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肌のシミ・くすみを防ぐためには、紫外線ケアだけでは足りません。

食べ物によって進行する「糖化」を防がなければ、AGEがシミを増やし続けると語るのは、糖化研究の世界的権威である山岸昌一教授。糖化と肌老化のメカニズムを解説した前編に続き、後編では糖化を防ぐ「抗糖化食品」についてお話をうかがいます。

揚げ物のAGEを半減させる調理法

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体内の糖化を防ぐためには、AGEを多く含む食品を避けることと、体内での生成を防ぐことが大切だという山岸教授。食品中のAGEの7%は体内に取り込まれてしまうため、まずは食品由来のAGEを減らす必要があります。

山岸教授によると、一日に摂るAGEは15000AGEが許容量。肉や脂肪を高温調理するとAGEが増えやすく、一般的なピザは半ピースで20000AGEを超えてしまいます。前編でお伝えしたように、調理は「揚げる・焼く」よりも「茹でる・煮る」方法で。高温調理より低温調理がベターです。

「どうしても揚げ物を食べたいときは、レモンや酢で下味をつけるとAGEが半減します。焼き物は酸味が残りやすいので、ショウガやニンニクなどの薬味を入れて、酢で軽く締めるとよいでしょう」(山岸教授)

抗糖化食材、ブロッコリー スーパースプラウト

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さらに、抗糖化作用のある食材を使うという手もあります。現在、抗糖化に効果的であることが認められているのが、ブロッコリーの新芽である「ブロッコリー スーパースプラウト」です。

「健康な男女25名に一日25gのブロッコリー スーパースプラウトを2か月間摂取してもらい、血中のAGE量を測定する臨床試験を行いました。すると、25名中22名で血中のAGE量が減少し、過去1~2か月の血糖値を反映するHbA1cの数値も低下するという結果が得られました」(山岸教授)

ブロッコリー スーパースプラウトには「スルフォラファン」という成分が高濃度に含まれています。スルフォラファンには糖とタンパク質の結合を抑えるはたらきがあり、糖化を抑えることができると考えられているそう。

加熱せず生で食べるのが抗糖化のコツ

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スルフォラファンを含むのは、ブロッコリーやカリフラワーなど、アブラナ科の野菜です。問題は、加熱すると吸収率が著しく低下してしまうこと。ゆでたブロッコリーの場合、ブロッコリー スーパースプラウト25g分のスルフォラファンを得るには、約6kgも食べなければなりません。

山岸先生が抗糖化食材としてブロッコリー スーパースプラウトを推薦するのは、生で食べられることと、少量でスルフォラファンを摂取できることが理由。できれば毎日半パック(25g)ほど取り入れてほしいと話します。

爽やか冷しゃぶの抗糖化レシピ

この日のセミナーでは管理栄養士の麻生れいみさんが、ブロッコリー スーパースプラウトを使ったおすすめレシピを提案してくれました。

ブロッコリー スーパースプラウト、豚肉、トマトの冷しゃぶサラダ

<材料(2人分)>

トマト 中1個 180g 豚ロースしゃぶしゃぶ用 200g ブロッコリー スーパースプラウト 1パック 50g A しょうゆ 大2、ごま油 大さじ1、レモン汁 1/2個分

<作り方>

Aを合わせてタレを作る。 トマトは1/8にくし切りし、さらにひと口大に乱切りする。 鍋に湯を沸かし、豚肉をしゃぶしゃぶの要領で火を通し、湯を切って1に漬け込む。 3にトマトを入れて混ぜ、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やす。 4のトマトと豚肉を皿に盛り、ブロッコリー スーパースプラウトをのせて、残ったタレを上からかける。

糖の代謝が促進されることで糖化対策になる“ビタミンB1”が豊富な豚肉と、ブロッコリー スーパースプラウトを組み合わせました。紫外線による日やけを防ぐ効果が期待されるリコピン豊富なトマトと、コラーゲンの合成を促すビタミンC豊富なレモンも使い、美肌効果を強化。トマトに含まれるクエン酸と豚肉のビタミンB1の組み合わせには疲労回復効果も期待できます」(麻生さん)

ブロッコリー スーパースプラウトを大根・梅肉・さきいかとあえて酢の物にしたり、アボカドと一緒にスムージーにするのもおすすめ、と麻生さん。

これなら手軽に、毎日の食事に抗糖化食品を取り入れられそうです。

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山岸昌一(やまぎし・しょういち)教授
昭和大学 医学部 内科学講座 糖尿病・代謝・内分泌内科学部門 教授。AGE研究の世界的権威。テレビ、ラジオ番組を通じて「AGEを抑え、老化を防ぐ方法」について一般向けに啓蒙活動を実施。AGEに関する研究で、日本糖尿病学会賞、アメリカ心臓病協会最優秀賞を受賞し、600本を超える英文論文を発表。

麻生れいみ(あそう・れいみ)先生
管理栄養士。日本栄養食糧学会、日本抗加齢医学会会員、食育栄養インストラクター、「食から健康に協会」代表。企業の特定保健指導・栄養相談を務める傍ら、病院の臨床研究において栄養療法を監修。医療と予防医学、栄養学を深く結びつける役割を担うべく、料理研究を行う。著書に『作りおきでやせぐせがつく糖質オフバイブル』(主婦の友社)、『麻生れいみ式 いつ会っても若い人の食べ方の新常識』(主婦の友社)など。

村上農園

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