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ある日、ショッピングモールで買い物していたときのこと。

私のiPhoneに、知らない番号からメッセージが送られてきました。「お父さん、ミッチです。いまから死にます。大好きだよ。さようなら」

知らない人から自殺予告が届いた

心臓が止まるかと思いました。この人のことは知らないし、どう答えていいのか見当もつかなかった。警察に電話すべき? それとも、まず返事したほうがいい?

私は直感で、その人にメッセージを送るべきだと思ったんです。「おかけになった番号は間違っているけれど、差し支えなければお話を聞かせてもらえますか」と。“つらい状況にいるのだろうというのはわかります。でも、お願いだから自殺はしないで……”と私は懇願しました。

そのあとすぐ、警察に電話。数分後、私はショッピングモールの駐車場で警官と合流し、警官は私のふりをして私の電話からメッセージを送り続け、その人の自宅の場所をうまく聞き出すことに成功。彼が自分を傷つける前に救急隊員が到着したのです。

もしもの時、どんな行動をとるべき?

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この話は予想外の出来事のように聞こえるかもしれませんが、めったに起こらないとも言いきれません。

全米疾病対策センター(CDC)のデータによれば、アメリカ国内では2017年の1年間に47,173人が自殺しているのです。悲しいことに、自殺はアメリカ人全体の死因上位10位にあたり、35歳〜54歳までの人の死因の上位4位です。

スマホやソーシャルメディアといったテクノロジーが重視されている現代社会では、あなたもいつ見知らぬ人の助けを求める叫び声に遭遇するかわかりません。ツイッターで #suicide(自殺)というハッシュタグをざっと検索しただけでも、自殺願望をツイートしている公開アカウントが衝撃的なほど多いことがわかります。

救いなのは、最近の調査で驚くほど大多数のアメリカ人が、悩み苦しむ人を助けるために何らかの行動をしたいと思っているのがわかったこと。しかし、どんな行動をとるべきかを知っている人は、それほど多くありません。

国家自殺予防アクション・アライアンス執行委員で医療ソーシャルワーカーのジェリー・リード博士は「自分に果たせる役割を知ってもらうことが大切」と話しています。

自殺を考えている人と遭遇したとき、どうすればその人を助けることができるのでしょうか。専門家に聞きました。

1. 相手の話にじっくり耳をかたむけて

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自殺に関して軽い調子で話すというのは、残念ながらよくあることですが、その人が本気だった場合は厄介です。

たとえば、かなり激しい口調で同僚がこんなことを言ったとします。「もし上司が、またあの仕事をやれって言ったら死んでやる!」

冗談に聞こえますよね? しかしそうした思い込みは避けましょう。特に相手のことをよく知らない場合は気をつけて、と話すのはデンバー大学准教授で『Helping the Suicidal Person: Tips and Techniques for Professionals(自殺願望のある人を助ける:専門家によるヒントとテクニック)』の著者でもある認定臨床ソーシャルワーカーのステイシー・フリーデンタール博士です。

フリーデンタール博士によれば、自殺を考えている人の多くは行動に移す前に何かをほのめかすとのこと。

「2018年に自殺したセレブシェフ、アンソニー・ボーデインの場合も、何かあったら首をつるとインタビューでなにげなく話していた時期がありました。そうした揺れ動くような時期が何度かあって、実際に言っていたとおりのことをしてしまいました」

ほのめかす言動には要注意!

相手が本気かどうかよくわからず、あなたは何でもないことを大げさに騒ぎたくないと思うかもしれません。その場合も流してしまうのは避けましょう。インターネット上や面と向かって死にたいと言う人たちは、つながりを求めていることも多いのです。

「自分が苦しんでいるのを知っている人から無視されることで、傷つくかもしれません」(フリーデンタール博士)

一方で、自殺したいという訴えは期間限定である、つまり一時的なものだということが研究で示されています。

「臨床医、友人、家族、同僚、近隣の人、あるいは見ず知らずの他人としての私たちが果たすべき役割は、悩んでいる人々が物事をはっきり考えられるようになり、可能な援助を得られるようになるまで、困難を切り抜ける手助けをすることです」リード博士)

2. 親身になって、はっきり伝えよう

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真剣に自殺を考えている人と話す際には、死にたいと思っているのか率直に聞いてみましょう

「そうした質問は相手を気づかう対話のきっかけとなります。相手がどのようにみずからを傷つけようとしていて、あなたはその人をどのような形で助けることができるのか、親身になって話し合いましょう。その質問は、相手の頭の中に自殺という発想を植えつけることではありません」とリード博士。

最近の研究では、自殺について話すことが必ずしも自殺や自殺願望につながることはないということがわかっています。むしろその反対に、自殺を考えている人が本心を打ち明けて話すことは、自殺念慮(死にたいという気持ち)を減らし、そして一時的とはいえ、精神面の健康も向上する可能性があります。

「もしあなたが、その人を無視したり、あるいは自殺について考えているかどうかためらって聞かないでいたりすると、人生のつらい時期にいるその人は、誰にも何も言えずに苦しい状態にひとり置き去りにされます」とリード博士。

「孤立や孤独は自殺のリスク要因となりますが、反対に、社会的な支えや人とのつながりは重要な防御要因となるのです

明晩の『Prevention』に続きます。

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Jillian Kramer/I Stopped a Stranger From Dying By Suicide/Maya A. Kishida(翻訳)

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