建築の端材や廃材をアクセサリーへ
家を建てる現場では毎日のように大量の端材が捨てられ、家を壊す場でも廃材がたくさん出ています。
この端材や廃材に着目したのが「KiNaKo」の名前で建築設計とアクセサリー制作を行う木上奈都子さん。捨てられてしまうはずのものをアクセサリーにアップサイクルし、ピアスやリングを生み出しているのです。
もうひとつ大切にしているのは、「建材アクセサリーで記憶や想いを受け継いでいく」ということ。
長年住んだ家を建物として残せないときもあるでしょう。廃材として出る建物のカケラをアクセサリーとして身につけられたら、いつまでも思い出を大切にすることができ、建築も身近に感じられます。
一つひとつに、アクセサリーとして生まれ変わるまでの物語がある──それが、ソリッドなKiNaKoのアイテムに、個性や温かみまで感じる理由なのかもしれません。
曲げたりねじったりできる「contigo」 自分だけのデザインが楽しい!
「contigo」3,000円(税込)そのなかのひとつである「contigo」は、「未完成」がテーマ。
飲食店の厨房の壁面などに使用されている薄いステンレスの端材を活用し、自由に形を変えられるのが特徴です。手にとった人が曲げたりねじったりし、自由にデザインをすることができ、自分だけのオリジナルのカタチを作り上げることで「完成」します。
編集部は2つセットのうちの1つをねじってインフィニティの形に。付属のイヤーフックをイヤーカフとしてあわせてみた。指にフィットさせて指輪にしたり、イヤーフックに通して耳飾りにしたり。自由にデザインできるというアイデアが魅力です。 軽やかで繊細な美しいライン。端材からアップサイクルした背景を思いながら身につけるとより一層愛着がわいてくるはず!
もう1つは指に巻けるようにねじり、ピンキーに。遊び心もデザイン性も。 アップサイクルのファッションが楽しい
独特のデザインに惹きつけられ、遊び心ある仕組みにワクワク。「contigo」は大人らしい存在感でシーンを問わず身につけられます。
昨今、アップサイクルなどのサスティナブルな取り組みのなかに、デザインや遊び心を大切にしたアイテムが驚くほどの勢いで増えています。自分らしいおしゃれを楽しみながら環境にいいことが自然にできるなんて、素晴らしいこと。
捨てられるはずの建材でできた「KiNaKo」。カジュアルに気楽に、でも大切に。長く使っていきたいと思うアクセサリーです。
撮影/キム・アルム
[KiNaKo]