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栄養療法のプロが教える、健康のために抜きたい食品4つ
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栄養療法のプロが教える、健康のために抜きたい食品4つ

2019-09-29 05:30
    体にいいと言われるものは何でも試しているのに体調がイマイチならば、「摂る」ことよりも「摂らない」ことのほうを意識してみるのはいかがでしょう。

    「何を摂るかを考えると難しいですが、摂らないものを決めるほうが簡単で効果的ですよ」と教えてくれたのは、栄養療法外来を設ける宮澤医院の宮澤賢史先生です。

    栄養療法外来でも指導する、摂取をやめるべき食品とは

    「栄養」を見直そうと思っても、どの食品を摂るか、調理法や食べるタイミング、量はどうすればいいか、選択肢が多すぎて困ってしまいます。

    テレビやネットの情報を頼りにオイルやスーパーフードなどを買い集めてはみたものの、結局長続きしなかった経験のある女性は多いのではないでしょうか。

    宮澤先生が「やめる価値がある」と唱える食品は4つ。栄養療法外来でも指導している内容です。

    1. アルコール

    現代人に不足しがちなビタミンとミネラル。ただでさえ摂れていないのに、肝臓でアルコールが分解されるときにビタミンとミネラルは消費されてしまいます。

    とくに消費されやすいのが「亜鉛」と「マグネシウム」です。

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    人の体内には3,000もの酵素が存在していますが、亜鉛とマグネシウムはそのうちの300種類以上もの酵素と結びついて、体の健康を維持していており、不足するとあちこちに障害が生じます。
    また、マグネシウムは日常的な疲れや倦怠感といった慢性疲労を改善するためのエネルギー産生には欠かせない栄養素で、摂りにくく、体に吸収されにくいという特徴があります。
    これらの消費を防ぐためにも、アルコールの過剰摂取をやめることは有効です。

    2. 砂糖

    GI値(食後血糖値の上昇度を表す指標)が上がるという点で、控えたほうがいい食品です。

    同じ糖質を含む食材のなかでも、お菓子や缶コーヒー、清涼飲料水などに代表される「単糖類」は、お米やイモ類のような「多糖類」と比べると分解・吸収速度が早く、急激な血糖値上昇を起こします。

    急激に上昇したあとに必ず起こるのが血糖値の急激な“低下”です。

    宮澤先生 :

    低血糖の状態では、頭がぼーっとしたり、集中力の低下や頭痛、眠気などを招いたりします。
    また、血糖値が下がりすぎると、今度は血糖値を上げるために、興奮作用がありイライラを招きやすくなるアドレナリンや、不安感や恐怖感が生まれやすくなるノルアドレナリンというホルモンが分泌されます。
    つまり、血糖値の急激な上昇と低下の原因となる砂糖を摂取することによって、心と体の両面に不調をきたしやすくなるというわけです。

    砂糖は、その色から白砂糖・赤砂糖・黒砂糖などと分類できますが、精製された白砂糖(上白糖、グラニュー糖)は控えるべき砂糖

    オリゴ糖の含まれる甜菜糖や、粗糖・黒砂糖(黒糖)など精製度を落とした砂糖は白砂糖と比較するとミネラルが増えます。

    「赤砂糖の三温糖は健康にいいというイメージを持つ方もいるかもしれませんが、白砂糖より体にいいということはありません」と宮澤先生。

    3. カフェイン

    今回ご紹介する4つの食品のなかで、摂取をやめることでもっとも効果を感じやすいのが「カフェイン」だそうです。

    カフェインといえば真っ先にコーヒーを思い浮かべますが、コーヒーを飲むことで得られる効用も耳にします。どうして摂取を控えたほうがいいのでしょうか。

    宮澤先生 :

    もちろんメリットも研究されていますが、慢性疲労で悩んでいるなら、コーヒーをやめてみるといいですね。
    カフェインは”エネルギーの先取り“をするもの。 つまり、疲れているのに、体に鞭を打ってコーヒーで動かされている状態。あとで必ず反動がきてよけいに疲れてしまいます
    また、中毒性もあり、脳に直接影響を及ぼします。

    コーヒーを1日に3杯以上飲んでいる人は要注意。それまで無理やりアドレナリンを燃やしてがんばっていたのが、急に摂取をやめてしまうと「動けなくなる」と宮澤先生。

    カフェインに依存していた人が急に0にすると、ひどい頭痛や倦怠感、動けなくなる方もいるそうです。

    まずは飲む量を少しずつ減らしていき、減らした分はノンカフェインのハーブティーやデカフェに置き換えるといいのだそう。

    2週間もすると「体がラクだな」と感じられるそうです。

    4. グルテン

    加工食品と同じように、パンやパスタなどに使用される小麦由来のグルテンも腸に炎症を起こしやすいもののひとつ。

    また、脳が麻薬を摂取したときのような物質をつくることもわかっています。

    宮澤先生 :

    小麦由来のグルテンは、グリアドーフィンというモルヒネによく似た物質となり、脳に影響を与えます。
    これを“脳アレルギー”と呼ぶこともあります。また、腸内でグルテンを消化する酵素がうまく働かず、アレルギー反応が出てくることもあります。

    毎日のランチタイムにパスタとコーヒーを楽しんでいた人なら、別のメニューを選ぶようにするだけでも効果は実感できそうです。

    すべての小麦粉製品を避けるのは大変ですので、麺類やお菓子などを控えることから始めましょう。

    まずは3週間。一生やめるというわけではありません

    “やめる”食事法を取り入れて、慢性疲労などの不調を改善し、気分よく毎日を送りたい。でも、大好きなものを食べない生活だと、かえってストレスもたまりかねません。

    宮澤先生 :

    なにも一生やめなければいけないわけではありません。2カ月ほど続ければ、心身の状態は大きく好転すると思います。
    習慣が安定化するには3週間かかると言われますので、まずは3週間がんばってみるといいと思います。
    そこで該当する4つの食品を摂っても、基盤が整えられているので元に戻るわけではありません。

    いかがでしたか? はじめはつらいかもしれませんが、自分の体で実験してみる価値はあるはず。

    今日は疲れているから早く寝よう。リラックスしたいからアロマを焚こう。そんないつものセルフケアと同じように、「疲れがたまっているから少しコーヒーを控えよう」と、自分の体に耳を傾けながら摂る食品を選ぶことができるようになるといいですね。

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    宮澤 賢史(みやざわ・けんし)先生
    東京医科大学医学部卒業、同大大学院修了。2000年より栄養療法を開始。宮澤医院(東京都葛飾区)にて問診事項と多くの血液、尿、唾液検査などにより疾患の原因を追究し、その原因に対する根本治療を行っている。がんから糖尿病、リウマチ、精神疾患まで扱う範囲は幅広く、患者数は20,000人を超える。NPO法人高濃度ビタミンC点滴療法学会理事、臨床分子栄養医学研究会代表、分子栄養学実践講座主宰を兼任するほか、校医、産業医も務めている。著書に『医者が教える「あなたのサプリが効かない理由」』(イースト・プレス)などがある。

    image via Shutterstock

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