日本で生まれた「産直提携」が由来の農業システム
CSAとは「Community-Supported Agriculture」の頭文字をとったもので、「地域コミュニティーに支えられた農業」を意味し、消費者がローカルの旬な野菜を直接農家から購入するというシステムのことをいいます。このCSAの考え方はもともと1960年代に日本で生まれた「産直提携」という概念から始まったものだそう! のちにスイス、ドイツなどを経てアメリカに渡り、1980年代になってアメリカで初めてのCSAが誕生しました。
野菜以外の新鮮食材も届けてくれる!
CSAを申し込むと、毎週1回農家から旬のとれたて野菜が直接自宅にデリバリーされます。農家によっては野菜だけではなく、同じ農場で飼育しているニワトリからとれた新鮮なたまごや、畑の収穫物から作ったジャムなどの加工品も一緒に運んでくれるところもあります。
CSAには農家・消費者の両方にとってメリットがたくさん!
CSAで生まれるメリット
<農家>
(1)農作業の繁忙期が始まる前に、低いマーケティングコストで直接消費者にマーケティングをすることができる
(2)一定期間分の料金前払い制なので、早いうちに資金回収をすることができる
(3)自分たちが育てた野菜をどんな人たちが食べているのかを直接知る機会を持てる
<消費者>
(1)採れたばかりの超新鮮で栄養価の高い野菜を食べることができる
(2)今まで食べたことのない野菜やその調理方法を知る機会が増える
(3)通常1シーズンに1度は畑を訪れる機会が設けられている
(4)"自分たちの畑"でとれた野菜だと、子供がよろこんで食べる傾向がある
(5)自分たちが食べるものを育てる農家との関係が築かれ、どのように野菜が育てられるのかを知ることができる
最近では日本でもCSAの考え方が見直されつつあり、無農薬野菜BOXのデリバリーを始める八百屋さんも出てきました。消費者にも地域の循環の一部を担ってもらおうという考えから、デリバリーすると同時に野菜くずを家庭から回収し、堆肥として再生して農家に返す試みをしているところもあります。東京の三軒茶屋にも、「つくる人」と「たべる人」を直接つなぐという考えの八百屋「三茶ファーム」が誕生しました。
「YOU ARE WHAT YOU EAT.(あなたはあなたが食べるものでできている)」とはよくいわれますが、自分が毎日何気なく食べている素材を改めて見つめ直し、作ってくれる農家さんにも興味を持ちながら自分も地域の循環を担っている一員なのだ、という意識を持って毎日の野菜選びを心がけたいです!
[Local Harvest,笹山登生のオピニオン,三茶ファーム,REFS]
photo by Thinkstock/Getty Images
(佐々木祐里)