ウォーキングをする理由はさまざま。適正な体重を維持するため、心臓に良いから、あるいは単に気持ちがいいから。しかし、歩くことは骨にも良いとご存知ですか? 著名な医学誌、ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌の研究によると、ウォーキングは大腿骨頸部骨折のリスクを30%低くするのです。
ウォーキングしながら骨を強くする方法
「いつものウォーキングをほんの少し変えるだけで、骨粗しょう症や骨折からもっと身体を守ることができます。そもそもウォーキングは骨に良いのですが、骨にもっと負荷をかけて刺激すると、より多くの細胞が作られるのです」とニューヨーク工科大学保健学部物理療法科長のカレン・フリエルさん。
ニューヨーク州バッファローにあるカニシアス大学で運動生理学の准教授/保健コーディネーターを務めるチャールズ・ペリテラさんも同じ意見。「たいていは、毎日同じペースで同じ時間だけウォーキングをします。これでも骨にとって有益ですが、ウォーキング中に定期的に骨に“ショック”を与えるとさらに効果が上がります」(ペリテラさん)
次に、安全で効果的なその方法をご紹介します。少なくとも週に5回、30分ほど歩く(政府が推奨する目標)場合、4日間それぞれ違うチャレンジを行って、5日目はいつも通りのウォーキングを。
1.歩くペースを上げる
chris fanning/gettyimagesなわとびやラケットスポーツのような「強い衝撃力」のかかる運動は骨に最も良いのですが、そんなに激しい運動を取り入れなくても骨を強くできます。6万人以上の閉経後女性を対象とした研究「看護師健康調査」によると、少なくとも週に4回、早足のウォーキングをした人は、もっとゆっくりしたペースで歩いた人よりも、大腿骨頸部骨折のリスクがはるかに低かったそう。「早足のウォーキング」とは、普通のスピードで10分ほど歩いたら、会話を続けるのが大変なくらいのペースで2分間歩くこと。ゆっくりしたペースのウォーキング1〜2分を間にはさんで呼吸を整え、3〜5回繰り返します。
これを2、3週間続けたら、速いペースのウォーキングを1分ずつ長くして、最終的に5分間を3回にします。フリエルさんによると、速いペースのウォーキングは、背中の痛みや関節障害のせいで衝撃力の強い運動ができない人にとても良い方法です。
2.後ろ/横に歩く
骨に新たな(でも安全な)ストレスをかけるもうひとつの良い方法は、歩く方向を変えることです。骨の専門誌、オステオポロシス・インターナショナル誌で報告された研究によると、横歩きや後ろ向き歩きは、骨密度を高めるための「強い衝撃力」のかかる運動と同じくらいの効果があるとか。ペリテラさんのおすすめは、横歩き、後ろ歩き、かかと歩き(かかとだけを地面につけて歩く)、母指球歩き(足の親指の付け根部分だけを地面につけて歩く)をそれぞれ30秒間。このパターンを3〜5分ごとに繰り返します。
3.大きなジャンプを20回
特定の方法で行うジャンプは、閉経後の女性で骨に有益と研究で証明されています。ひとつの研究によると、連続20回のジャンプを毎日2回行った女性(25〜50歳)は、わずか4カ月で骨盤の骨密度が増えました。注意点は何かと言えば、ジャンプしたら、次のジャンプの前に30秒間休むこと。次のウォーキングでこれを試すなら、スマホのタイマーをセットするか時計を見ながら5分間歩き、次の10分間は30秒ごとに1回ジャンプします。ジャンプするときは、足をそろえて立ち、膝を曲げて腕を後ろに振り、大きく上に振り上げながら跳び上がって。20回ジャンプしたら、また10分間歩き、これを繰り返します。
4.階段か急な坂をウォーキングに取り入れる
chris fanning/gettyimages骨にかかる有益な負荷を増やすなら、階段や急な坂をキビキビと上がり下りするのも良い方法、とペリテラさん。近くに丘がたくさんあればラッキー。いつものコースに2、3カ所の上がり下りを加えます。丘や坂道がない場合は、近所の学校の屋外競技場や外階段のある大きなビルを探して。「数分間の上がり下りで、骨密度にとても良い影響があります」(ペリテラさん)。
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