昨年の今頃、離島のイベントが都内であり、硫黄島に住む人たちから島での暮らしや、噴煙をあげる火山が目の前にあること、海が2色であること、海に面した絶景の温泉があること、野生化した孔雀が悠々と道を歩く、など耳を疑う話を聞きました。

硫黄島といっても、映画や激戦地だったことで有名な方ではなく、鹿児島の南にある薩摩硫黄島のこと。すっかり島に住む皆さんと話に夢中になり、必ず硫黄島に行くと約束をしました。それから一年、やっと念願の薩摩硫黄島に上陸。鹿児島市から村営の定期船「フェリーみしま」に乗り込み、約3時間半で硫黄島にたどり着きました。

温かい印象の青緑の海と、赤い海のグラデーション。今まで見たことのない光景です。

海から見た硫黄島は断崖絶壁に囲まれ、山からはもくもくと噴煙が登り、海は鉄がたっぷり含まれた赤い海と美しい青い海の2色が存在し、なんだか恐竜がいそう! 以前の青ヶ島の二重カルデラも壮観でしたが、こんなにワイルドな島は経験がありません......。

港の海は真っ赤!! 鉄分を多く含んでいる温泉が港の湾内に湧き出ているのだとか。ここでも魚は釣れるそう。桟橋には釣り人が。

恋人岬への橋。硫黄島は坂が多いので電動アシスト自転車のレンタルが必須です。レンタカーはないのでお宿に貸してもらえるか交渉しましょう。

ここでは野生化した孔雀と出会えます。すばしっこくてなかなかカメラにおさまってくれません!今は島民人口の倍以上に増えたとのこと。

打ち上げられていた流木がとてもキレイ。なんだかんだ撮影や小道具でとてもお世話になります。

三島村の硫黄島、竹島、黒島は日本ジオパークにも認定されています。島の至るところで温泉が湧き、海岸沿いにある東温泉は見た目も湯舟もワイルドな温泉ですが、日本名湯百選にも選ばれる名泉。温泉好きなら誰もが一度は訪れてみたいという秘湯中の秘湯。皮膚病に絶大な効果があると言われています。晴れた日には温泉から屋久島と口永良部島が見えます。混浴で開放的すぎるので入る時は水着を着用してくださいね。

港から東温泉への道。左右には大名筍と椿の木がうっそうと茂っています。ここも坂道が多い。

なんとすぐ目の前に硫黄岳が噴煙を上げています。この断崖絶壁の方に秘湯があると!

あ、ありました! 秘湯中の秘湯、東温泉! ほぼ海!! ワイルドです。ここは24時間無料で温泉を楽しめます。

硫黄島は県外からの小学校、中学校の留学生も多く、みんな元気。朝も昼も気持ち良いあいさつをしてきてくれます。「離島で学ぶ」という選択肢がここにはありました。都内のイベントで出会った方々にも再会でき、島を親切に案内してくれるなど大変お世話になりました。民宿のお姉さんに手渡された帰りのフェリーでのお弁当は葉っぱに包まれており、じんわりと優しさと愛情を感じます。お会いしたのはイベントの一回だけ、そして一年越しの再会でしたが、大切にもてなしてくれたことに感動しました。同じ場所にまた行きたくなるときは、その地で仲良くなった誰かに会いに行くとき。三島村の人々に会いに、また必ず訪れたいと思います。

帰りは天気が崩れてしまい残念でしたが、迫力のある硫黄岳を撮影することができました。まるでゲームのラスボスがいる山のよう。

ウインナーとごぼうサラダが巻かれた大きな太巻きのお弁当! とても美味しくて胸が熱くなりました。

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