撮影/さいとうむつみ

──MASHING UPより転載

「心が落ち着いたり体がラクになったりする」と、いま話題の「呼吸」。呼吸・整体コーチの松永真美さんに、短期集中連載で綴ります。

緊張しているときや、肩肘を張って頑張ろうとしているとき。そんなときって余裕がなくなりますよね?

周りが見えなくなって、自分本来の力が発揮できなくなったり、余計なことを言ったりしてしまったり。後から振り返って、なぜあんなことをしてしまったんだ……と後悔。そんな経験があると思います。

でも、心身共に落ち着いている状態のときは、どうでしょうか?

温泉に浸かったり、自然の中にいたり、そんなときって、なんとなく視野が広がり、あ、思っていたより疲れていたんだな、とか、結構頑張りすぎちゃってたな、風が気持ちいいな、とか、そんな風にいつもは気づかないことに気づいたりしませんか? 発想力が豊かになり、相手への気遣いが自然とできたりしませんか?

呼吸が落ち着くと、心身が安定する

きちんと呼吸ができるようになり、ふだんの呼吸が落ち着いてくると、体がどっしりと安定してきます。

すると、自分の中に静けさ、スペース/ゆとりが生まれ、自分に起きること、自分の身の回りに起きることに繊細に気づくようになります。風が秋になった、というような季節の移ろいをはじめ、人の表情や感情などのわずかな変化にも気づくようになります。

息が本来のところに落ち着くということは、心身共にどっしりと落ち着いた状態にいるということです。静かな自然の中にいなくても、都会にいたとしても、自分の中にスペース、静けさがある状態、ということです。

すると、環境や状況が変わっていないにも関わらず、見える世界が変わるようです。

息と体の力みをぬく刺激法

以下は、呼吸が落ち着き、文字通り、肩肘を張らずに緩んだ状態を体験する刺激法です。体に感じる刺激をただただ感じているうちに、肩だけでなく、全身の力が抜けていきます。

息が落ち着き、忙しく動いていた頭もスローダウン。体の感覚を感じやすくなります。

肩を開ける

1.背筋は伸ばさず、胸も張らず、椅子に座りましょう。腕は体の横にぶら下げておきます。
2.左肩に右手を軽く置きます。
3.左肩が1mmもいからないように気をつけながら、左の肘が曲がらないようにします。
4.3の状態をキープし、注意しながらゆっくりと左手を体から離していきましょう。
5.少し経つと(腕が30度くらいの角度が目安です)、左腕に刺激を感じます。ビリビリする、痛い、重い、みなさんいろいろな表現をされますが、なんとも言えない刺激です。
6.そのポジションと刺激をキープして、30秒ほどその刺激を感じましょう。
左右2〜3セット行います。

イラスト/森田敦史著『なにもしていないのに調子がいい』より

※次回は10月4日(日)公開予定です。

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松永真美(まつなが・まみ)
呼吸・整体コーチ。東京外国語大学卒業後、出版社に勤務。007年よりサッチャデーヴァ・ダース師のもとでマインドフルネスの探求を、2014年より森田敦史氏のもとで呼吸・整体の学びをスタート。現在も探求を続ける。自分、そして自分をケアすることに向き合ってきた経験を生かし、本来の自分に気づくお手伝いをしている。https://www.nowhereme.net/

MASHING UP

なにもしていないのに調子がいい ふだんの「呼吸」を意識して回復力を高める

1,408円

RSS情報:https://www.mylohas.net/2020/09/breathe-4.html