この靴は、「編んだジュートとキャンバス地でできた軽量シューズ」といったところですが、その自然素材が見た目も涼し気に演出してくれる、いわばフランスバスク地方の夏の風物詩になっていて、8月15日には街の中心地でエスパドリーユ祭りもあるほど。
夏が到来すると、老若男女問わず、足にひっかけるようにマルシェや街中を歩くその姿は、日本人にとっての「下駄」の存在を彷彿とさせるものがあります。
もともとエスパドリーユは、18世紀のバスク地方でリサイクルされたヘンプと亜麻を使った手づくりシューズでした。主に貧しい農民の靴として役割を果たし、なかでもフランス南西部のバスク・スール地方のモレオン=リシャールという地ではエスパドリーユ生産の大規模雇用が始まったのです。
このシューズは、20世紀半ばまでに土仕事、鉱山、ダンス、登山、ラグビーなどフランス南西部のあらゆる生活シーンで使われていましたが、今ではモードとしてファッションの一部になり、生地やその配置、ヒールの高さなどにバリエーションが出てきて流行りのスタイルにまで変化を遂げたのです。
ここモレオン=リシャールは、今も変わらずエスパドリーユ製造の中心地で、フランスのエスパドリーユ生産の80%を占めています。
なかでも「PRODISO」のエスパドリーユは、30年もの間本格アトリエを構えてベーシックかつ昔ながらのエスパドリーユを作り続け、フランスの数々のファッション誌で紹介されています。
涼し気で異国情緒漂うこのシューズは、バカンス気分を味わうのにもぴったり。フランスのおしゃれな人びとは、老若男女問わずきりっと効いたビビッドカラーのエスパドリーユをさりげなく履いています。それも、昔ながらのこんなスタイルのもの。
お土産にまとめ買いできるコンパクトさもおすすめですね。
[PRODISO]
Zone Artisanale 64130 MAULEON FRANCE
Mail : sandrine@espadrilles-mauleon.fr
tel 33 (0)5 59 28 28 48
fax 33 (0)5 59 28 31 11
7.90ユーロ〜
text by下野真緒(Mao FRANKIEWICZ SHIMONO)
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南仏在住ジャーナリスト/エディター。東京都出身。慶応義塾大学法学部政治学科卒。女性ファッション誌編集部を経てフリーランスエディターに。パリ・南仏へ留学後、フランス南西部に移住。パリ発webmagazine・chocolatmagにて連載コラム「南仏新婚journal」、GLAM/GLAM MOMSサイトで「南フランスのいい予感。」その他執筆中。フランス人のライフスタイルほか、社会問題、時事ネタにも関心深い。
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