一昨年、ベトナム中部へ行った際、出会ってしまったのが「バインセオ」という料理です。

パリパリの生地の内側に、豚肉やエビなどとともに、もやしやネギなどのシャキシャキ野菜がたっぷり包まれ、ミントやパクチーなど香草とともに、チリソースや甘酢などをつけていただきます。

バインセオの生地は、意外とVegan

ヨーロッパでは“ベトナム風クレープ”と呼ばれ、じわじわ人気上昇中とか。このパリパリ食感の薄くて黄色い生地が、とにかく野菜に合うんです! その見た目から、卵で作られていると思いこんでいたのですが、取材してびっくり。生地の材料は「米粉、ココナッツミルク、ターメリック、水」のみ。つまりVeganだったのです。

ベトナム滞在中にほぼ毎食食べ続けるほど惚れ込んだバインセオ。自分で作りたくて試行錯誤し、やっと公開できるレシピができましたので、今回ご紹介します!

ちなみに、「バイン」とはパン、饅頭、ケーキなど粉をこねたものを指すことばで、「セオ」とは生地が熱い鉄板に触れたときにたてる音を表しているそうです。

Vegan バインセオの作り方

バインセオの作り方のポイントはなんといっても、「パリパリ生地」「シャキシャキ具材」

本場ベトナムのバインセオは、野菜とともに豚肉やエビが入っているものが多いのですが、TOKYO VEGANオリジナルレシピはもちろんVegan。代わりに、日本が誇るとっておきの具材を入れたらハマるおいしさに!

<材料> 2枚分

【パリパリ生地】

米粉 120g ターメリック 小さじ1.5 ココナッツミルク 120ml 水 160ml 揚げ焼き用の油(菜種油、米油など) 50ml

【シャキシャキ具材】

もやし(細めがオススメ。豆つきもOK) 1袋 たくわん 60g 炒め油(菜種油、米油など) 大さじ2 塩こしょう 少々 にんじんなます 1/4本分(にんじんをスライスし、砂糖、レモン汁、塩にひたしてレンジ加熱) パクチー 1束

【つけだれ】

しろたまり(なければ薄口醤油) 大さじ1 てんさい糖 大さじ1.5 レモン汁 大さじ1.5 トマトケチャップ(動物性エキスなど不使用のもの) 小さじ1/2 水 大さじ1

【添えもの】

無糖ピーナッツペースト 砕いたピーナッツ ライム

<つくり方>

生地の材料をボウルに入れ、泡立て器でよく混ぜ合わせ、にんじんなますをつくり、つけダレの(*)をまぜる。 大きめのフライパンに炒め油を熱し、もやしと短冊切りにしたたくわんを塩こしょうで味をつけて強火で30秒〜1分炒め、火が通りきる手前で皿に移しておく。 フライパンの汚れをふきとったら、油を大さじ2程度、多めに温め、混ぜておいた生地を薄く流し入れる。流し入れた生地には触らず、上に「2」の野菜の半量を乗せ、蓋をして2〜3分蒸し焼きにする。 生地のふちがパリパリにはがれてきたら、そのふちからフライパン一周、油をまわし入れ、揚げ焼きにし、全体がパリッとしたらふたつ折りにして皿にうつす (多めの油がポイント)。 生地の間に、にんじんなますとパクチーをたっぷりはさみ、つけダレとピーナッツペースト、砕いたピーナッツ、ライムを添える。

とっておきの具材は、油で炒めたたくわん。絶妙なうまみと食感をつくってくれます。もやしのボリューム感で大きく見えますが、ひとり1枚ペロリと食べられますよ!

本場ベトナムのバインセオ

本場ベトナムのバインセオ、特徴はなんといっても、

ライスペーパーに包んで手でいただく こと ホーリーバジルやミント、どくだみのような葉っぱなどたっぷりのハーブ

です!

本場のように豚肉やエビを入れたバインセオもとってもおいしいですが、植物性の食材だけでつくるVeganバインセオなら、もっと多くの方に食べてもらえる!と思い、つくりました。

「米粉やターメリックってこんなにおいしいんだ!」「アジア特有のみずみずしい野菜って最高だな!」と、楽しんでいただけたらうれしいです。

次回もとっておきレシピを公開します。お楽しみに!

Vegan(ヴィーガン)とは、完全菜食。 動物性のものを一切使わないライフスタイルや、そのような食事のことをさす言葉。 本連載『TOKYO VEGAN』では、おうちでつくれるVeganレシピのほか、おいしい野菜や調味料、世界のVegan事情についてなどをゆるゆると綴っています。

大皿彩子 Saiko Ohsara
Alaska zwei 店主 / 株式会社さいころ食堂代表、“おいしい企画”専門のフードプランナー。Veganカフェ「Alaska zwei」の運営のほか、食に関わるブランドプロデュース、レシピ開発、空間コーディネート、イベントのトータルコーディネート等を行う。saikolo.jp

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