日本で一般的なのは、ショー的要素の強いアウアナで、フラ本来の神聖な姿を伝えているのはカヒコといえます。「フラ」とは本来、神に捧げる儀式のひとつでした。ハワイには自然崇拝の伝統があり、オリ(祝詞)やメレ(詩)によって自然を讃え、詩の内容を体の動きで表現します。もともとハワイの人々にとってフラはトータルな信仰表現だったのです。
カヒコ
そのハワイのフラが、伊勢神宮の式年遷宮で奉納されることになりました。20年に1度の式年遷宮は、神道で最も重要な儀式のひとつ。全国各地からお祝いとしてあらゆる団体が駆けつけるのですが、海外の団体が参加するのは1300年の歴史で初めてのことです。
フラの初奉納を行うのは、フラの最高峰と言われるハワイ島ヒロのハラウ(フラスクール)「ハラウ・オ・ケクヒ」。ハラウ・オ・ケクヒは2008年に日本でツアーを行った際、鎌倉の鶴岡八幡宮にフラを奉納しました。このフラを見た吉田茂穂宮司が、フラの中に神道との深い共通性を感じて感銘を受け、文化交流に発展しました。そして、2010年にハラウ・オ・ケクヒは伊勢神宮を参拝しており、そのときに式年遷宮でフラを奉納するという案が生まれたのです。
鶴岡八幡宮とハラウ・オ・ケクヒのハワイ共演
ハラウ・オ・ケクヒは10月19日に内宮でフラを奉納し、10月23日には鶴岡八幡宮の震災復興祈願祭でもフラを奉納する予定です。ハラウ・オ・ケクヒと鶴岡八幡宮は、今年7月にハワイでフラと神楽のイベントを開催しており、2015年にもハワイで合同イベントを予定しています。式年遷宮でフラがどのように奉納されるのか、今から楽しみです。
[Hālau O Kekuhi 奉納予定]
伊勢神宮 内宮:10月19日(土)10時
鶴岡八幡宮 震災復興祈願祭:10月23日(水)17時
(相原光)