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食欲コントロールできる、10個の簡単メソッド
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食欲コントロールできる、10個の簡単メソッド

2019-12-12 20:00

    年末年始に食習慣を変える10個の方法

    後編は、食べすぎ飲みすぎを防ぐ方法の実践編です。脳神経外科医の菅原道仁先生に、とっておきの方法を教えていただきました。ひとつでも年末年始にはじめてみましょう。脳が覚えると習慣化もラクにできますよ。

    01 .1日2食に変えてみる

    前編で、現代人が食べすぎだとお伝えしました。それは空腹でないのに食べてしまう「フェイクの食欲」に振り回されているからです。年末年始にぜひピュアな食欲、つまり「本物の空腹」を覚えましょう

    そもそも、人類の長い歴史において1日3食になったのは数十年前のこと。仏教の世界では「1日1食は聖者の食事、1日2食は人間の食事、1日3食は動物の食事」という言葉があるそうです。(動物だって1日2食のことが多いですよね)。

    朝食の次は夕方に早めの夕食をとるとか、朝を抜いてお昼と夜だけにするとか、ポイントは「本当の空腹を感じたら食べる」こと

    当然ですが、1日2食だからと1食のカロリーを増やしていいわけではありません。ちなみに、よく噛むと満腹中枢に信号が行くので、噛むことも意識しましょう

    02 .飲み会の後はひと駅分歩く

    現代人が食べすぎているのは、カロリーの過剰摂取もありますが、摂取カロリーに対して消費カロリーが少なすぎるということも原因です。つまり、運動不足

    運動すると、グレリン(食欲増進ホルモン)の分泌が抑制される効果があります。駅にはエスカレーターがあり、掃除機は自動になり、駅から遠いところにはバスがあると、便利になった現代人の生活。日常の運動量を増やすには、歩くのがいちばんです。とくに、食べすぎてしまったと感じた日は、「ひと駅分歩く」ことを習慣にしましょう。

    また、時間のある年末年始にゆっくりウォーキングも楽しんでみてはいかがでしょうか。「気持ちいいな」と感じたら、脳は「ウォーキングしたい」と思ってくれますよ。

    03.睡眠時間から1日のスケジュールを立てる

    「睡眠負債」という言葉が登場するほど、睡眠不足の人が増えています。良質な睡眠には、満腹中枢を刺激するホルモン「レプチン」の分泌に不可欠

    「毎日忙しくて寝る時間がない!」という人は、スケジュール帳を開き、まず睡眠時間をブロックしましょう。ショートスリーパーでも昼間に眠気を感じなければ、それがベストな睡眠時間と判断しますので、自分が「しっかり寝たな」と感じられる時間を想定して決めましょう

    その睡眠時間を除いた分が、自分が活動に使える時間。夕食後、寝るまでに2時間以上開けた方がいいことを考えると、夕飯の時間もおのずと決まってきますね。

    04.ドーパミンリスト(ワクワクリスト)をつくる

    ドーパミン(快楽物質)はぜひ味方につけたい脳神経物質。モチベーションシステムに大きく寄与します。食べること以外の快楽(楽しさ)を生活に取り入れるために、自分がワクワクすることは何か「ドーパミンリスト」を作ってみましょう。映画を観るでも、インスタ用の写真を撮るでも何でも構いません。

    自分が何かに集中しているとき、食欲を感じないという経験はありませんか? 食べることよりもテンションが上がることを、たくさんストックしておきましょう。

    05.1週間単位で食事量を管理する

    食べすぎとは、つまりカロリーの摂りすぎです。しかし、毎食、あるいは毎日カロリーを管理するのは難しいですよね。飲み会の日もあれば、予定がない日もあるでしょうから、食事は1週間単位で管理しましょう

    食べすぎたと思った翌日は減らす。あるいは週末に楽しい飲み会の予定があるなら、平日に節制をしておく。できれば、「何を食べたか覚えておく」ために、写真を撮る、カレンダーに印をつける、簡単にメモするなど、自分の管理しやすい方法を考えましょう

    06.「決断の選択」を減らす

    脳が処理できる情報量は限られています。たとえば、部屋が散らかっている人はたくさんのモノ(情報)が視覚から入ってくるので、脳が疲れるといわれています。毎日の行動も同じ。

    「どの服を着ようか」「何時の電車に乗ろうか」「何を食べようか」など、選択肢が多ければ多いほど、脳は疲弊します。

    脳のエネルギーが十分ならば、「今日は疲れているのでビタミンを摂ろう」や「食物繊維が足りていないからこの1品を追加しよう」など、食に丁寧に向き合うことができますが、疲れていたら「もう何でもいい」と考えることをやめてしまうのです。

    生活をシンプルにして「迷わず決める」ことで、脳のエネルギーを温存できます。服も食事もある程度のパターンを用意したりルールを決めて、ローテーションしてみましょう。

    07.残す勇気、断る勇気に挑戦する

    「ごはんを残しては申し訳ない」「すすめられたものは断れない」という“常識”は悪いことではありません。しかし、「食べすぎ」という問題においては、この常識にとらわれる必要はありません。

    大切なのは自分の健康です。残すことに抵抗があれば「量を減らしてください」と事前にお願いすることもできますし、甘いものをすすめられたら「今はお腹いっぱいで食べられない」など、丁重にお断りする方法はいくらでもあります

    また、食事に誘われても「行かない」という選択肢もあります。つねに自分の健康に意識を向けましょう。

    08.「メタ認知」で自分の人生を考える

    今から、理想の自分の姿を想像してみましょう。そして、「なぜそうなりたいのか」の理由も考えてください。理由は目的であり、これが明確な方が行動しやすいからです。

    想像ができたら、次は普段自分が食べているものに意識を向けましょう。その食事内容、食事の量は、さきほど想像した理想の自分を作り上げるものになっていますか? もしなっていなければ、改善の余地があります。

    また、食事の際にも自分の人生を俯瞰してイメージする練習をしましょう。今から食べるその一口は、確実に未来の自分につながっています。

    09.ドーパミン・コントロールをトレーニングする

    モチベーションの源、ドーパミンは達成感やワクワクした時に分泌される脳内物質。食欲コントロールには、食べること以外でドーパミンを分泌させることが鍵となります。じつはドーパミン・コントロールはトレーニングができるのです。

    簡単な3ステップ

    まず自己暗示をかける。「私は目標達成を簡単にできる」とか「私は食べ物以外のものに夢中になれる」など、何でも構いません。 スモールステップ目標を立てる。「今日は1日2食にする」「今日のおやつは食べない!」など。ひとつ達成するごとに「できた!」と自分を褒めましょう。 ドーパミンを分泌させる。運動や瞑想、音楽を聴く、あるいは新しいことに挑戦するなどで、ドーパミンを分泌させることができます。

    これを何度も繰り返すことで、小さな目標達成は容易になります。

    10.飲み会で食べるべきものをチェックする

    食べすぎる問題において、飲み会が悪いのではありません。自分が食べるものを決めることで問題は解決します

    おすすめは鍋。野菜もタンパク質もたっぷり摂れ、キノコなどの食物繊維もたくさん食べられます。とくにキムチ鍋はカプサイシン効果で睡眠の質を高めるメニュー

    また、お刺身もおすすめです。魚の油に含まれるEPAやDHAは血液をサラサラにし、消化吸収率も高いので胃腸に負担をかけません。しめのご飯やうどん、2軒目のラーメンなどはやめましょう。

    メタ認知や正常化バイアスを思い出してください。また、会食前に軽く何かを食べていくのもいいでしょう。「会費制だからたくさん食べよう」という欲を抑える効果があります。これは前編でもご紹介した「損失回避性」ですね。「割り勘は損して得する」と考えましょう。

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    菅原道仁(すがわら・みちひと)先生
    脳神経外科医。菅原脳神経外科クリニック院長。1970年生まれ。杏林大学医学部卒業後、国立国際医療研究センターに勤務。2000年より脳神経外科専門の北原国際病院(東京・八王子市)に15年間勤務。毎月1,500人以上の診療をおこなう。2015年に菅原脳神経外科クリニック(東京都・八王子市)、2019年に菅原クリニック 東京脳ドック(港区・赤坂)を開院。著書に『死ぬまで健康でいられる5つの週刊』(講談社)など。

    image via shutterstock

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