毎年個性的なビールを生み出す一方、フードロス問題にも関心を持ち2015年には売れ残りのパンからビールを作り、話題になりました。そのBBPが、今回成功したのは、なんと、ビール粕からパンを作る試みです。
高タンパク低カロリーな「ビール粕」
ビール醸造の工程で生まれる副産物である「ビール粕」は、大麦の外側の部分にあたります。
BBPによれば、100リットルのビール製造につきビール粕が20キロ以上できるそう。ヨーロッパ全体だと、実に、1年で何十億トンもビール粕が生まれる計算。
大きなビール工場では、家畜のえさや肥料などに回していますが、小中規模のクラフトビール醸造所には、そういうルートができていません。BBPでも、週に約1トン生まれるビール粕をなんとか活用できないものかと、常々考えてきました。
シリアルパンを思わせる仕上がり
しかも、ビール粕は、繊維とプロテインが豊富で、アミノ酸・脂質・ミネラルも含み、低カロリーときていますから、再利用しない手はありません。
BBPが一年以上、ビール粕の特性を調べ、加工法を模索した結果たどり着いたのが、乾燥させ粉末状にしたビール粕を使ったパンというわけです。
ブラッセルの二軒のパン屋、La Boule(ラ・ブール)とLowy(ロウィ)とのコラボにより生まれたこのパン。10~20%の小麦粉を、ビール粕の粉に置き換えることで、より繊維質の多いパンに仕上がりました。実際、見た感じ、シリアルパンを思わせます。
Lowyでは、このパンをbruXSels(ブリュクセル)と命名しました。これは、ブラッセル市のフランス語名Bruxelles(ブリュクセル)にかけた名前です。このbruXSels(ブリュクセル)、これからは週に1000個以上焼かれる予定です。
BBPでは、パン製造にとどまることなく、ビスケットやグラノーラ、ワッフルなどへの応用も検討しています。また、そのほかの調理アイディアも広く募集しています。
パンからビールへ。ビールから再びパンへと円を描く食のリサイクルの輪。いろんな分野でこういう輪が増えれば、未来の形も少しずつ変わってくるのでは、と思えるニュースでした。