女性とは好みの傾向が異なる男性。お菓子ひとつ贈るにしても、イザとなると迷ってしまいます。
「男性はアソート(詰め合わせ)が嫌いなんですよね。いろんな味を楽しみたいのは女性の特徴なので、1種類を贅沢に贈ったほうが喜ばれると思います。
おすすめは、『さかぐち』の海苔せんべい『京にしき』。缶にぎっしりと海苔せんべいが詰まっていて、見た目のインパクトも抜群です。手頃なものなら、『BABBI(バビ)』のピスタチオのウェハ―スは評判がいいですね。とっておきは『GENDY(ジェンディー)』の『ザ・プレミアムビターキャラメルバー』。1ダース6,000円とお高いですが、みなさん美味しいと仰ってくださいます」(裏地さん)
「ジェンディー」のキャラメルバーは1日30セット限定のため、予約したほうが無難。バレンタインにはハーフダースのパッケージが出ることもあるそうです。
男性に言いたいのは「サプライズ禁止」クリスマスが近づいた今、パートナーへのプレゼントの選び方もぜひ教えていただきたいポイントです。せっかく奮発したのに、あまり喜んでもらえなかった――なんて悲劇を避けるにはどうしたらいいのでしょうか。
「男性へのアドバイスとしては『サプライズはやめたほうがいい』ということ。女性って好みがシビアだから、『これをくれるなら○○の方が良かった』ってすぐに思ってしまうんですよね。しかも、高価なプレゼントになるほど"残念度"が増しちゃう。親しければ親しいほど、『予算これくらいなんだけど、なにが欲しい?』とストレートに聞いてあげたほうが、喜ばれ度も高いと思います」(裏地さん)
このバッグなら違う色が良かったとか、同じ値段ならあのブランドのほうが好きだとか。女性は喜ぶ前に雑念が浮かびがち......という裏地さんのお話を聞いて、納得するやら反省するやら。
「女性から贈る場合は、お相手の性格によるところが大きいですね。お洒落にうるさい人もいれば、あまりこだわりがなくて『選んでほしい』という人もいます。ただ、いずれにせよカテゴリーを聞くのはいい手。手袋とか、バッグとか」(裏地さん)
親しい相手ほどリサーチはしっかり、が成功のカギ。「プレゼント? なんでもいいよ」という男性でも、カテゴリーさえ押さえておけばお蔵入りすることは減りそうです。
「贈り物の基本」3か条相手との関係性やTPOによって、ギフトの正解は千差万別。包み方ひとつをとっても、目上の方にはラフでないほうがいいけれど、気軽なシーンでの過剰包装はかえって気を使わせてしまったりします。
そんななかでも、「贈り物の基本」として裏地さんが教えてくれた3か条がこちらです。
1.とにかく上質でかさばらないものを
買えるけれど自分では買わない、ちょっと高級で洒落たものはギフト向き。「望月製紙」の「うさぎ」という1つ500円のトイレットペーパーは、真っ白でガーゼのようにふわふわ。しかも「なんとトリプル。三枚重さなんです」と裏地さん。うさぎの目のように芯が赤い個包装もセンスが良く、プチプラギフトに喜ばれます。
2.今の時代は量より質
たとえば何本もジュースの詰め合わせを贈るよりは、本当に美味しいマンゴージュース1本を贈るほうが気が利いています。お一人暮らしなら、大きな瓶より小さな瓶や缶入りを複数差し上げた方が便利。
3.消えモノが無難。相手の手を煩わせないものを
一般的には、残るもの、かさばるもの、重いもの、キャラクターもの、身につけるものは避けたほうが無難です。
購入するときに再確認したいのは、お相手に面倒をかけないこと。花束は水切りして花瓶に入れないといけないから、アレンジのほうがいい。ホールのケーキは切り分けるのが大変ですし、日持ちもしないから、私だったら浅草の老舗パン屋さん「ペリカン」の食パン1斤を予約してお持ちしたりします。そこに「エシレ」の使い切りサイズのバターをたくさん添えるとか。ちょっと目先が変わっておすすめです。
「贈り物は『バランス』がすべて。そこは経験がものを言いますが、気にしているとだんだんギフトの判断力がついてきます。基本は自分好きだったり、食べて美味しかったものを。ずっと使ってもらえるものというよりは、ちょっと試してもらえたり、会話の糸口になるものという視点で選ぶと、気が利いたものが見つかるのでは」(裏地さん)
押しつけがましくないのに記憶に残る、そんなプレゼントができるのは、相手を楽しませることを第一にしているから。贈り物の達人は人間関係の達人、そんな認識を新たにしました。
ギフトコンシェルジュ・裏地桂子さんに聞くギフト選びのコツ。番外編では自分へのご褒美やご主人、女友達へのプレゼントなど、裏地さんの個人的な贈り物についてお聞きします。
お話を伺った人:裏地桂子さん
ギフトコンシュルジュ、クリエイティブコーディネーターとして、雑誌や企画展などの商品セレクションをはじめ、ショップのプロデュースや商品企画、商品開発などを手がける。食通、きもの好き、京都好きとしても知られ、2012年より、京都、東京にて、個別指導の「草月流師範・裏地桂子のいけばな教室」を主宰。著書に『ごきげん力 8つの育て方』(ワニ・プラス)、『最上級のプチプラギフト100』(光文社)他、多数。インスタグラムを毎日更新中