「くるみの木」から持ち帰った、杓子やスプーン。使わない日はないというほど、毎日愛用中。
木製の台所道具は、地場産業会館、民芸品店、雑貨店など、旅先で求めることがほとんど。中でも、奈良で買ったものが多くあります。奈良は、大阪や京都に住んでいた学生時代、電車で1時間かからず行くことができたので、たびたび訪れていたところ。東京に住むようになってから、さらに好きなカフェや雑貨屋ができて、京都での仕事のあとに足をのばすのを楽しみにしています。
奈良で一番時間を費やしてしまうのが、カフェに物販スペースが併設された「くるみの木」。一条店と秋篠の森という2つの店舗が異なる場所にあり、どちらも異なる雰囲気で心地よい空間。店主・石村由紀子さんの審美眼で選ばれた、暮らしの道具や衣類、食材、本などが並んでいます。
「くるみの木」はカフェもあるので、ついつい長居してしまいます。
「くるみの木」のディスプレイは、普段の暮らしのお手本にもなります
それから、オリジナル雑貨から古道具までを集めた「je et nous」も。奈良といえば鹿ですが、鹿モチーフの雑貨が充実しているので、おみやげ選びにも役立つお店。
看板や標識、おみやげもの、奈良の町中、あちらこちらに鹿のモチーフが。
「je et nous」には鹿雑貨がたくさん。こちらはモビール。
「je et nous」オリジナルの鹿スタンプ。おみやげにちょうどいい。
奈良で求めた鍋敷き。左は「くるみの木」、右の鹿のは「je et nous」で。
そんな奈良で10月、写真家の東康秀さん、陶芸家の福岡彩子さんと3人で、イタリアの画家・ジョルジョ・モランデをテーマにした企画展をおこないます。会場は、志賀直哉の旧居に近い「空樒」という古民家を改装したギャラリー。モランデは、自宅のアトリエにこもりビンや器を配した絵を繰り返し描き続けた芸術家で、その姿勢や作品を眺めていると、自分の日々の生活や行き方にまで感じることがさまざまあります。
奈良から自分の暮らしにやってきた木製の道具を手にとりながら、展示のため伺う奈良ではどんなものや風景と出会えるだろうかと、希望のような期待のようなふわふわとした気持ちに包まれれています。
[suttle difference]
東泰秀×甲斐みのり×福岡彩子
イタリアの画家のジョルジョ・モランデ。
自宅のアトリエに籠り壜や器を配した絵をくり返し描きつづけた
その姿勢と作品から多くの学びを得る試みです。
一見同じように見える作品も差違「suttle difference」から見えてくる何かを、
写真家と文筆家と陶芸家が探求します。
日時:10月3日~14日 11:00~18:00 火曜日休み
会場:空櫁
住所:奈良県奈良市高畑町1445-1
アクセス:近鉄奈良駅から徒歩30分/市内循環バス破石駅下車徒歩10分
(甲斐みのり)