なぜ「側頭筋」をほぐすと疲れがとれるのか、就寝前におすすめの簡単なマッサージとともにご紹介します。
「寝てもとれない疲れ」の要因は側頭筋
朝、起きると体が重い……。その要因はストレスでも仕事でも加齢でもなく、「頭の筋肉」の疲労かもしれません。
本書の著者である寺林陽介さんは、あんまマッサージ指圧師、鍼師、灸師として2万人超の患者を治療してきた「疲れとりマッサージ」の達人。20年以上にわたる施術経験から、「たった1か所だけ、ほぼ全員のお客様がこっている場所がある」ことに気づいたといいます。それが「頭」でした。
私たちの頭(頭蓋骨と頭皮の間)には、
・前頭筋(ぜんとうきん。頭の前方、額のあたりの筋肉)
・側頭筋(そくとうきん。頭の横、耳の上あたりの筋肉)
・後頭筋(こうとうきん。頭の後方の筋肉)
という3つの薄い筋肉があり、体内のほかの筋肉同様、使いすぎたり緊張状態が続いたりすると、頭の筋肉も疲労し、硬くなり、こりが生じます。(『寝てもとれない疲れをとる神マッサージ』28~29ページより引用)
3つの筋肉のなかでも側頭筋は、ものを見るときにも、ものを食べるときにも酷使されるため、特に疲れやすく、こりやすい部位です。寺林さんいわく、側頭筋が硬くこったままでいるのは、「サイズの小さい帽子を無理やりかぶり続けている」ようなもの。これが「寝てもとれない疲れ」の大きな原因であり、ときには頭痛をもたらすこともあると語ります。
「頭皮を2本の指でつまめない」人は要注意
頭の筋肉のこり具合は、自分でもチェックすることができます。
・頭皮を指で押したとき、頭皮が動かなかったり、硬さを感じたりする
・頭皮を2本の指でつまんだとき、うまくつまめなかったり、痛みを感じたりする
・額の、生え際を押した後、へこみが戻りにくかったり、指の跡が残ったりする(『寝てもとれない疲れをとる神マッサージ』52ページより引用)
頭の筋肉がほぐれているときは、指で3~5割程度の軽い力をかけるだけで、頭皮が1センチ程度も動くとのこと。自分でも頭皮をつまもうとしたところ、指が滑ってうまくつまむことができませんでした。
本書の監修者である脳神経内科医の内野勝行さん(金町駅前脳神経内科院長)によると、2020年以降、マスクの着用により頭の疲れや頭痛を訴える人が急増しているそう。マスクのゴムによって耳が引っ張られる時間が長くなることで、頭の筋肉、特に側頭筋に過剰な負荷がかかっているのです。
就寝前の「神マッサージ」で心身の不調を防ぐ
頭の疲れや頭痛は、さまざまな心身の不調の原因になることも。そこで予防策として取り入れたいのが、本書が提案する「神マッサージ」です。
頭のマッサージの流れ
1)左上:耳の上のマッサージ、2)右上:こめかみのマッサージ、3)左下:後頭部のマッサージ、4)右下:側頭部を温め、リラックス(『寝てもとれない疲れをとる神マッサージ』35ページの図版を改変)「神マッサージ」は、頭皮をただもむのではなく、頭蓋骨をもむような感覚で、少し強めの力でおこなうのがポイント。1回あたり3分程度を目安に、深呼吸(腹式呼吸)をしながら耳の上、こめかみ、後頭部を順番にほぐし、最後は側頭部に手のひらを押し当てて、引き上げながら温めます。詳しいマッサージの流れについては本書を参照してください。
イタ気持ちいいくらいの力加減でグルグル、グイグイと頭皮をもんでいくと、こりがほぐれて頭が軽くなるだけでなく、視界まで広く、明るくなったような感覚がありました。
寺林さんによると、とくにおすすめなのが就寝前のマッサージ。側頭筋ののこりをほぐすことで、よりリラックスした状態で眠ることができ、疲れもとれやすくなるとのこと。ぜひ試してみてください。
※頭部に傷がある方、頭痛がある方、マッサージ中に痛みを感じた方は、決して無理をしないでください。
※疾患のある方、妊婦の方は、医師に相談のうえ、おこなってください。
※効果には個人差があります。
1,430円
image via Shutterstock、図版提供/アスコム
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