文明が発達したおかげで便利な暮らしができていますが、その裏には多くの問題があるのが現実。普段何気なく使っている発泡スチロール(ポリスチレン)も、環境に影響を与える物質のひとつです。


NYでは、発泡スチロール使用禁止の流れ

ポリスチレンは石油でからできていて安価・軽量・耐熱性があるなどの利点がありますが、環境面では土で分解できない、リサイクルできない、また最近では発がん性物質を含むということが分かってきた、厄介者です。海に流れ出ても分解することはないので、毒性物質をため込み、海洋生物や観光客にとっても危険。

そこで、ニューヨークのブルームバーグ市長は今年の2月、レストランやコーヒーのテイクアウトなどで頻繁に使用される発泡スチロール(ポリスチレン)をこれから禁止するために動き出すと発表しました。現在ニューヨークでは、ポリスチレンの処分は、ニューヨーク外の埋立地に運ぶ以外に、処分方がないそうで、その費用(1トン80ドル)はニューヨーク市民の税金で支払われています。

ブルームバーグ市長は「環境を破壊し、税金の無駄遣いであり、代替品が簡単に見つかる発泡スチロールは、十分なくてもやっていける。心配しなくても、(発泡スチロールがなくても)テイクアウト用の箱やコーヒーカップには影響ない」と言っています。すでにサンフランシスコ、シアトル、ポートランドなどでは発泡スチロールの使用が禁止されています。


スターバックスでは、ホットドリンクは全て紙コップを使用

ただ一方で、利便性と低いコストを追求する企業にとっては痛手になるよう。ダンキン・ドーナッツをはじめとする企業や、レストランオーナー達からも反対の声が上がっています。発泡スチロールの使用を禁止すれば、紙やアルミなどの代替品を使うのにコストが上がるのが理由です。また、紙コップもコーティングがしてあるものはリサイクルしづらいので、ゴミの量が減るわけではない、これまでの流通が成り立たない、との指摘もあります。


ただ、アメリカのスターバックスのように、ホットの飲み物は紙性のカップしか使用しておらず、2015年までには全店舗で紙カップがリサイクルできるためのゴミ箱を設置する、という考えの企業もあります。企業は今、商品が環境に与える影響について深刻に向き合う必要性が出てきています。

リサイクルできたとしても、膨大なコストとエネルギーがかかります。そもそもリサイクルが必要なのも、私たちが過剰な消費をしているから。ゴミを減らすための簡単な手段は、マイ容器を持ち歩くこと。なんでも気軽に買っては捨てられる時代だからこそ、テイクアウトのコーヒーを買うときや、コンビニでお弁当を買うときに、その容器は捨てたらどこに行くのか? をもう一度見直す必要がありそうです。

[参照元:USA Today ,Policymic,Huffington Post

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(山縣美礼)

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