先日行われた「第85回アカデミー賞」では、作品賞をはじめとする8部門にノミネートし、アン・ハサウェイが「助演女優賞」を受賞した大ヒットミュージカル映画「レ・ミゼラブル」。ヴィクトル・ユーゴーの小説を基に、27年にわたりロングランをつづけるミュージカルの傑作が、はじめて完全映画化されたとあって、世界中で大ヒットを記録しています。
その魅力は、ミュージカル映画史上初という生歌収録にあります。すべての歌を、実際に歌いながら生で収録することで、いままでのミュージカル映画になかった臨場感を体感することができるんです!
舞台版をこよなく愛するファンはもちろんのこと、舞台を観たことのない観客も最高の感動を味わえる"レミゼ"をきっかけに、「ミュージカル映画にはまった!」という方も多いはず。今回、そんな方におすすめしたいのが、名作ミュージカル「ウエストサイド物語」です。
「ウエストサイド物語」は、1961年に制作された、アカデミーで作品賞や音楽賞など10部門を制したアメリカを代表するミュージカル映画です。シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」をベースに、当時のニューヨークの社会的背景を織り込み、イタリア系アメリカ人とプエルトリコ系アメリカ人との2つの異なる少年ギャング団の抗争の犠牲となる若い男女の2日間の恋と死を描いた作品となっています。
何よりもすばらしいのが、その音楽性。ミュージカルで使われた楽曲は、偉大な指揮者でもあるレナード・バーンスタインが作曲を手がけています。また、それぞれの歌詞もすばらしく、映画をいっそう深いものに。「マリア」「トゥナイト」など数々の名曲が生まれ、この映画をはじめて見る人でも、どこかで耳にしたことがある楽曲をきっと見つけることができます。
そして忘れてはならないのが、ストーリーの美しさ。誰もが心を揺り動かされる、まさに普遍的なラブストーリーは、50年たった今でも色あせることはありません。愛することの尊さはもちろん、今もどこかで起こっている争いの空しさにも、改めて気づくのではないでしょうか。
"レミゼ"のような臨場感や迫力は、物足りないものの、味わい深い往年の作品も要チェックです!
[レ・ミゼラブル]
(杉本真奈美)
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