フィジカルトレーナーの第一人者である中野ジェームズ修一さんに、“ヒップアップの正攻法”をうかがう短期連載。第3回はヒップアップの鍵を握る「骨盤」に注目。自宅でできるワークアウト:レベル3もレクチャーします。
ビフォーアフター写真は「骨盤」をチェック
image via Shutterstockヒップアップは比較的簡単――そんなイメージを生んだ一因は、SNSなどで流布するビフォーアフター写真にあるかもしれません。中野さんによると、これらの写真の多くは「骨盤」の操作で演出されているそう。
「要は、骨盤が後傾気味になっているとおしりが下がってみえる。骨盤を前傾させると、おしりが上がって見えるんですよ。ビフォーアフター写真をよく見ると、腰を反らせているだけだったり、撮影のアングルを微妙に変えていたりするので、私たちトレーナーからすると疑問を感じます。
ただ、そうしたトレーニングでは骨盤を前傾させる動作を何度も行うので、その姿勢が安定してできるようになり、ヒップが上がってみえるということはあります。骨盤が後傾位だった方が前傾位になることで、ヒップアップして見せることは可能です」(中野さん)
もともと日本人は骨盤が後傾気味の人が多く、ヒップが下がってみえる一因だと中野さん。今回は骨盤を前傾させる方法など、ヒップアップのトレーニングの詳細をうかがいます。
“ヒップアップ”ワークアウト・レベル3
中野さんが“ヒップアップ”の正攻法として教えてくれたのは、おしりが上がって見えるよう骨盤を前傾位に戻し、そのうえでヒップ周辺の筋肉を鍛えるというメソッド。
レベル3では腸腰筋を鍛え、前傾位にした骨盤をキープできるようにするトレーニングをご紹介します。腰元にある腸腰筋は、背骨と両脚の付け根、骨盤と脚の付け根を結ぶ大切な筋肉。ここを鍛えることで骨盤の位置が矯正され、前傾位に保ちやすくなりますよ。
腸腰筋のトレーニング(ニーアップ)
1.壁の横に立ち、壁に右手をつく。右脚を前に大きく踏み込み、左脚は後ろに開く。
2.壁に手をついたまま、左膝を高く上げるようなイメージで腿上げを繰り返す。上体は倒さないように注意。
3.反対側も同様に行いましょう。
腸腰筋のトレーニングにより骨盤の位置を調整すれば、下腹が出ているのを目立たなくすることも可能です。第4回ではヒップアップのコツとともに、大臀筋を効果的に鍛えるトレーニングをご紹介します。
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中野ジェームズ修一さん
スポーツモチベーションCLUB100最高技術責任者、PTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー、米国スポーツ医学会認定 運動生理学士(ACSM/EP-C)フィジカルを強化することで競技力向上や怪我予防、ロコモ・生活習慣病対策などを実現する「フィジカルトレーナー」の第一人者。「理論的かつ結果を出すトレーナー」として、卓球の福原愛選手やバドミントンの藤井瑞希選手など、多くのアスリートから絶大な支持を得ている。2008年の伊達公子選手現役復帰にも貢献した。2014年からは、青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化指導も担当。早くから「モチベーション」の大切さに着目し、日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナーとしても活躍を続けている。自身が技術責任者を務める東京神楽坂の会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB 100」は、「楽しく継続できる運動指導と高いホスピタリティ」が評価され活況を呈している。主な著書に『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)、『青トレ』(徳間書店)などベストセラー多数。2018年10月に新著『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP社)を刊行。
中野さんが教えてくれたヒップアップのコツ
“美尻”は男性のほうが作りやすい? ヒップアップの正攻法02
撮影(メソッドパート)/中山実華