昨今のライフスタイルの変化で、不調を感じている人が増えているそうです。なかでも多いのは慢性的な肩こり、腰痛などの体の痛み。思い当たるふし……あります(泣)

これらの体の痛みについて、『やせる出汁 』(アスコム)などの著者・内科医の工藤孝文医師がQ&A式で解説。外用鎮痛消炎剤やセロテープ®でおなじみのニチバンによる調査結果(※1)を元に、体の痛みの傾向と原因、痛みの慢性化が引き起こすリスクや対処法をわかりやすくお伝えします。
※1 「自粛痛の実態調査」(2021年ニチバン調べ/対象20〜60代の男女500人)

運動不足だけでなく、寒暖差も痛みの原因。今年の気候はとくに注意

Q1、外出自粛の影響で体の痛みを訴える患者さんは増えましたか?

増えていますね。体の不調だと肩こり・腰痛、心の不調はイライラや気分の落ち込みを訴える患者さんが多い印象です。

やはり、リモートワークの影響は大きいと思います。ソファでの作業や床に直に座ってパソコンの作業をすると、体の痛みの慢性化につながります。慢性的な痛みは心の不調にも直結するので、これらの症状で受診される方が増えているのだと思います。

「あなたはコロナ禍で身体の不調(身体の痛みなど)」を感じますか。」の質問に、20〜50代の3割以上の人が「痛みを感じる」と回答。特に20代は46%と最も多くの人が実感している。 「コロナ前と比べて身体の不調が増えた」と回答した344名に具体的な症状を聞くと、「目の疲れ(59.3%)」「疲れ・だるさ(57%)」「肩こり(53.8%)」が上位に。最も増えたと感じる症状について上位は変わらないものの、「腰痛」が15.1%と「疲れ・だるさ」と同率に。

人間の本来の寿命は◯歳!?

Q2、体の痛みを感じやすいのはどんな人ですか?

突然ですが、ひとつクイズを出しますね。 「人間を自然に放置したら、何歳まで生きられると思いますか?」 答えは、38歳です。 気候に合った衣服や冷暖房がない原始的な生活では、38歳ぐらいが生物学的寿命だと言われています。その名残か現代人も38歳頃を境に自律神経が乱れ始めます。こうした医学的な理由があり、40代以降の人が慢性的な体の痛みを感じやすいのです。

年齢以外に痛みの出やすい条件があります。それは「寒暖差」

寒暖差が大きいと、交感神経と副交感神経がシーソーのように動きます。すると、体温調節を司る自律神経のバランスが崩れて、体の痛みが出たり、体と心がバテる「寒暖差疲労」などの症状が表れます

2021年はW高気圧の影響で9月の残暑が厳しいそうです。今年は特に、体調管理に注意が必要ですね

肩コリ、腰痛など体の痛みが「うつ」につながることも

Q3、体の痛みと心の不調の関係性を教えてください。

人は痛みなどのストレスに対してストレスホルモンで対処しますが、痛みが慢性化するとこれに対応するためにストレスホルモンがコンスタントに使われ、やがて枯渇してしまいます。すると、ストレスを処理できずにイライラや落ち込みが進行し、うつ病を発症することもあります。

Q4、体の痛みとメンタルの不調、どちらにも有効な対処法はありますか?

気分がハッピーだと痛みは出ないものなんです。 幸せホルモンの「セロトニン」は日光を浴びると生成されるので、外出の機会が少ない人は、意識的に日光を浴びるようしてください。

体の痛みはすぐに対処するのが得策ですが、マッサージは行きづらい状況ですし、ストレッチは三日坊主になる可能性があります。そこで、痛みを感じたらすぐに湿布薬を貼る「湿布ファースト」を提案します。市販薬なら消炎・鎮痛効果が長く持続する湿布薬がいいでしょう。

具体的な対処法については、手軽にできる 「ストレッチ」「マッサージ」「外用鎮痛消炎剤(湿布等)を使う」が上位に。一方で27%も「我慢する」人がいることが明らかに。

「湿布ファースト」で負のスパイラルから抜け出そう

今年の残暑時期は、体の痛み、マスクによるストレス、寒暖差疲労の三重苦が予想されるとのこと。仕事や日常生活に影響が出る前に、痛みには即対処しよう。

「ニチバンさんの調査によると『痛みに対して我慢する』という人が3割近くいましたが、肩こりや腰痛を放置すると仕事のパフォーマンスが落ちて、私生活にも悪影響が出ます。痛みが慢性化している方が、この負のスパイラルにいるならば非常にもったいないことです」と工藤先生。

パソコンの作業をしていれば、肩こりや腰痛は仕方がないかな? なんて思っていました。心の不調までも引き起こす体の痛み……本当に侮れません。

「湿布ファースト」の即ケア、今日から実践したいと思います。

工藤孝文(くどう・たかふみ)
日本内科学会、日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本東洋医学学会、小児慢性疾病指定医 福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、大学病院、地域の基幹病院を経て、福岡県みやま市 の工藤内科で地域医療に携わる。内科医としては生活習慣病なども専門にされているが、漢方治療にも詳しく、生活に身近な健康習慣・減量など数々のメディアでも活躍。 著書に『やせる出汁』(アスコム)、『疲れない大百科』(ワニブックス)など多数。

ニチバン
資料提供/ニチバン株式会社

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RSS情報:https://www.mylohas.net/2021/08/nichiban_coldpatch_first.html