春夏秋冬、いつでも食べられる野菜や果実が実る庭。都会でそんな夢のような庭づくりを楽しんでいるのが、音楽家の良原リエさんです。良原さんが育ててきた食べられる植物88種と簡単なレシピを、美しい写真とともにまとめた著書『食べられる庭図鑑』(アノニマ・スタジオ)より、虫がつきにくいハーブや水栽培ができる野菜など、初心者でも取り入れやすい植物をご紹介します。
おいしくて育てやすい植物とレシピを紹介
庭やベランダで食べられる植物を育ててみたい、サラダや肉料理にちょこっと添えてみたい。でも虫は嫌いだし、手間がかかるのは避けたい……。そんな同志にぜひおすすめしたいのがこちらの本。「東京とその近郊のごく一般的な住宅街の庭」で良原さんが栽培してきた植物を紹介したもので、手軽に育てられて、しかもおいしい植物が厳選されています。
アサリとレモングラスのスープなど、本書ではたくさんのレシピが紹介されている。植物を育てることほど、楽しいことはありません。
土の中から出てくる芽のかわいいこと!
見せつけるように咲く美しい花もたまらない。
ある時、これらが食べられるならもっと楽しいのでは?と思いたち、
気になる植物を片っ端から試してみることにしました。(『食べられる庭図鑑』「はじめに」より引用)
料理の本も出している良原さんらしく、育てた植物を使ったレシピがあるのも本書の魅力。チコリーと夏ミカンのサラダ、アサリとレモングラスのスープ、ジューンベリー酒といった味わったことのない食べ方も提案されていて、好奇心と食欲がどんどん刺激されてしまいます。
虫が付きにくいハーブや野菜は?
じゃがいもや肉料理の味を引き立てる「ローズマリー」も虫がつきにくいハーブのひとつ。植物を育てるためには、虫との格闘がつきものです。良原さんはサスティナブルな庭づくりを心がけ、「ビオトープガーデン(虫など野生の生き物の生息場所として庭を利用してもらうことで、植物をより自然に、元気に育てる方法)」を目指しているとのこと。その一方で、虫の発生を自然に防ぐ育て方や、虫を寄せつけない植物も教えてくれているのが、私のような虫嫌いにとっては有り難いところです。
丈夫で育てやすいといわれるハーブにも、虫がつきやすいものとつきにくいものがあります。ソースや煮込み料理などの香りづけに使えるタイムや、柑橘に似た明るい香りがお茶にぴったりなレモングラス、じゃがいもや肉料理の味を引き立てるローズマリーなどは、虫がつきにくいハーブとのこと。
「エディブルフラワー(食べられる花)」に興味があるなら、ブルーのハーブティーが作れるマロウや、葉のほのかな苦みがおいしいチコリーがおすすめ。どちらも可憐な花が咲きますが、虫はあまり寄りつきません。
また、意外なことにレタスやトレビス、チコリーなどのキク科の植物は、虫がつくことはほとんどないのだとか。イモムシがつきやすいのは、キャベツや白菜といったアブラナ科の葉野菜。キク科はむしろ虫を遠ざける効果があり、キクに似たかわいい花が咲くのもメリットです。
クレソンの根元は捨てないで。水栽培で大きく育つ
クレソンの根をコップに入れて水栽培。成長する過程を見守るのも楽しい。さらに簡単に楽しみたいなら、クレソンの水栽培が良原さんのおすすめ。じつは“この上なく気楽に付き合える”野菜なのだそう。
水辺で育つクレソンは、水栽培にぴったり。茎の根元をよく見ると、たいてい小さな根が出ていますから、料理に使った残りをコップに入れておくだけでいいのです。根は勢いよく伸びていき、新しい葉も顔を出し、立派に大きくなっていきます。
(『食べられる庭図鑑』12ページより引用)
日々の料理に役立つ葉ネギも、根元を植木鉢に挿すだけで切り口から新しい葉が顔を出すとのこと。葉ネギはコンパニオンプランツとしても優秀で、虫を遠ざけ、病気を予防するなどの効果もあるといいます。ベランダなどで植物を育てている人は、片隅にちょっと植えてみてはいかがでしょう。
「野菜」「ハーブ」「果樹」「雑草・野草」など、育てて楽しい植物が満載の本書。眺めるだけで心の栄養になり、食べれば体の栄養にもなる──そんな「植物とのおいしい暮らし」を思い描くのにぴったりの一冊です。
1,760円
写真/馬場わかな、良原リエ
[食べられる庭図鑑]
ハーブはそうだけど、クレソンは根どころか切れ端からですら発芽、発根して日本の生態系に悪影響与えてるんだけどな。
で、聞きかじりで無農薬、生態系構築すらちゃんと考えずにやるからキク科にしてもアブラナ科にしてもハモグリバエやヤガにやられてゴミ増やすんじゃないかな。
サステイナブルとは。