前編では、オリンピックのチーフ管理栄養士もご担当され、著書「筋肉の栄養学 強いからだを作る食事術」を出版された管理栄養士の川端理香さんに、「筋肉を効率よくつけるには、タンパク質など、ひとつの栄養素だけしか意識しないのはやめましょう」というお話をうかがいました。
おおまかな栄養素をとりあげて説明して頂きましたが、実はそれ以外にもかかわりの深い栄養素があるといいます。後編では、それらを普段どのような食事をすることで摂ることができるのか、またトレーニング前後の補給など具体的に教えていただきました。
タンパク質は、どんな食品を選ぶかが重要
まず、筋肉をつくるタンパク質を含む食品は、何を選ぶかが大切です。タンパク質を多く含む食品は大きくわけて、
肉 魚介類 卵 乳製品 豆製品に分けられます。1~4は動物性タンパク質、5のみ植物性タンパク質です。
タンパク質の質はこれまでアミノ酸スコアというもので評価されていました。これによれば、1~5はすべてアミノ酸スコア100という良質のタンパク質。ただこれは消化などを考慮していないため、PDCAAS(タンパク質消化吸収率補正アミノ酸スコア)やDIAAS(消化性必須アミノ酸スコア)という指標が用いられるようになりましたが、これによれば動物性タンパク質の方が若干数値は高いものの、1~5は同等とみなしても大丈夫です。
タンパク質を多く含む食品の上手な摂り方
1. 肉
WHO(世界保健機構)が、加工肉や赤身肉と大腸がんのリスクを指摘して話題になりました。赤身肉とは、鶏肉以外の豚肉や牛肉、羊肉などをさします。ですからこれらの種類の肉類ばかりを食べないようにして、また食べる際には野菜の量を増やすようにしましょう。ハムやソーセージなどは、結着補助剤や塩漬で増量もしているものも多く、避けたほうがよいでしょう。好き嫌いが分かれるレバーは、実は鉄だけでなくあらゆるビタミンを含む優れもの。月に数回は食べるようにし、高強度のトレーニングを行うときには選びたい食材です。
2. 魚介類
青魚やうなぎ、トロなど、魚の脂にはオメガ3であるEPAやDHAが豊富。脂がのったものほど、加熱せずに刺身で食べましょう。おすすめは魚の缶詰です。さば缶が人気ですが、鮭やいわしの缶詰でもこれらの脂はとれます。これらにはビタミンDも多いので、骨や筋肉を作るのを助けます。最近はプロテインなどのサプリメントにもビタミンDが含まれているように、身体づくりは必須なのです。しらすにも多く、魚介類以外では、卵やしいたけなどに多く含まれます。
3. 卵
黄身より白身の方が高タンパク質低脂肪として筋肉づくりには効果的なイメージがありますが、実は黄身には鉄や葉酸など身体をつくる栄養素も豊富。葉酸は妊娠期に多く摂るようにすすめられることからも、細胞を作るためには欠かせない栄養素。卵以外では、ほうれん草やブロッコリーなど緑色の野菜に多く含まれます。タンパク質を摂りたいからと白身だけを食べるのは、実は効率の悪い食べ方なのです。
4. 乳製品
日本人は牛乳を飲むと下痢をする乳糖不耐症の人が多いです。そのため日本人には牛乳は合わないのではないかといわれたりします。下痢をしないまでも、乳製品を摂るとおなかが張るなどする人は無理をする必要はないでしょう。ただ、牛乳は合わないけれと、チーズやヨーグルトは大丈夫という人も多いです。ヨーグルトは上に水がたまっていることがありますが、これはホエイといって筋肉を効率よくつくる栄養素。捨てないようにしましょう。
5. 大豆製品
大豆のなかで、何といってもおすすめは納豆。大豆を発酵させている納豆は、腸内環境をよくするだけでなく、ビタミンKなども豊富です。大豆にはイソフラボンが含まれ女性ホルモンのエストロゲンと似た作用をするということで意識している方も多いと思いますが、本物の女性ホルモンよりは作用が非常に弱いため、一度にたくさん摂るよりは、毎日こまめにとることがおすすめです。豆腐は木綿豆腐の方が身体をつくる栄養素が多く、絹豆腐は疲労回復に効果があります。避けたいものは、油揚げと調整豆乳です。油揚げは、豆腐を薄く切って揚げたもので、調製豆乳は植物油や糖が加えられています。
タンパク質はまとめて食べるよりも、回数を分けて摂りましょう。「朝ごはんは食欲や時間がなくて食べず、昼食はおにぎりやパン、その分、夕食はタンパク質をしっかり」ではなく、3食に必ずタンパク質の多い食品をとりいれるのです。
もちろん、鶏肉だけ、卵だけという〇〇だけという摂り方ではなく、さまざまな種類をとることで、タンパク質以外のビタミン等も不足せずにとれるようになります。タンパク質を摂るときには、前編でお話したビタミンB6や食物繊維などの栄養素も意識すること。
筋トレする・しないで、食事は変わってくる
さらに、トレーニングを行う日とそうでない日の食事量を調整している人も多いと思いますが、気を付けたいのは、トレーニングをしない日も筋肉や骨などを維持するためにタンパク質は必要になるということ。トレーニングをしないからといって、糖質だらけの食事にならないようにしましょう。むしろ、とりすぎた糖質は体脂肪になるので注意してください。
トレーニングを行う場合は、終わってすぐに栄養補給をしましょう。これは量が少なくても大丈夫です。とりあえず終わってすぐに摂ることで、筋肉の破壊を修復にシフトさせるのです。手軽にとりいれやすい豆乳や牛乳、鮭おにぎり、ちくわ、チーズかまぼこなどはおすすめです。これらを軽く摂ったあとに食事をすることで効率よく体をつくることができます。
食べてトレーニングをすることで、筋肉は作られます。これらの知識を実践して、ぜひのぞむ身体を手に入れてください。
853円
川端理香(かわばた りか)さん
管理栄養士。昭和女子大学非常勤講師。2004年アテネオリンピック「VICTORY PROJECT」チーフ管理栄養士、08年北京オリンピック委員会強化スタッフ。JリーグやVリーグ、プロ野球、プロゴルフ、ラグビーなど多くのトップアスリートをサポート。著書多数。一般を対象にした講演などの食育活動や執筆、レシピ開発、企業の栄養アドバイザーも務める。
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コメント
コメントを書く× しなやかな筋肉のための食事法
〇 筋肉以外の、体全体の健康を考えた食事法
筋トレが続かない理由の一つに、効果的な環境を作るのにお金がかかるっていう側面もあるのよね・・・。
うなぎを刺身でとか本気ですか?記事の内容も筋肉作りとあまり関係ないですし・・・
本当に管理栄養士?と疑われかねないので修正するか消すことをお勧めいたします。
広告されているので注意ですよ。
>>3
この記事を書いてるライター達は心理や医学に関する資格も経歴も無い人間がほとんどですから、あしからず。管理栄養士とか言ってますが、これもインタビューをしたりしたわけでもなく、ただ本を出した人間の書籍の内容を引っ張って勝手に記事にしているだけです。皮肉なことに、この駄文は電子媒体ですので、文字通り尻をふく紙にすらなりません。
この記事においては、「青魚やうなぎ、トロなど(といった)、魚(全般)の脂にはオメガ3であるEPAやDHAが豊富。(だから、全般的に魚は)脂がのったものほど、加熱せずに刺身で食べましょう。」という意味合いでライターは上記の内容を書いたのでしょうが、「うなぎを生のまま刺身で食べろ」といった意味に取りかねない誤解を招く書き方をしています。
また、ご指摘の通り、ウナギの血は有毒であるため、生食は厳禁ですし、青魚も、大きさや地域によっては「シガテラ毒」という深刻な中毒を引き起こす毒素を保有していることがあります。こちらは熱を通しても毒性を失わないため、より危険です。こういった注意点も引き合いに出さず他人の情報をパクって記事にしているだけですので、ゆめゆめ参考にしないようご注意ください。
筋トレ、飯の順番ってどうするのが良いんだろうーって漠然と思っていたので、飯が後が良いのかーと漠然と受け取っておく
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