いつまでもどんなときでも美しくあるために、誰でもできる簡単なマインドフルネスの方法をお届けしている連載「小田ユイコのマインドフルネス・ビューティー」。

1回目は、通勤時やコーヒータイムなど日々の習慣に取り入れられる方法、2回目は洗顔や保湿で心と肌を整える方法を紹介してきましたが、今回からは、読者の具体的なお悩みに対するケーススタディです。

【お悩み1】最近、夜なかなか眠れず、朝起きても疲れがとれません。熟睡するために、夜やるといいことはありますか?

夜、なかなか寝つけないのは、日中あった出来事、さっきチェックしたSNS、TVドラマの内容、明日の予定などが、アタマの中でリフレインしているから。

ベッドに入っても興奮状態、または緊張状態が続いているのです。グルグルしている考えは、ぐっすり眠るためには1ミリも必要ないこと。くやしかったこと、辛かったことはおろか、うれしいことですら、睡眠の妨げになります。

どうせ寝てしまったら考えなくなるのですから、そうしたアタマのグルグルは、寝る態勢に入ったら、いち早く手離すのが得策。

少しでも睡眠時間を確保し、良質な眠りを得るために、マインドフルネスはとても役に立ちます。おすすめは「屍(しかばね)マインドフルネス」

私は毎晩、これで安眠を手に入れています。ストレスや疲れで、カチコチになっていた体がほどけ、10分ほどでベッドに溶け込むバターのようになり、自然と寝落ちしますよ。

寝る直前、すべての考えを手放し、全身がリラックスするので、寝つきがいいばかりでなく、途中覚醒もなく、翌朝の目覚めもすっきり。短めの睡眠でもしっかりと疲れが取れます。

良質な眠りのための、屍(しかばね)マインドフルネス

スマホはなるべく遠くに置き、音はもちろん、バイブもオフにしておきます。TVも消して、できれば照明も真っ暗に。カーテンから外の灯りが入ってくるようなら、アイマスクなどをして、目を閉じたとき光を感じないようにします。

Step1.

そのまま寝落ち確実なので、布団はしっかりかけておきます。仰向けになり、体をまっすぐに。足は肩幅に、両腕も腰のわきにまっすぐ伸ばして、手のひらを上向きにします。

これまでアタマに渦巻いていた考えをスパッと断ち切るつもりで、「今から、屍(しかばね)マインドフルネス始めます」とココロの中で唱えます。

Step2.

まずは、呼吸に目を向けます。鼻腔を空気が通って肺に入り、鼻から出ていく様子を、静かな気持ちで見つめます。

腹式呼吸しようとか、ロングブレスしようとか、工夫の必要はありません。ただ、自然な呼吸を見つめるだけです。

呼吸が浅くなっていることに気づいても、がっかりする必要はありません。ただ、「浅くなっている」と観察しましょう。

Step3.

呼吸に集中できたら、カラダの力を抜いていきます。まずはつま先に意識を向けて力を抜き、「足先の力が抜けていく」と確認します。

土踏まず、かかと、足首、ふくらはぎ、膝、太もも、足のつけね、と順に意識を向けます。ココロのセンサーをあてたパーツから「力が抜けていく」ことを、丁寧に確認しましょう。

Step4.

脚が終わったら、次は腕です。指先、手のひら、手首、前腕、ひじ、上腕、肩の順に意識を向けて、「力が抜けていく」ことを確認します。

そのあとは、ボディです。お尻、お腹、腰、みぞおち、胸の順に意識を向けて、「力が抜けていく」ことを確認します。

Step5.

最後は頭部です。首、顔、頭と順にココロのセンサーを当て、「力が抜けていく」ことを確認しましょう。そのころには、すでに寝落ちしているかもしれません。

必ずしも頭部までコンプリートしなくても大丈夫です。頭まで行っても、雑念が多くてリラックスできない場合もあります。その場合は、また呼吸に意識を向け、つま先に戻って、1~5をリピートします。

【Point】
途中、雑念が入ったら、「◯◯さんに言われたことを思い出した」と客観的にアタマの中でメモ書きし、ココロに付箋をはります。付箋を貼ったら、また呼吸や、力を抜いている部位に意識を集中させます。

【お悩み2】12月は毎日慌ただしく、イライラしたり、気分が落ち着かないことが多いです。1日が始まる前に、心を落ち着けるためにやっていることはありますか?

確かに、12月は気持ちが落ち着かず、朝は今日1日の予定を思うと憂鬱にすらなることも。ですが、朝いくら考えても、予定は変わりません。

考えるべきときは、集中して考える。今、考えなくてもいいことは考えない。これが、心を落ち着かせ、瞬間、瞬間を充実させるコツです。

朝出かける前や、仕事に取りかかる前、私が実践しているのは、掃除です。といっても大したことではなく、気になったところを2~3分、拭き掃除するだけ

1分でも惜しいときに掃除なんて、と思うかもしれませんが、拭き掃除は、ココロを磨く最高のマインドフルネス。

気持ちが落ち着くので、むしろ朝の支度がスムーズに進み、前向きな気持ちで1日がスタートできますよ。

たった2〜3分のプチ掃除でマインドフルネス

ある日は洗面所の鏡、ある日はキッチンのコンロまわり、ある日は玄関のたたきの一部と、なるべく「小規模」に範囲を決めます。

掃除するところの素材にもよりますが、片手に厚手のペーパータオル、片手にマイルドな除菌・洗浄スプレーを持ったら準備完了。「今から、プチ掃除・マインドフルネス始めます」とココロの中で唱えます。

決めた範囲にスプレーをふきかけ、ココロを込めて磨いていきます。拭いているところがキレイになっていくのをしっかり観察しながら、拭いている手もとに意識を集中します。

たったの2~3分でも、「一心不乱」に拭くことが大事です。厚手のペーパータオルが両面汚れたら、ゴミ箱に捨ててお掃除終了。

小さな範囲でも、ピカピカになれは達成感が湧きますし、その2~3分は雑念から解放されるため、アタマがすっきりします。

【Point】
プチ掃除中は時計やスマホを見るのをやめ、掃除にだけ集中します。「アレを持っていくのを忘れないようしなくちゃ」のような、雑念すら思いつかないほど、一心不乱に拭きましょう。プチ掃除は、やりすぎないことが大事。拭いたところの隣が汚れていても、「明日やろう」と手をつけません。2~3分だから、毎朝続けられるのです。

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