朝の「おくすり食材」9つ。オートミールの特徴は?
著者の小林智子さん(『おくすり朝ごはん ー皮膚科医が肌荒れしたら食べるー』より)臨床医として診察をする傍ら、同志社大学アンチエイジングセンターで糖化と肌についての研究をおこなっている小林先生。本書では「おくすり朝ごはん」を切り口に、体の内側から肌の調子を整える方法を教えてくれています。
3食のなかでも家で食べることが多い朝ごはんは、食材の用意さえしておけば手軽にインナーケアができるのがメリット。定番として取り入れたいのが、小林先生が「おくすり食材」と呼ぶこちらです。
・納豆
・卵
・味噌汁
・オートミール
・ヨーグルト
・チーズ
・サーモン
・アボカド
・ベリー類
9つの食材のうち、いま注目度が高まっているのが「オートミール」。小林先生によるとこんな利点があるとのこと。
血糖値が上がりにくいホールフードで、糖化ケアに最適な糖質食材。未精製のため栄養素も豊富で、ビタミンやミネラル、食物繊維が補給できます。前の晩から仕込めば、レジスタントスターチが増えるので糖化ケアの効果も倍増!
(『おくすり朝ごはん ー皮膚科医が肌荒れしたら食べるー』5ページより引用)
糖化とは、食事などで摂りすぎた糖質が体内のタンパク質と結びつき、AGEsと呼ばれる老化物質をつくる現象。白米や食パンに代わる主食としてオートミールを取り入れることで、糖化ケアを効果的におこなうことができるのです。
オートミールは「毛穴ケア」にも効果的
乾燥肌には「にんじんのしりしり」、ニキビには「バジル風味のハム卵サンドイッチ」と、肌トラブルに合わせて「おくすり朝ごはん」を伝授してくれるのが本書の魅力。じつはオートミールにも、ザラザラしたコメドや小鼻まわりのポツポツ毛穴など、「毛穴の開き・つまり」に効くといううれしい働きが秘められています。
過剰な皮脂による毛穴トラブルの改善には、「ビタミンA」と「亜鉛」を一緒に摂ると効果的です。ビタミンAには、ターンオーバーを整える働きや皮脂の抑制作用があります。また、亜鉛にも新陳代謝を促す作用に加え、体内でビタミンAの代謝を促して抗酸化作用の活性化を助ける働きがあり、一緒に摂ることで効果が倍増するのです。
(『おくすり朝ごはん ー皮膚科医が肌荒れしたら食べるー』42ページより引用)
亜鉛は牡蠣やレバーに多く、一般的にはちょっと摂りにくい栄養素。オートミールには亜鉛が含まれているので、ビタミンAが豊富な野菜と一緒に食べれば、手軽に亜鉛不足を解消できるというわけです。
「オーバーナイトトマトスープ」で内側から毛穴ケア
「オーバーナイトトマトスープ」調理例そこで小林先生が考案したのが、オートミールを使った「オーバーナイトトマトスープ」。トマトジュースでオートミールをひと晩ふやかして、朝はレンジで2分温めるだけの簡単レシピです。
オーバーナイトトマトスープ
材料
A トマトジュース …200ml
オートミール… 大さじ3
ミックスベジタブル、ミックスビーンズ …各大さじ2
コンソメ… 小さじ1/2
・粉チーズ、黒こしょう…各適量スープボウルにAをすべて入れて一晩おく。翌朝600Wのレンジで2分チン! 全体をまぜてから粉チーズとこしょうをふる。
(『おくすり朝ごはん ー皮膚科医が肌荒れしたら食べるー』43ページより引用)
オートミールは、ひと晩水分につけておくことでデンプンが分解され、血糖値の上昇が起こりにくいデンプンである「レジスタントスターチ」が増えるとのこと。太りにくい、消化しやすく胃腸への負担が少ないといったメリットもあるので、体重を落としたいときにも適しているといいます。
できあがりはリゾットのようで食べ応えも満点。いわゆる「ミルクがゆ」風のオートミールが苦手な人にも、ぜひ試してほしいレシピです。
「どんな貴族価格のスキンケアも、“食べて補う”ケアには叶わない」と小林先生。本書があれば、「朝のインナーケア」を楽しく、おいしく習慣化できそうです。
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