけると、自然と声のトーンが下がり、相手に対する敬意を伝えることもできるようになりますし、影響力を高めることもできます。
こんなにも簡単なことなのに多くの人が普段の会話の中でできていません。
実際の研究によってこんなにもシンプルなテクニックにまで落とし込むことがされているのに、多くの人がこんな素晴らしい情報にアクセスできていません。
世の中に広まっていないだけで、こんなにも使えるテクニックは無数にあります。
ここから先は、会話がより深くなるテクニックと、関係が崩壊するだけのやってはいけないことを解説していきます。
ぜひ続きもチェックしてみてください。