そろそろ冷え込みが強まる時期は、ズバリ「温め上手」が快眠選手権の優勝者かもしれません。でも、温めと睡眠の関係、そのメカニズムを知らないと、快眠対策のつもりがかえって裏目になんてことも! 実は眠りに落ちるためには、体の深部体温が下がることが必要なのです。

「えっ? 今『ズバリ、温め上手が優勝者』って言ったじゃない! どういうこと?」、「体温が下がるのがいいなら、冷え症の私は眠れるはずなんじゃない?」 そんな声が聞こえてきそうですね。

ねむりのイロハカルタ「日本眠り選手権 開催中」 
ナカニシカオリ作 (C)スタジオ・ソムニナ

眠りに落ちるプロセス

深部体温が下がり眠りに落ちるといっても......そのためには、まず手足をふくめカラダを芯から温めることは先決です。温まることで表皮の毛細血管が開きます。すると、体の熱が放出される→深部体温が下がる→眠気が出てくる、というプロセスで眠りに落ちるのです。

通常、冷えのひどい人は表皮の血管が閉じていて、熱が体内にこもったまま上手く放出されないので眠れないわけです。重要なポイントは、いったんカラダを深部からしっかり温めてから、毛細血管を開かせ、熱を放出させることです

まずはカラダを深部から温める

さて、温めに一番いいのが、入浴です

寒い時期は温まりたいからと熱いお湯に入りたくなりますが、これでは交感神経を刺激して表皮の毛穴が閉じてしまうし、神経も興奮し、眠りにはNGです。

良い入浴の仕方は......

・就寝の2時間前ぐらいに入る。※リビングや寝室寝具は、暖めておく。
・ぬるめのお湯(冬は41℃ほど)に20分ぐらいつかる。
・浴室の照明は暗めにして入浴剤やアロマでリラックスする工夫を。※明るい蛍光灯は眠気を誘うホルモンを抑制します。

入浴に時間がない場合は、寝る前に手足湯を。シャワーの時は大きいバケツに足を入れて浴びます(バケツごとの転倒注意! )。

熱を放出することで眠気を誘う

次の注意点は熱の放出。セーターなどを着込んだり、靴下を履いて眠ることはよくありません。熱がこもって放出がはかどらないし、あとで汗をかいてしまって寒くなったりします。

パジャマは保温に優れた綿やネル製や、ガーゼの二重織のなどがおすすめ。靴下がどうしてもいるなら、指の付け根の部分から先を切って熱が逃げるようにします。レッグウォーマーの薄手のものを足まで下げて使うのもいいかもしれません。

冬の快眠対策、「十分温めて、きちんと熱を逃がす」を忘れずに!

【今回のねむまめ】

(1)ヒバ専門のお店、東京・飯田橋の「ひば工房]には、お風呂の芳香や精神安定によい「ヒバ」製品がたくさん。

ヒバエキス 茶の木とレモンのバ入浴剤

(2)「冷えとりの知恵袋 体を温めると健康になれるから (PEARL BOOK 温故知新的生活 Vol. 14) 講談社」 は、冷えの症状の基本に加え、カラダの中から温めるあらゆる方法が満載の一冊です。

[ひば工房]
住所:東京都千代田区富士見1-7-7 東和富士見ビル1F
TEL:03-5213-0151
営業時間:10:00〜19:00
定休日:日曜


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photo by Thinkstock/Getty Images

(橋爪明子)

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