覚えがありませんか? 何気なく頭をこすったり、ブラッシングしたりしたときに突然、「イタッ!」。何か小さな出っ張りに当たって、本気で痛かったこと。

そう、いつの間にかできている“頭皮のニキビ”。よくないお知らせで気が引けますが、顔や背中、胸などにできるのと同じこのニキビ、実はあまり軽く考えない方がよさそうなのです。

頭皮のニキビは髪の生え際や、髪の根元にできて、髪のブラッシングやスタイリングが厄介になりますし、痛みまであります。その上、帽子で隠そうとすると、おそらく状況が悪化するだけ。

それじゃ、どうすればいい?そこで、頭皮のニキビの原因、なくすにはどうすればいいか、さらに再発を防ぐ方法もあわせてご紹介します。

頭皮のニキビの原因は?

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顔や身体のほかの部分とまったく同じく、「毛包(毛穴の中で毛と毛根をおおう袋状の部位)」が油脂でふさがれるか、内部に汚れが詰まってしまうと、ニキビができます。

テネシー州メンフィスの皮膚科医院アドバンスド・ダーマトロジー&スキン・キャンサー・アソシエイツの皮膚科医、パービシャ・パテルさんはこのように説明します。毛穴がふさがれて炎症が起き、赤くなって痛みや刺激が起こるのです。

コネティカット州スタンフォードの皮膚科医院「サザンコネティカット・ダーマトロジー」の皮膚科医、ロビン・エバンズさんによると、「頭皮ニキビはたいてい顔のニキビの延長です。髪が脂っぽいとか、オイリーなヘアケア製品を使っている、オイリーなスキンケア製品を生え際近くに使ったなどの場合にできやすくなります」

言い換えると、オイルベースのセラム、クリーム、ローションなど、顔の毛穴をふさぐ可能性のある製品は、すべて頭皮にも同じ作用をする可能性があるわけです。

ニキビに似ている「毛包炎」

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ニキビが髪の生え際以外の部分にできたら、おそらく「毛包炎」でしょう。頭皮の毛包が細菌やカビに感染して起こるニキビのような症状です。アメリカ皮膚科学会(AAD)の情報サイトによると、毛包炎の場合は、必ずしも痛みがあるとは限りませんが、かゆくなることがあるそう。

毛包炎の原因になる細菌は、暖かくて湿った環境で増え、感染しやすい人もいます。「カーリーヘア、ロングヘア、縮れ毛の人、ヘアケアにオイルを使う人は、毛包炎になりやすいようです」と、パテルさん。

暑く湿った環境で、帽子やヘルメットをかぶって身体を動かす(そして、その後で髪を洗わない)人も、なりやすいでしょう。

頭皮のニキビをなくすには?

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頭皮のニキビは不快なだけではありません。治療しないでいると、吹き出物が大きくなって「のう胞」になる恐れがあり、そうなると中の液体を出さなければなりませんし、傷跡が残る場合も。ですから、できるだけ早く頭皮ニキビを治して、再発を防ぐためにできるだけのことをします。

とにかく重要なこと。気持ちはわかりますが、ニキビを指で引っ張ったり、つぶしたりしてはいけません

その辺りのブラッシングも避けて、シャンプーする場合はあまり力をかけないように気をつけます、とパテルさん。ニキビをつぶすと、近くの毛穴や毛包に細菌が拡散して、さらにニキビを増やす結果に。傷跡が残るリスクも高くなります

頭皮ニキビの治療法

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生え際のニキビは、顔のニキビとまったく同じように治療できます。まず、オイルフリーのクレンザー、薬用シャンプーでニキビの辺りを洗います。

どちらの製品もサリチル酸を含み、毛穴のつまりをなくして、皮膚がはがれ落ちるように優しくうながします(脂っぽい髪で苦労しているなら、オイリーヘア用シャンプーも使ってみるとよいかもしれません)。

その後、エバンズさんのおすすめによると、過酸化ベンゾイルを含む局所用ニキビ治療薬かクリームを塗ります。過酸化ベンゾイルはニキビの原因菌を減らして、余分なオイルを乾燥させますから、数日のうちによくなるはずです。

毛包炎の治療

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毛包炎の場合、米国皮膚科学会のサイトですすめている方法は、炎症をしずめて感染が早く治るように毎日3〜4回、15〜20分間温湿布を当てるもの

優しいケアを数日間続けても吹き出物が消えない場合は、皮膚科医に診てもらいます。処方薬レベルのニキビクリームか経口薬だけでなく、再発を防ぐための薬用シャンプーもすすめてくれるでしょう。なかなか消えない大きな腫れ物は、つぶして液を出してくれる場合もあります。

頭皮のニキビを防ぐには?

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うっとうしいニキビをやっつけたら、また出てこないようにできるだけ手を尽くします。

パテルさんによると、必ず2〜3日に1回はシャンプーすること、そしてオイルベースのヘア製品や化粧品を避けること。どちらも髪や皮膚が脂っぽくなるのを防いで、頭皮ニキビから守ってくれます。

頭にぴったりする帽子やヘルメットをかぶっていた後は(かぶって運動していたならとくに)髪を洗うようにするのも効果的。

最後にもうひとつ、運動した後は、汗が残らないようにできるだけ早く顔と髪を洗います。きっと、皮膚も喜ぶはず。

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訳/STELLA MEDIX Ltd.

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