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2017年は副交感神経の時代?! 「ゆるめる」具体的な方法。
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2017年は副交感神経の時代?! 「ゆるめる」具体的な方法。

2017-08-23 23:00
    ボディメイク連載『ボディ・コンシェルジュ〜筋肉は最高のファッション』の前編で、「ゆるめる」ことの大切さを教えてくれたトレーナー・内田あやさん。
    今回の後編では、その具体的な方法をスタイリストの清水さんが体験しつつ、ゆるめて生まれる新たな感覚やボディへの意識を語ります。 ファッションも身体もリラックスの時代。=副交感神経の時代?!


    清水さん(以下清水) 先日はじっくり2時間、リストアティブヨガをさせていただきありがとうございました。


    内田さん(以下内田) こちらこそ、「ゆるめる」を体験いただいて嬉しかったです。いかがでした?


    清水 びっくりしました。まず、やっていることが普段のトレーニングと真逆すぎて(笑)。間接照明の中でひたすら体を委ねるというのは、初めての経験!


    内田 鍛える=動くという固定概念にとらわれている方にはだいたい驚かれますね(笑)。体中の力をどんどん抜いて、同じ姿勢を15分以上キープするのが基本ですから。


    清水 それを、さまざまな姿勢で2時間! すごく不思議な気持ちでやっていたのですが、終わったあと立った瞬間に、立ち方や歩き方が解放されているのがわかったんですよ。


    内田 それは嬉しいです! 体って、ちゃんときっかけを作ってあげれば、自ずとゆるんでくるんですよね。


    清水 ゆるむから頭がぼーっとするんですが、同時に呼吸もすごく深くなってて。何より、その晩の睡眠の深いことったら。


    内田 睡眠のクオリティが変わりますよね。そうすると疲れもとれる。


    清水 はい。目覚めたとき「あ、ここまで深く寝たのは久しぶりかも!」と清々しかったです。副交感神経の大事さを思い知らされましたね。ファッションでも、身体でもリラックスした、抜け感って大事だなあと。


    内田 あ、そうかも、ですね。


    清水 L.A.ではカジュアルのことをレイドバックスタイル、つまり何かに身体をあずけリラックスしたスタイルともいうんですが、リラックスした雰囲気って、余裕があって、のびのびしていて魅力的ですよね。このリストアティブヨガは、今の時代の波長にあっている気がすごくします。

    目安は15分以上。さらに高みを目指す身体のためには、リセットこそ大事

    内田 では、「MYLOHAS」の読者の方も、是非、この効果を実感して欲しいですね。じゃあ、リストアティブヨガの簡単なものを再現してみましょうか。


    清水 ぜひ!


    内田 たとえば...枕とクッションやブランケットを重ねて、体をどーんと預ける

    aya uchidaさん(@ayance)がシェアした投稿 - 2017 7月 20 2:38午前 PDT


    清水 これ、すごくほっとしますよね。体が気持ちいいと言っているのが聞こえるよう。


    内田 とにかく全身の力が抜けて、緊張しているパーツがないように。道具に体をあずけてリリースするんですよ。
    抱き枕があるほうが眠りやすかったり、布団をかけたほうが落ち着いたりしますよね。圧があるほうが体をゆだねて脱力しやすい、という仕組みを利用しているんです。


    清水 こうやって完璧に脱力してみると、普段の「ただ座っているだけ」「ただ立っているだけ」というのも体を支えるエネルギーが必要なんだな、とよくわかりますね。


    内田 そうなんですよ。体を支える筋肉のエネルーはもちろんですが、心臓の鼓動はゆっくりになり、体温は下がり、呼吸も頭の回転も穏やかになり......。普段感じられない、体の内側を動かしているエネルギーの存在に驚くと思います。


    清水 なぜ15分以上、なのでしょうか。


    内田 完全に脱力した状態を15分以上続けることで、脳に「休んでいいよ」という指令が送られるんですね。だから副交感神経が優位になる。


    清水 なるほど。


    内田 体がゆるむと柔軟性がアップするから、動いたときのパフォーマンスや可動域も上がりますよ


    清水 実際、次の日に走ったら、脚の動きが軽やかで、ランニングのパフォーマンスが上がりました。それは、もう驚くほどに。理想の身体を目指すのに、本当の意味で効率が良いのは、負荷をかけるだけじゃなく、体を一回、ゼロの状態に戻すこと。いわば"筋肉の陰陽"両面に働きかけることで、キレイで動ける体が生まれるんだと思いました。

    緩めてから鍛えれば、しなやかな背骨

    清水 チューニング後に、着映えする身体を目指す、おすすめメニューはありますか?

    内田 そうですね。では、...背骨を動かすエクササイズ、キャットストレッチをやってみましょうか。これはヨガでもしばしば行いますよね。


    キャットストレッチとは?
    肩の下に手を置き、脚を骨盤の幅に開く。息を吐きながら、自分のおへそを見るように丸くなる。丸くなったら息をたっぷり吸って、吐きながら背骨を少しずつ反らせ、やや上を見る。また息を吸って、背中を丸める動作に戻る。

    Today's warming up. A cat to a snake at quadruple speed.4倍速でお届け。上半身の動きに目を奪われますが、キーポイントは足と脚でどれだけ床を押せるか。上に伸びたいなら下を押せ、押してダメなら引いてみな、上半身のモビライゼーションが欲しいなら下半身のスタビリティを。相反する力があなたを救う、、かもしれません。#bodytuningassociation #asiamapartment #yoga#strech#traning#module1#感じるボディチューニング#dualactuon#contrast#cat#snake#途中でガクッとなるのはやっちゃいけない例です#倍速は声が入らなかった#ボディチューニング

    aya uchidaさん(@ayance)がシェアした投稿 - 2016 7月 18 7:52午前 PDT


    清水(数回やってみて)うわあ、これは背骨に効きますね。


    内田 女性的な動きですよね。


    清水 こういう背骨をしならせる動きができると、洋服を引き立てる、身体の演出力も高くなりそうですね。レッドカーペットポーズみたいなのも、サマになりそうですね。


    内田 はい。ジョイント(関節)がゆるむと動きやすいので、リストラティブヨガのような"脱力"のあとにやるとより効果的なんです。


    清水 過緊張をほぐしてから、正しく背中の筋肉を仕立て直す感じですね。確かに、肩甲骨の存在感がアップしてます!


    内田 本来あるべき位置に収まるだけで、背中の表情が変わりましたでしょ。背中だけでなく、ゆるめたほうが筋肉の"質"もよくなるんですよ。筋肉を硬くすれば瞬発的な力は出ますが、本当は柔らかいほうが質がいいしパワーも出るんです。一流バレリーナや、トップアスリートの筋肉なんて、実はすごく柔らかいんですよ。


    清水 そうなんですね。同じ筋肉でも質が良いほうがいいですよね。なるほど。


    内田 かくいう私も、レッスン指導を立て続けにやるとついアウターで動いて筋肉が硬くなったりするんですけど(笑)。でも、ゴムと一緒で、普段はゆるんでいるからピン!っと緊張させたときにパワーが出るんですよ。


    清水 ゆるめることには価値があるんですね。


    内田 人は体幹から硬くなるので、背骨をしなやかに保つのは着こなしの意味でも、アンチエイジングの意味でもおすすめですよ。


    清水 内田さんの動きを見ていると、背骨が柔らかくしなって、なだらかにつながっている感じがすごく美しい。背骨を起点に、すべてが流れるようで、説得力があります!


    一部でなく、全身を動かすイメージが美しい動きを作る


    内田 いま「なだらかにつながる」とおっしゃっていただきましたが、私が大切にしたいなと思うポイントはまさにそこなんです。一部を鍛えるのではなく、体全体をつなげて使っていきたい


    清水 ある種、東洋的な考え方ですね。


    内田 はい。筋膜という言葉をご存知ですか?


    清水 筋肉を包んでいる薄い膜ですよね。鶏肉などについている薄皮みたいな。


    内田 私たちの体の筋肉はすべて、その薄皮で覆われているんです。それがつながりあっている。


    清水 スパイダーマンのスーツみたいになっているわけですね。


    内田 そうなんです。その全身を覆うサランラップのような筋膜のつながりが、アナトミートレインと呼ばれています。それらが引っ張り合うことで体は成り立っているんです。


    清水 引っ張り合うんですか?


    内田 テントの幕をイメージしてもらうとわかりやすいかも。


    清水 なるほど! ああいう感じなんですね。


    内田 はい。だから一部が引っ張られても、その影響は全身に及ぶんです。


    清水 そこを意識すると、グラマラスな野生動物のような動きになれそう......。


    内田 だから、いつも全身を使うようにしたいんですよ。腕のはじまりを通常の腕の付け根(肩や脇)と思わず、胸の中心の胸骨からと思うと、まるで鳥が羽を動かすような連続したしなやかな動きになりますよね。たとえば坐骨を立てて、しっかり床を押す感覚で腕を動かすと......。


    清水 すごい!(やってみて)手の運動に見えるけれど、全身を使うと印象が違います。上に向かう力と、下に向かう力が同時に働いて腕をあげやすいし、しなやかで綺麗ですね。


    内田 ただ腕だけを動かすのとは、使われる部分がぜんぜん違いますよね。


    清水 この動きを知っていると、ファッションも着映えしますね。服の表情が変わってくるし、その女性の存在そのものがドラマになる。意識するしないで、こんなにも違うんですか......。


    内田 モデルの能力の高さって、結局そこなんですよね。モデルだから美人なのは当たり前で、ボディにどれだけの表現力があるかが問われる


    清水 そこなんです!筋肉も体も平等に与えられているけれど、それをどう使いこなすかで見え方が違ってくる。


    内田 はい。全身がつながった動きのほうがキレイだし、一部の筋肉だけを疲弊させることもありません。


    清水 まるで液体のような筋肉の動き、というのでしょうか、そういう動きが自然にできれば、今期の流行のワントーンコーディネイトもサマになりそうですね。


    内田 ワントーンですか、なるほど。


    清水 マックスマーラの赤いワントーンコーディネイトなんか綺麗ですが、しなやかな動きで着ると、断然ワントーンのつながり感が際立ち、着映えが違うと思います。ダイレクトではないですが、ある意味、ボディコンシャスな時代だなと思っているから、ますますボディへの意識って大事ですね。

    リラックスのための儀式をもつ

    清水 ところで、内田さんは今のような考え方にどうやってたどり着いたんですか? ボディワークの先生としてのスタートは、ジャイロトニックでしたよね。


    内田 そうなんです。アメリカ発のボディワークにばかり目がいっていたのですが、ここ数年はアジア志向になって。


    清水 はい。お話を聞いているとすごく東洋的だなと思いました。


    内田 特に大きかったのが、数年前にパンガン島にタイマッサージを習いにいった経験でしたね。


    清水 パンガン島! いまだにヒッピーみたいな人がいると聞きますよ。


    内田 空港もなく、タイ本土から漁船みたいな船で行くんですよ(笑)。そこで東洋志向を持ったヨーロピアンのボディワーカーたちに出会って、すごく面白くて。


    清水 そこからアジアに目を向け始めたんですね。


    内田 ハマってしまって、去年は"ボディワーカーの聖地"と言われるチェンマイに5回行きましたね。ヨーロッパから勉強に来ている人も多いんですが、彼らに「アジアは素敵なのだから、そのオリジンをもっと大切にしたら?」と言われて、すとんと納得しちゃって。


    清水 それでボディチューニングを編み出すことに。 


    内田 リラックスって、それだけの価値が現代ではあると思ってます。


    清水 自宅でうまくリラックスできるようにするコツはありますか?


    内田 "お守り"や"儀式"があるとスイッチが入りやすいかも。たとえば、眠る前に決まった香りを焚いてリラックスするようにしていると、その香りを嗅ぐだけでリラックスのスイッチが入るようになったり。


    清水 実は私、旅先で寝つけない時は、ジョー・マローンのノアールコロンというのを、なぜか落ち着くのでかけていたのですが、調べたらガイアックウッドという精神の沈静化、瞑想を促す効果があるらしくって。香りって、結構見えないけれどパワーがありますよね。

    内田 そうなんですよ。あ、それから、リラックスする時間には、交感神経を刺激するような要素を持ち込まないこと。アルコールを飲んで、ぼうっとするからとカフェインを飲んだりしたらリラックスモードにはなれない。


    清水 ついやってしまいがちですよね。交感神経族としては......。


    内田 強い光も交感神経を優位にしてしまうので、寝る3時間前にはコンビニに行かないとか、携帯を見ないというのも大切ですね。


    清水 そうやって、うまくリラックスする意識をするのも大事ですね。


    内田 はい。余計な緊張が抜けて体の中心から動いている人を見ると、「キレイな人だな」って心から思います


    清水 緊張と緩和をうまく使ってこそ美は育まれまる。時間が足りません!また是非お邪魔させてください!


    取材写真/ 高村 瑞穂
    image via Shutterstock

    内田 あや(うちだ・あや)さん
    as・i・am/apartment代表。ボディチューニング®創設者。
    『25ans』『Figaro Japon』で女性誌の編集を手がけているときにジャイロトニックに出会い、パーソナルトレーナーに転身。ヨガ、呼吸法、リストアティブヨガなどを学んだのち、独自のボディチューニングメソッドを考案。やみくもに鍛えるのではなく、心身をしなやかに保つ理論で女優やモデル、俳優、編集者、ファッション関係者にも多くのファンが。著書に『エグゼクティブ・ボディ・チューニング』(講談社刊)。http://bodytuning-assoc.com


    清水久美子(しみずくみこ)さん

    スタイリスト、ファッションディレクター。ラグジュアリー雑誌や広告で活躍中。クリエイティブディレクターとして商品企画やファッションにまつわる講演なども多数手がける。エレガントな王道のおしゃれにモダンさを加えたみずみずしいスタイリングには多くのファンが。年齢を重ねても美しく、さらに格好よく過ごすための着こなしを提案し続けているファッション界のパイオニア。


    >> 前編 ファッショナブルに鍛えるためには、まずは「ゆるめること」

    RSSブログ情報:https://www.mylohas.net/2017/08/064166bodyconscious_04.html
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