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動作と呼吸をリンクさせる「腕抜き呼吸法」
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動作と呼吸をリンクさせる「腕抜き呼吸法」

2020-09-20 18:00
    撮影/さいとうむつみ

    ──MASHING UPより転載

    「心が落ち着いたり体がラクになったりする」と、いま話題の「呼吸」。呼吸・整体コーチの松永真美さんに、短期集中連載で綴ってもらいます。

    呼吸についてお伝えする仕事をしている、と言うと「呼吸って大切なんですよね?」「息を吐くのが大事って聞いたので、意識的に吐くようにしてます!」「どんな呼吸法がいいんですか?」

    そんな言葉が返ってくることが増えてきました。なんだか呼吸、流行ってるみたいですね(笑)。

    呼吸と呼吸法は大きく違います

    大事なのは、呼吸法ではなく(むしろそれはできてもできなくても、どちらでもいいことです)、普段の、日常の息づかいです。どうも私たちは、日常の些細なことよりも、何か非日常の特別なことにこそ鍵があると思ってしまいがちなようです。でも、意識すらしていない普段の息づかいがすべて、です。

    息は、私たちが意識せずとも、必要に応じて変化します。休むことなく、体の形状や動きに合わせて最適化をしてくれています。例えば、階段を急いで上った後。息が荒くなったり早くなったりと、勝手に変化しますよね。そしていつしか通常モードに戻ります。

    空気の入りすぎた風船のような私たち

    空気の入った風船がここにあります。

    これをふたつに折り曲げようとすると、口をきっちり閉じていなければそこから空気が出ていきますよね。でも、口をきっちり閉じていたら、風船はどうなるでしょう。パンパンになるか、もともと入っていた空気の量によっては、パンと割れてしまいます

    人間の体でも同じことが起きます。

    試してみましょう。息を吸いこんでいきます。これ以上もう吸えない、というところまで吸って、体をねじって後ろを向いてみて下さい。勝手に息が出ていきましたよね? では、もう一度吸えるところまで息を吸って、今度は息を止めた状態で同じように後ろを向いてみましょう。

    いかがですか? 苦しいですよね?そして、体の中がどんどんパンパンになる感じがしませんでしたか?

    Image via Shutterstock

    体調不良は「息の出入り」がぎこちないから?

    動作によって体の形状が変われば、それに応じて息が出ていき、そして戻ってくる。私たちには、そんな機能が標準インストールされています。

    でも、不調体質の方は、その機能をストップさせてしまっています。本来あるべき形で息の出入りが起きないために、体の中が常にパンパンの状態になってしまっているのです。行き場をなくした息によって、自分で自分を圧迫し続けた状態で生活している、ということです。

    その膨張圧によって、筋肉はきちんと運動ができなくなり、硬くなっていきます。すると当然筋肉によって動かされる関節の動きもぎこちなくなり、神経の働きも低下します。その膨張圧は、胃腸や子宮などの内臓の動きにも干渉します。免疫力も低下し、常に不調のある身体に。そんな状態で落ち着いた精神を保つのは至難の技だと思いませんか?

    呼吸と動作にも「頭で動くクセ」がついている

    ではなぜ、本来インストールされている自然な呼吸の機能が使えなくなっているのかというと、体の声を聞く前に、頭で考えて動くクセによるものが大きいです。

    立った状態で、背筋をピンと伸ばし、肩甲骨を寄せ、胸を開き、肘も膝もピンとさせてみて下さい。息、止まりませんでしたか? 体、つらくないですか? でも、なぜだかこれを「いい姿勢」だと思い込み、体に強要してしまうのが「頭」なのです。

    頭を使うのがダメ、ということではありません。息、そして体の感覚がどうなっているのか、を認知することが大事ということです。呼吸法の練習や、健康になるためのあれこれをするよりも、日常の息遣いを本来あるべき形に戻すこと。遠回りのようでいて、実は着実に心身の健康を取り戻す方法です。

    息が出て行く、戻ってくる、その自然な働きが日常できちんと働くサポートになる腕抜き呼吸法をご紹介します。

    腕抜き呼吸法

    1.両腕を上に伸ばします。この時下腹部がへこむ感覚がありませんか? その感覚少し強めてキープした状態で、もうひとつ腕をニョキッと伸ばします。
    2.胸部で息を大きく吸って、さらにニョキッとさせます。
    3.腕はそのままをキープ、口から細く長く、息をスーッと吐いていきます。
    4.下腹部がへこむ感覚が起きるので、それに従って下腹部をへこませていきます。
    5.息を吐ききったら、下腹部はそのままでもう一度大きく胸部で息を吸い腕をニョキッとさせます。
    6.吐く息で脱力し、腕を下ろします。

    イラスト/森田敦史著『なにもしていないのに調子がいい』より

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    松永真美(まつなが・まみ)
    呼吸・整体コーチ。東京外国語大学卒業後、出版社に勤務。2007年よりサッチャデーヴァ・ダース師のもとでマインドフルネスの探求を、2014年より森田敦史氏のもとで呼吸・整体の学びをスタート。現在も探求を続ける。自分、そして自分をケアすることに向き合ってきた経験を生かし、本来の自分に気づくお手伝いをしている。https://www.nowhereme.net/

    MASHING UP

    RSSブログ情報:https://www.mylohas.net/2020/09/breathe-3.html
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