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【カヒミ・カリィさん最終回】よりよき未来に向けて、勇気を持って舵を切るとき
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【カヒミ・カリィさん最終回】よりよき未来に向けて、勇気を持って舵を切るとき

2020-04-16 06:00

    コロナウイルス問題が第1ピークを迎えたNYの今

    今、世界中がコロナウイルス問題の渦に飲み込まれています。

    前回の記事を書いたときは、原稿を納品してから記事が公開されるまでの数日の間にもNYの状況がどんどん変わっていくので、何度も訂正をお願いして落ち着きませんでした。

    その後、NYの状況はどんどん深刻化して、現在は第1ピークを迎えていると言われています。夫も私も海外暮らしが長いので、普段から国内外のニュースを追えていたこともあって、話し合って結構早くから慎重に行動することができたのですが、それでも振り返ると、あの時に行動すればよかったと思うことも多いです。

    でもどうにか無事に過ごすことができています。外出禁止令が出てからの1ヶ月、これほどまで街が変わってしまうとは想像できませんでした。

    ロックダウン直前に街中でアジア人がマスクをしだした時には差別問題が出た程でしたが、今はニューヨーカー達もほぼ全員、マスクやスカーフなどで顔を覆うのが常識になっています。

    マスクをする習慣がないアメリカ人にとって、これはありえないことだと言われています。それほどみんなに危機感があるのだと思います。日本のニュースも毎日追っているのですが、NYのようにならないかとても心配です。

    アルバム制作ほか、結婚や娘の誕生、NY移住の記録も…

    実は今回で、この連載を終了することになりました。ちょうど連載のテーマを再検討しているところだったのですが、こうして世界中の人々が足を止めている貴重な時期と偶然にもタイミングが重なったのは不思議です。

    MYLOHASから初めてのお誘いを頂いた時は、まだ形態はWebsiteではなくて雑誌でした。ニューメキシコでの取材やジャケット撮影など、とても貴重な体験をたくさんさせて頂き、今でも忘れがたい大切な思い出になっています。

    その時の経験を日記のようにしてみなさんにお伝えする為に、このMYLOHASでの連載がスタートしました。当時はこんなに長い間、書かせていただけることになるとは全く思っていなかったのです。

    毎回のテーマは特に決めずに、私の生活での出来事や気になっていることなどを自由に書かせて頂きました。その間、私のアルバム制作などの仕事の他にも、結婚や娘の誕生、東北大震災、NYへ移住など公私ともにさまざまなことがありましたが、いつも自由奔放に動き回わる私の記事をずっと読んで下さったみなさん、そしていつも支えて下さったスタッフの方々に本当に感謝です。

    最後の一年間は、今まで書いていたような自由な形式ではなく、MYLOHASのWebsiteの毎月のテーマにそってウェルネスについての原稿を書かせて頂くようになりました。

    絞られたテーマで毎回書くということは意外にも私にとって新しく、かついいチャレンジで、それがきっかけで自分自身の生活も見直すきっかけになったり、Sound Bathのサラに出会ったりなどすばらしい経験もありました。

    ところでMYLOHASの“LOHAS”はもうすっかり世間に浸透していますが、MYLOHASの雑誌が刊行された時は真新しい言葉で、まだ日本ではほとんど知られていませんでした。 

    グドール博士の言葉こそ、私たちが今考えるべきこと

    LOHASとは“Lifestyles Of Health And Sustainability”の頭文字をとった略語です。

    “健康で持続可能な生き方”という意味です。元は1990年後半にアメリカのコロラド州で、社会学者のPaul.H.Layと、心理学者のSherryRAndersonのふたりによる、全米10万人以上を対象にした社会調査を基に生み出されたマーケティングコンセプトとして生み出された言葉です。

    当時、このふたりはこのコンセプトネームがこんなにポピュラーになるとは思っていなかったのではないでしょうか。

    今、コロナウイルス問題が深刻になり、世界中で外出自粛が行われています。そのことで経済を始めとする問題が山積みでもありますが、その反面、大気汚染が驚くようなスピードで改善されていたり、普段は隠れている動物達が人気のない街中に姿を現したりなど、環境にとってはよい方向へターンしているというニュースもあります。

    今回、深刻な状況の真ん中で外出規制をし、毎日行われるクオモNY州知事の会見を聞いていて、改めて思ったのは、ひとりひとりが責任ある行動をすることによって、確実に世界の流れが変わる、ということです。

    先日、イギリスの霊長学者であり動物行動学者であるジェーン グドールのコロナウイルス問題についてのインタビューを読みました。

    この先、この問題が収束してから私達は前のような生活に本当に戻りたいと思うでしょうか。私達全員が真剣に考えるべきことだと思います。

    ジェーンの言葉はとても具体的で分かりやすいので、最後にご紹介しますね。それはまさに、LOHASの考え方だと思います。

    「日々の小さな選択をする時にその選択がもたらす結果を考えるようにすれば、誰でも、毎日、影響を与えることができる。

    何を食べるか、その食べ物はどこから来たのか、その食べ物は動物を虐待して得られたものか、集約農業によって作られたものか(大抵の場合そうだが)、子どもの奴隷労働で作られたから安いのか、生産過程において環境に悪影響を及ぼしたか、どこから何マイル移動してきたのか、車ではなく徒歩で移動できないか。

    それから、貧しいとこういった倫理的な選択ができないため、どうすれば貧困を和らげられるのかも考えてほしい。貧しい人たちは生き延びるために、自分たちにできることをせざるを得ない。どれを買おうかと考える余裕はなく、最も安いものを買うだけだ。食べ物をもっと栽培できる土地を必死に探し、最後の木を切り倒してしまうのだ。

    私たちが生活の中でできることは、一人一人少しずつ異なるが、私たち皆が変化を起こすことができる。誰もがだ」

    コロナパンデミックの原因は「動物の軽視」、霊長類学者グドール氏
    AFPBB Newsより引用

    最後に……

    長い間、この連載を読んで頂き、本当にどうもありがとうございました!

    読者のみなさま、そしてMYLOHASで私の担当をして下さった歴代のスタッフのみなさま、編集部のみなさまに、とても感謝しています。

    私達は今、新しいよりよき未来に向けて、勇気を持って大きく舵を切るとき

    どうぞくれぐれもお気をつけて、お元気でお過ごし下さいね!

    カヒミ カリィ

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    RSSブログ情報:https://www.mylohas.net/2020/04/211193kahimikarie.html
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