なんとも可愛らしいたたずまいのトマト料理。中をくり抜き、その中身とお米などを合わせたものを詰めてオーブンで焼いて作ります。水で薄めずトマトの果汁だけでお米を炊くので味に一体感が生まれるうえ、ほくほくごはんとジューシーなトマトのコントラストも楽しむことができる一品です。

オーブンに入れてしまえばあとは待つだけなので、鍋を火にかけてかき混ぜ続けなければならないリゾットよりも調理中暑くなく、夏向きの料理ともいえますね。

イタリア人はリピエーノが大好き

今回のような詰めもの料理を『リピエーノ』といい(厳密には、ポモドーリ・リピエーニ(詰めものをしたトマト)という形で使う)、お店でも家庭でもよく作られます。中身で最もポピュラーなのはパン粉で、オリーブオイル、パセリ、チーズと混ぜ合わせてから、くり抜いた野菜やイカなどに詰めて焼くか煮るかします。パン粉のほかには今回のようにお米やキヌアを入れたり、ピーマンの肉詰めのように挽き肉を入れたりと、バリエーションがいろいろあります。

イタリア人はこのリピエーノが大好き。なんでそんなに好きなのか聞いてみると、「色んな具の味がして、それが混然一体となっておいしいから」という答え。イタリア人にとってのパン(食卓には必ずパンが用意されます)=日本人のごはん、と考えるとどうやら炊き込みごはんのような感じで愛されているのだとわかりました。

トマトのリピエーノ・ディ・リーゾ(18~20個分)

【材料】

トマト 18~20個

お米 500gくらい(トマトの大きさや果汁の量による)

ニンニク 1片

バジリコの葉 10枚くらい

パルミジャーノレッジャーノチーズ 50gくらい

有塩バター 適量

塩 適量

黒コショウ 適量

オリーブオイル 適量

【作り方】

1. お米は洗って、30分ほど浸水しておく。

2. トマトのヘタを取って洗い、てっぺんから1cmくらい下を水平に包丁で切り取る。これはあとで蓋になるので捨てずに置いておく。スプーンでトマトの中身をくり抜き、有塩バターを小さじ1/2ほど底に入れておく。

3. くり抜いた中身をミキサーでジュース状にする。

4. ボウルに3を入れ、お米、刻んだバジリコとニンニク、パルミジャーノレッジャーノチーズ、塩、黒コショウを加えて味を調える。お米に対して水分は1.2~1.3倍くらい必要ですので、水分が少ない場合はトマトジュースなどで調整してください。(オーブンで焼くので炊飯器よりも多めの水分が要ります)

5. 耐熱皿にオリーブオイルをひき、2のトマトを並べて中に4を満タンまで注ぎ入れる。トマトの蓋をして、上から少しだけオリーブオイルをかける。

6. 180℃のオーブンで40~50分焼く。中のお米がだんだんふくらんで蓋を持ち上げてきます。お米が炊ければできあがりですが、その前にトマトが焦げそうなら、温度を少し下げ、耐熱皿をアルミホイルで覆ってください。

お米の種類によっても水加減が変わりますので、何度がトライしてベストバランスを探ってみてください。少々硬めに炊きあがってもアルデンテ、柔らかく炊き上がっても食べやすいな、とイタリア人ぽく楽しんでみて。

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