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筋トレを始めるときに知っておきたい、かしこい鍛え方のヒント
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筋トレを始めるときに知っておきたい、かしこい鍛え方のヒント

2019-07-22 11:00
    健康的で美しく、太りにくい体をつくるために、筋トレほど効果的なソリューションはありません。

    前編の筋肉に関する基礎知識に続いて、筋生理学者の石井直方教授に筋肉トレーニングをさらに効率アップする方法を教えていただきました。

    まずはコアマッスルから鍛えよう

    全日本学生ボディビル選手権で優勝したほか、ボディビル世界選手権3位入賞など、ボディビルダーとして数々の実績を持つ石井直方教授(東京大学教授・理学博士)。

    筋トレを習慣化することで、脂肪を燃焼しやすく活動的な体を維持できると話します。

    「脂肪の消費、あるいは代謝の向上を目的とするなら、効率がいいのはコアマッスルを鍛える方法です。

    主なターゲットは大腰筋(だいようきん)。背骨と大腿骨をつなぐ筋肉で、太ももを引き上げたり、姿勢を維持し、内臓を正しい位置に引き上げておくのにとても重要な筋肉です。最近は老化防止筋肉としても注目されています。

    骨盤と大腿骨(だいたいこつ)をつなぐ腸骨筋(ちょうこつきん)、上体を後ろに反らす脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)、ヒップの中臀筋(ちゅうでんきん)なども鍛えるとよいでしょう。

    これらのコアマッスルがしっかり働くと、安静時の代謝も増えるので、太りにくい体質になって脂肪も落ちやすくなります」(石井教授)

    筋肉を太くするトレーニングの目安は、10回前後、やっと繰り返せるくらいの強度で、8~10回×3セット行うこと。負荷が軽すぎる運動を続けても、コアマッスルを鍛えることはできません。

    筋トレと有酸素運動の順番は?

    運動効率を高めるためには、筋トレと有酸素運動を組み合わせてほしいと石井教授。まずは筋トレをし、代謝の高い状態、脂肪が使われやすい状態をつくります。

    そのうえで軽いジョギングやウォーキングなどの有酸素運動をするのがおすすめです。

    「私の研究室の実験結果から確かめられている範囲では、少なくとも運動後6時間は、代謝の高い状態が続くことがわかっています。

    代謝の高い状態の間は、脂肪の使われ方も上がります。ふだんなら糖と脂肪が使われる割合は5対5ですが、それが4対6、あるいは3対7になり、脂肪燃焼がされやすい状態になるのです」(石井教授)

    トレーニングにおすすめの時間帯は?

    筋トレは毎日行う必要はなく、週2~3回が目安。自分の生活パターンのなかで、習慣的にできそうな時間をみつけることも継続のコツです。

    「ある程度自分で時間を選べるなら、午前中、朝10時くらいをおすすめします。活動的な日常生活が始まる前に筋肉を刺激しておけば、それだけ代謝が高まるからです。

    かといって起床後すぐ、体が目覚めていない段階ではケガをしやすい。早朝しか時間がない人は、ストレッチで体をあたためてから筋トレをしてください」(石井教授)

    女性の筋トレで気をつけるべきことは?

    女性の筋トレの場合、男性と違うポイントがいくつかあると石井教授。

    「女性の場合は、あまりゴツゴツした体になりたくないという人もいますよね。ゴツゴツ感を感じさせるのは肩や腕のあたり

    そのあたりは負荷を軽くして回数を増やすと、女性らしい見た目を失わずに筋肉を強化できます」(石井教授)

    生理など女性特有のリズムも筋トレに影響します。生理中からその直後にかけては、実はホルモン環境的にはトレーニング効果が出やすい時期。

    自分のバイオリズムをうまく生かせば、筋トレの効率アップが可能です。

    加圧トレーニングやスロトレを取り入れよう

    「筋トレは単純で、あまり面白いというものではありません。ですから“続けられるかどうか”というのは、重要なキーファクターになります」(石井教授)

    石井教授が注目するのは、筋肉の静脈に圧力をかけて行う加圧トレーニング。著しく血行がよくなることで新陳代謝が活発になり、筋肉増大に適した環境ができ上がります。

    さらに、通常では考えられないほど大量の成長ホルモンやアドレナリンが分泌され、脂肪を分解するうえでも効果が高いのだそう。

    「加圧トレーニングは専門のトレーナーのいる施設が行う必要がありますが、加圧トレーニングから考案された“スロトレ(スロートレーニング)”なら誰でもできます。

    通常のスタイルで30回から35回くらいやるとしんどいくらいの運動を、時間をかけて5回から10回ゆっくり行い、筋肉にずっと力を入れている状態を保つのがスロトレ。

    大腰筋(だいようきん)をはじめとするコアマッスルを効率よく鍛えることができます」(石井教授)

    おなじみのスクワット運動も、膝を曲げきらず、また完全に立ち上がらずにしゃがむというように、筋肉を収縮させたまま行えばスロトレに。

    関節や腰への負担が比較的軽く、運動不足気味の中高年にも取り入れやすい筋トレのスタイルです。くわしいトレーニング例は、ぜひ石井教授の著書『一生太らない体のつくり方』を参考にしてください。

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    筋肉強化という目的でいえば、年齢は関係ないと話す石井教授。しかし何の訓練もせずに歳をとると、40歳過ぎから筋線維の数が減ってくるとのこと。

    できるだけ早期に、自分に合った筋トレを習慣化することが、いつまでも健康でいる秘訣といえそうです。

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    石井直方(いしいなおかた)教授
    東京大学教授(運動生理学、トレーニング科学)。理学博士。1955年、東京都出身。東京大学理学部卒業。同大学大学院博士課程修了。力学的環境に対する骨格筋の適応のメカニズム、及びその応用としてのレジスタンストレーニングの方法論、健康や老化防止などについて研究している。日本随一の筋肉博士としてテレビ番組や雑誌でも活躍。著書は『筋肉まるわかり大事典』『トレーニング・メソッド』(ともに小社刊)、『一生太らない体のつくり方』(エクスナレッジ)など多数。

    参考書籍: 『筋肉まるわかり大事典』(小社刊)、『一生太らない体のつくり方』(エクスナレッジ)

    image via shutterstock

    RSSブログ情報:https://www.mylohas.net/2019/07/194966sp_muscle_basic02.html
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