生の魚や肉に下味をつけて、保存袋などに入れて冷凍する「下味冷凍」。忙しい日に助かる時短テクニックとして話題ですが、アレンジメニューがマンネリになりがち……といった声もよく聞きます。

こうした悩みを解決してくれるのが、『下味冷凍 スピードおかず:時短! 節約! おいしさアップ!』(主婦と生活社)。下味冷凍の達人を目指すなら、ぜひ参考にしたい一冊です。

下味冷凍 スピードおかず:時短! 節約! おいしさアップ!

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「下味冷凍」は“おかずの素”

本書の著者である石澤清美さんは、国際中医薬膳師、国際中医師、ハーバルセラピストの資格も持つ料理家。ヘルシーでおいしく、作りやすいレシピに定評があり、高野豆腐などの健康食材に的を絞ったレシピ本も人気です。

石澤さんいわく「下味冷凍」は、毎日のごはん作りを劇的にラクにしてくれる“おかずの素”。これさえあれば、家計の悩みや栄養面での心配、忙しさのイライラまで、すっきり解消できるといいます。

スーパーで特売のお肉の大容量パックを見つけたときも、食べきれないからとあきらめる必要はありません。

「下味冷凍」をしておけば、そのまま冷凍するよりも約1か月も長くおいしさをキープ。調味料や少量の香味野菜に漬けることで肉がやわらかくなり、魚の臭みもとれてしまいます。

そのうえ、時間とともに味がしっかりしみるので、調味料は少なめで大丈夫とのこと。じつは減塩にもなるヘルシーな調理法なのです。

72種類の「下味冷凍」レシピを掲載

『下味冷凍 スピードおかず:時短! 節約! おいしさアップ!』より

本書で紹介されるのは、鶏肉6種類、豚肉5種類、牛肉3種類、ひき肉4種類、魚2種類の「下味冷凍ダネ」の作り方と、全72のアレンジレシピ。それぞれの食材の下味冷凍のコツや、解凍・調理法まで一覧で見ることができ、実用性は抜群です。

これまで自分で食材を冷凍すると、食材の表面が乾燥して味が落ちたり、冷凍室のニオイがついてしまったりといった失敗がありました。

しかし、本書の手順通りに下味冷凍を行えば、味も鮮度も落とさずに食材を保存することができます。調味料や香味野菜を入れた漬け汁のおかげで、ニオイうつりもありません。

2品の「下味冷凍」が10分で完成

下味冷凍の基本は3ステップで、作業自体はとても簡単。ジップロックのような食品保存袋に調味料を入れて混ぜておき、肉や魚を加え、もんでなじませます。袋の空気を抜き、できれば金属製のバットにのせて、冷凍室に入れれば作業は終了です。

試しに「鶏むね肉のにんにくオリーブオイル漬け」と「豚こま切れ肉の梅みりん漬け」を作ってみたところ、かかった時間は2品で10分ほど。これなら気負わず、時短で食事の支度ができるかも……と、すっかりうれしくなってしまいました。

「鶏むね肉のにんにくオリーブオイル漬け」

『下味冷凍 スピードおかず:時短! 節約! おいしさアップ!』10ページより

【材料(主菜ならおよそ2人分)】
鶏むね肉…1枚(250g~300g)
にんにく…1片
A
薄口しょうゆ…小さじ1
(または水)…小さじ1
オリーブオイル…大さじ1
…小さじ1/3
こしょう…少々
【作り方】
1.保存袋にAを入れ、袋の上からもんでよく混ぜる。にんにくは2㎜厚さの薄切りにして加える。
2.鶏むね肉は厚い部分を開き、厚さを均一にしてから8~10等分のひと口大に切り、1に加える。
3.空気を抜きながら口を閉じ、平たくして冷凍する。

(『下味冷凍 スピードおかず:時短! 節約! おいしさアップ!』10ページより引用)

ひとつの「下味冷凍」が4変化

本書の大きな魅力のひとつは、アレンジレシピの多彩さにあります。

先ほどご紹介した「鶏むね肉のにんにくオリーブオイル漬け」なら、チキンラタトゥイユ、ガーリックから揚げ、蒸し鶏のサラダ、海南チキンライス風プレートと、4種類の料理にアレンジが可能。同じむね肉でも「みりんしょうゆ味」にすれば、ごはんが進む和風のレシピが3品作れます。

ちなみにチキンラタトゥイユは、凍ったままの下味冷凍で作れるレシピ。「凍ったままでOK」「半解凍でOK」「解凍して調理」など、それぞれイラストで表示されているので、時間の余裕に合わせてレシピを選ぶことができる点も便利です。

一皿でメイン&副菜になる、ガツンとおいしい料理が多いのも本書の特徴。材料もレシピも複雑すぎず、写真を眺めるだけでなんとなく味が想像できて、作ってみると予想通りにおいしい! この安心感と手軽さが、毎日の食事作りに効いてくる気がします。

まずはぜひ、下記のチキンラタトゥイユからお試しを。これからは、スーパーの特売コーナーに立ち寄るのがもっと楽しくなりそうです。

アレンジレシピ「チキンラタトゥイユ」

『下味冷凍 スピードおかず:時短! 節約! おいしさアップ!』11ページより

材料(2人分)】
鶏むね肉のにんにくオリーブオイル漬け…1/2袋分
玉ねぎ…1/2個
なす…2本
ズッキーニ…1/2本
トマト…1個
白ワイン…大さじ2
黒オリーブの輪切り・粗びき黒こしょう…各適量
【作り方】
1.玉ねぎは1cm幅のくし形切りに、なすとズッキーニは2cm厚さの半月切りにする。トマトはヘタを取ってざく切りにする。
2.「鶏むね肉のにんにくオリーブオイル漬け」を凍ったまま鍋に入れて中火にかける。表面の色が変わってほぐれてきたら1を加えてざっと炒め合わせる。
3.全体に油が回ったら白ワインを回しかけ、ふたをして弱火で12分ほど蒸し煮する。途中1~2回ふたを開けて全体を大きく混ぜる。野菜がくったりしたらオリーブを散らし、サッと煮て器に盛る。粗びき黒こしょうをふる。

(『下味冷凍 スピードおかず:時短! 節約! おいしさアップ!』11ページより引用)

意外と知らない?料理のコツ

有元葉子さん直伝「今さら聞けない料理のこつ85」

豚肉、鶏肉、ひき肉の冷凍保存・解凍テクニック。とても簡単!

下味冷凍 スピードおかず:時短! 節約! おいしさアップ!

image via Shutterstock (「主婦と生活社」提供分以外)

RSS情報:https://www.mylohas.net/2020/09/shita-aji.html