暮らしに活かす二十四節気「啓蟄」の過ごし方
「啓蟄(けいちつ)」
毎年3月6日頃 太陽と地球の関係:345度今日(2018年3月6日)は、二十四節気の「啓蟄」です。「啓」という字には、闇に光がさしてきて夜が明ける、という意味があります。「蟄」は、虫などが土の中に隠れて、とじこもることです。つまり啓蟄とは、土の中で冬ごもりをしていた虫たちが、陽射しのあたたかさを感じて出てくる頃。自然界はいよいよ春らしく、活動的になってきます。
冬ごもりをしない私たちにとって啓蟄は、冬の間にため込んでしまった老廃物を排出すべきタイミングといえます。ここ数ヵ月間は、クリスマスや年末年始のイベント、バレンタインと、ごちそうやお酒、甘い物をいただく機会が多かったはず。とくに最近、体が重く感じる、吹き出物が気になるという人は、デトックスを心がけましょう。その方法はいろいろありますが、自然のめぐりに合わせた養生では「苦味」を活用します。
山菜の苦味で春先の体を整える
image via shutterstock苦味は体を目覚めさせ、春先の体調を整えると考えられています。この時期におすすめの苦味食材は、なんといっても山菜です。ワラビやゼンマイ、うど、ふきのとう、タラの芽など、手に入りやすいものを日々のメニューに取り入れてみましょう。旬の味覚を味わいつつ、養生にもつながって一石二鳥です。
毎年啓蟄の頃になると、私は明日葉やよもぎ、菜の花などが無性に食べたくなります。陽気の変化に体が自然と反応して、本能的に苦味を欲するのかもしれません。自宅で天ぷらやおひたしを作ることもありますが、ランチで外食をするときは山菜そばなどを選んで苦味を味わいます。そんな食生活を「春分」の頃まで続けると、体の内側からスッキリを実感。体重が減るわけではありませんが、フットワークが軽くなります。
身近な自然に春を感じてストレスをやわらげて
image via shutterstock年度末にもあたる啓蟄の頃は、生活や職場の環境、人間関係に変化がおとずれ、心が疲れやすい状態に。ストレスがたまってきたと感じたら、近所へ「お散歩撮影」に出かけてみませんか。
いつも通っている並木道や公園などをゆっくりとお散歩しながら、目線を低くしたり、上の方を見たり、視点を変えて身近な自然を観察してみましょう。花のつぼみを見つけたり、鳥のいとなみに気づいたり、さまざまな発見があるはずです。見慣れた光景も見方を変えることで、「こんなところに!」と、驚かされることもあるでしょう。心がちょっとでも動かされたら、スマホなどで撮影してみて。
仕事で疲れたときや、ストレスを感じたときに、その画像を見ながら、身近な自然に心が動かされたときの感覚を思い出してみてください。心がほっこりとして気持ちが落ち着くはずですよ。自然界にめぐりはじめた春のエナジーは、私たちの心に安らぎを与えてくれます。
次に巡ってくる二十四節気は、「春分(2018年3月21日)」です。
イラスト・カイフチエリ