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第2回全国レクリエーション2日目…鈴木大拙館~兼六園~金沢城公園
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第2回全国レクリエーション2日目…鈴木大拙館~兼六園~金沢城公園

2019-11-25 11:44
     全国レクリエーション2日目は快晴のもと、鈴木大拙館訪問からスタートです。初日の記事と同様にA.Wさんとの協調文書としました。鈴木大拙氏は近代仏教学の泰斗として著名な人物で、その名を冠する施設への関心から設定。兼六園~金沢城公園は金沢市観光のゴールデンコースと呼んでよいでしょう。少々徒歩移動もあるスケジュール。
     2日目のレクは、初日の夜から合流した新会員さんにとって有意義な時間が過ごしてもらえればと念じつつの1日となりました。以下、A.Wさんのレポートです。
     


     「美しいとは、こういうことだ」
     昨年MAAで訪れた十二月大歌舞伎、坂東玉三郎の演目を鑑賞した後に脳内を駆け巡ったフレーズです。
     「整っているとは、こういうことだ」
     金沢・鈴木大拙館を訪れた私の脳内には、今このフレーズが駆け巡っています。
     大通りから分かりやすい標識を辿って閑静な住宅街を「この道でいいのかしら…」とやや訝しみながら歩みを進めると、剪定の行き届いた生垣の狭間に突然美しい直方体が目に飛び込んできます。

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    早朝に着いたため未開館でしたが、先に庭園から館を眺めることができました。
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     館の面積自体は決して広くないのですが、例えば水面の反射を壁に投影するために植えられたであろう一本の柳、池に定期的に波紋を与えるポンプなど、計算され尽くした仕掛けが嫌味なく調和しています。作り込み過ぎるとややキザにもなるものですが、鈴木大拙館の佇まいは世俗的なノイズからは完全に断絶されていました。
     オープンになった途端「さっき庭園から観たあの風景を内側から観たい!」という衝動にかられ、チケットも受け取らずに順路の逆方向から進んでしまい、MAA理事長以下メンバー各位には大変ご迷惑をおかけしました(笑)。

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     順路のハプニングで何が分かったかというと、金沢21世紀美術館とは異なり「どこからでもどの順路にも戻れる」設計になっていることです。21世紀美術館が「普通」を敢えて排除して獲得した「自由」と、鈴木大拙館が訪問者に徹底的に余計なことを考えさせないよう構成した順路の「自由」。正解はありませんが、文字通り「対照的」です。

     全く予習なしに訪問したのですが、「思索空間」と題されたエリアに足を踏み入れた瞬間、この館全体が、単なる作品展示場ではなく、建物自体の美観を売りにしているわけでもなく、「訪問者の心を整える」、ただその一つの目的を達成するためだけに設計された空間であることに気付きました。まさに「哲学の体現」と言えるでしょう。

    今回のボーナス、隣接のお屋敷である『松風閣』が金沢のイベントで開館していました。
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     屋敷内の写真はNGでしたが、ふすまに「丸に十の字」の白色紋が多数、しかもランダムに記されていました。「丸に十の字」と言えば筆者の故郷、薩摩は島津家の紋が有名です。松風閣の紋は、十文字が丸に内接しておらず、微妙に空間があるタイプで、係員の方も何の紋なのか不詳とのこと。気になるのでちゃんと調べてみたいですね。

     あまりにも気に入ったので、夕暮れ時にも再訪してしまいました。残念ながらライトアップの時期ではなかったため、次回はスケジュールを把握して狙い打ちしようと思っています。先述の通り本質的には美観を愛でるための施設ではないのでしょうが、美観は美観ですから(笑)。(A.W記)
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     訪問の感想は来訪者によって様々だとは思いますが、概ね精神的安らぎや充実を感じるのではないかと想像します。鈴木大拙の思想と本建築がどのような形で接続しているのか館内に詳細な説明は見当たらなかったので、やはり「観じよ」という主旨なのかとも思います。
     言語の外側にある感覚を受け取ることも人間にとっては大切な営みで、仮にロジックだけで生きているつもりでも徐々に息が詰まってくるものではないでしょうか。仏教的世界観は世界や宇宙を想定する横軸だけではなく、過去・現在・未来といった縦軸も内包した深遠な視座を持っています。そこに縁起の洞察を当てて生命そのものや事物の関係する不可思議に立体性を与えているようです。釈迦が説いたこうした「物語」に連なる人々に生きる意味を与え、それを観じさせる場、そして祈り。科学が著しい発展を遂げる現代にあっても各種の信仰が人々の心を捉えて離さない現実が意味するものとは、としばし黙考することとなりました。

     ところで、神社・仏閣・教会といった宗派性ある施設でしか深遠な世界観に接することが出来ないかというと、決してそうとは限らないというメッセージもこの鈴木大拙館にはあると言っても良いでしょう。禅の研究者であった鈴木大拙ですが本館を訪れる者に何らかの精神的営みを要請することはありません。信教と文化は多分に接面している存在なのは確かですが、この施設に関しては構えることなく訪ねていける場所だと思われます。

    - エントランス -
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    - たたずむ犬ですら何らかの意味ありや -
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    - 来訪者の心中はいかに -
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    - 会員3人をパシャリ。水面に映る姿がどこか仏教哲学を感じさせる!?-
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    -  施設入り口にて -
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     鈴木大拙館を出た私たちは兼六園へ徒歩移動。気持ちよく晴れた金沢の道を談笑しながら歩く喜びを感じつつ。兼六園初訪問の会員さんが多く、私もその一人でした。

    -  兼六園内の様々 -
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    - お茶屋さん - 
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    - 日本武尊像(ヤマトタケルノミコト)-
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    - 金沢城公園へ -
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     兼六園を周遊して、金沢城公園へ移動。外でシートを敷いてご当地弁当を広げてのお昼となりました。なるべく「金沢らしさ」を感じることができるようにと考えたアイディアでしたが、当初予定していた使用場所が飲食できないとか移動先で風が強く冷え込んでくるなどの状況もあって会員さんにはバタバタさせてしまいました。改善点・反省点も踏まえて、今後のレクに活かしていく構えです。

     公園内休憩所でアセスメントを行って、二日間にわたる全国レクも終了の運びに。現地会員さんには車も出して頂き、荷物運びの役割を引き受けて下さいました。心から感謝の念が尽きません。今回は新入会員さんがいらっしゃる新鮮さもある中での全国レクとなりました。引き続き、会員さんが充実した時間・経験を人生の中に築いていくことができるように知恵を絞っていくことを思案して金沢駅での解散となりました。(ぷらーり記)

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