今回紹介するのは、唯一と言っていいくらい誰でもできる簡単なコミュニケーションスキルだと僕は思う。これを習得し実践すれば、間違いなく男性からの好感を集めることができるだろう。
32歳 経営者 ちなつちゃん(仮名)の場合ちなつちゃんは、元々看護師の仕事をしていたが、より看護師の仕事の可能性を広げるために、自分で起業し頑張っている真面目な子だった。真面目な分、とくに面白い話を積極的にできるタイプでもなく、どちらかというと聞き役専門だ。僕は序盤でその生態を見抜き、こちらからどんどん話す作戦にした。
僕は、今までで培った、相手を共感ゾーンにもっていくテッパンネタをドンドン繰り広げた。それに対して、ただこちらをじーっと潤んだような瞳で見つめるちなつちゃん。「あれ、この子俺のこと好きなのかな?」と勘違いさせるほどの熱視線! 正直、ちょっとドキッとした。
観察結果「見つめるスキル」ちなつちゃんの魅力は、見つめるスキルだ。人の話を聞くときに、相手の目をじっと見つめるという単純な行為だ。男性からすると、ちゃんと話を聞いてくれる女性はだれしも好感がもてる。あいづちや「わかる」「そうだよね」「なるほど」のような、承認欲求を刺激するワードを、気持ちよく会話の中で入れ込むことができれば、それはなお素晴らしい。これこそよく言われる「聞き上手」だ。
ただ、僕が今まで数多く会ってきた女性の中で、この聞き上手のスキルが高い女性は少ない。「聞き上手はモテる」と、いとも簡単なようにいろんなメディアで言っているが、相手の表情、話すタイミング、相手の呼吸に合わせるように繰り出すのは、かなり難しい。一歩間違うと、知ったかぶりのプライドの高い勘違い女と思われてしまう。
そこのリスクヘッジをするなら、ちなつちゃんのように、じっと見つめる戦法のほうが無難だ。ただ雰囲気に耐えられなくなり視線をそらしたくなる瞬間が襲ってくる。あとは、羞恥心との戦いである。そこをグッと我慢するのだ。ビジネスでも目を見て話さない人は、やはり信用できないし、自信がないように見える。やはり、自信がある人のところに人は集まってくる。
まずは人と話すときに、見つめる訓練をしてみよう。だれもあなたが口に出さない限り、「見つめる」訓練をしているなんてわからないはずだから。
(イラスト・たなかみさき)