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もしも「がん」と診断されたら……。

身近な人や、とくに子どもにはどのように伝えるとよいのでしょうか? がん患者とその家族のケアが専門のセラピストと、母親であり二度のがんを経験した女性に、この難しい状況への対処の仕方を聞きました。

「ウソをつかない」「説明しすぎない」など前編5つは、こちら

1. 簡潔な言葉を選ぶ

子どもにも理解できる簡単な言葉で説明することが大事です」と、臨床心理士(LCSW)でアッカーマン家族療法研究所のメンバーでもあるネル・シャナハンさんは説明します。

“診断”や“予後”といった言葉は子どもには難解。シンプルで分かりやすい言葉を使うとよいでしょう。ただし、大切なことを省いて話してはいけません。子どもが本当の事を理解するのを先延ばしにしてしまうからです。

「私が初めて娘に診断結果を説明したとき、逆効果だったのが、素直になりきれなかったこと」と、弁護士で、二度の子宮頸がんを克服し、ふたりの子を持つクリス・フェハーさんは振り返ります。

「私は、がんや腫瘍といった言葉は一切使わずに、“病院で血栓の原因が分かり、切除が必要な塊が見つかった”ことだけを伝えたのです。娘は落ち着いて聞いていましたが、ただ単に整形外科的な問題だと思っていたのだそう。結局、もう一度、本当の事実を説明しなければなりませんでした」

2. 子どもの感情面に寄り添う

子どもは、あなたの健康に何が起きているのかを簡単には理解できないし、自分の感情を理解することすら難しくなっています。そのためには、あなたも自分に同じような感情があることを認識し、子どもに伝えることが大切です。

「子を持つ患者さんには、単に子どもの感情を察知するだけでなく、自分自身も混乱していて、悲しく、怒りを感じていることを子どもにきちんと伝えるよう、すすめています」とシャナハンさん。「そのような思いを抱えているのは自分ひとりではないと気づくことで、子どもは安心し、親に理解されていると思えるのです」

3. 包み隠さず伝える

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シャナハンさんは、親としての存在そのものが子どもにとって最も重要な意味を持つと言います。安心して心を開くことができる空間で、思っていることをなんでも話していいよと伝えます。

ネベスさんもこれに賛成。自分の気持ちを素直に表現できる子どもは、Google検索に走らず、親にダイレクトに質問できる傾向があります。「がんについていろいろ話すことで、子どもは状況を正確に把握でき、安心します」

4. 親が支えていることを伝える

「子どもには、信頼している人からの支えが多ければ多いほどよい」とネベスさんは言います。フェハーさんもそれに賛成し、彼女の経験では補助的なサポートが重要であったと言います。

「私と夫のデイビッドは、別々に子どもたちと話す機会をもちました。そうすることで私からは直接大丈夫だと聞けましたし、夫には私に聞きにくい質問することができたのです」

また、サポートは家族からだけではないことを忘れてはいけません。ネベスさんは、子どもの学校にも病状を説明し、また子どもにも、学校で悩みを打ち明けられる人がいるか確認しておくようすすめています。

5. サポートをお願いする

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子どもは、あなたの大切なサポーターです。子どもにそう伝えることは、お互いのためになるとフェハーさんは言います。

「あなたは本能的に我が子を守ろうとし、自分の病状や治療に関して、極力子どもに隠そうとするかもしれません。しかし、子どもにも一緒になって治療に取り組んでもらうことで、子どももあなたをサポートできるという喜びを感じるのです」

「がん患者の家族にとってつらいことのひとつに、何も手助けができないことが挙げられます」と、フェハーさんは付け加えます。「何かしらの形で助けてもらうと、子どもも自分があなたの治療の役に立っていると分かるのです。それは、みんなにとってよいことになるでしょう」

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Daisy Melamed Sanders/How to Talk to Your Kids About Your Cancer Diagnosis/STELLA MEDIX Ltd.(翻訳)

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