『なごやのたからもの』という本を書くため名古屋に頻繁に通う中で出会い、何度か取材もさせていただいてから、家用とお土産用に必ず買って帰る名古屋みやげが、昭和63年創業「吉芋」の生芋けんぴ「花火」。本店は覚王山という中心地から少し離れたところにありますが、名古屋駅に隣接する百貨店にも支店があるので、名古屋で用事を済ませたあと、新幹線に乗る前に立ち寄っています。
なぜ"生芋けんぴ"か。一般的な芋けんぴは、乾燥芋を揚げて蜜をからめるところ、「花火」に用いるのは、水分をたっぷりと含んだ生芋。揚げるとき勢いよく水分を飛ばすので、乾燥芋より固くならず歯切れのよい食感が残ります。
さらに、花火に使われるのは家庭で求めるさつまいもより、3倍ほど大きなサイズ。牛刀で1本1本手切りすることで太さにバラつきが出て、揚がったとき、細いのはカリッと、太いのは蜜が染み込みジューシーに、1パックで違った味わいを楽しめるのです。
吉芋には花火の他にも、大学芋やスイートポテトと、様々なさつま芋菓子が並んでいて、そのどれもがしみじみ美味しい。「隅田川」「三社祭」「浅草娘」など、東京・浅草にちなんだ菓子名がついているのは、初代が浅草の大学芋屋「興伸」で修行し、浅草生まれの方と結婚されたことにちなんでいるそう。
先週末は蒲郡で行われた「森、道、市場」という野外フェスに出店者として参加したのですが、帰りは名古屋まで足を伸ばし、花火を買って帰りました。
カリッ、ポリッ、ジュワッ。口の中で、小気味よい音をたてる甘い花火。ああ、口福、口福。
こうしてパックに入って販売されています。
パックから対応容器に移せば、冷凍保存もできます。
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