「今年はどんなモチーフが多いかな?」上を向いて歩きながら、くまモンや妖怪ウォッチなどその年の流行りを垣間見たり、ディズニーキャラクターやアンパンマンなど揺るぎない人気のヒーローたちを見てはしゃぐ子どもたちの姿が微笑ましかったり。冊子執筆のため取材したある店では「七夕まつりの時期が一年で一番忙しいよ」と、目を細めて話す店主の顔が実にいい顔でした。
しかしながら5日間のお祭りが始まると、当然ながら商店街は人、人、人。パタパタと団扇で風をおこしながら歩いてみたものの、じんわりにじむ汗に涼める店へと駆け込みました。
入口には「阿佐谷の歴史」と題がついた、屏風ほどに大きな町の案内板が。この町で大正14年に和菓子店を始めたこと。当初の屋号は「虎屋」で、その後、初代の屋号を付して「とらや椿山」と店の名を改めたことなども丁寧に書いてありました。
「とらや椿山」でメニューとにらめっこ
店の奥に設えた喫茶用のテーブル席に座り、メニューとにらめっこ。汗ばむ体は「氷」を欲しながら、3時を伝えるかのごとくグーとなるお腹は「ホットケーキ」の文字をぎゅっと脳に押し付ける。しばらく迷ってみたものの、氷とホットケーキの勝負はつかず、結局どちらも注文することに。同行者と分け合いながら、ホカホカとヒヤヒヤを交互に口に運びました。
ホットケーキとかき氷。どちらも至極、素朴な味わい。正統をそれず、何十年変わらず初心を貫きます! とそれぞれが訴えかけるような、オーソドックスで懐かしい美味しさ。すっかり汗もひいたあと、再び七夕飾りの下を歩いて買って帰ったのは、お祭りらしいものでなく、ホットケーキミックスでした。家でもあの素朴な味を、再現したいと思って。
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