人は、お腹がなれば空腹を感じ、食べてお腹が満たされたと感じれば食べるのをやめる。しかし、お腹が満たされたと感じる時点で「思ったより食べ過ぎてしまった」ということも度々あります。
では、一体どのようにすれば、食べ過ぎを防ぐことができるのでしょうか。
早食いの習慣は満腹感を狂わせるフランスの精神科医/心理療法士のジェラール・アプフェルドルファー氏によれば、食欲には、「お腹が感じるもの」と「口が感じるもの」の2種類があるといいます。お腹が鳴って空腹感を感じ、「お腹がパンパン」という満腹感を覚えるのが前者のタイプ。ただ、この時に気をつけなければならないことをこう指摘して います。
満腹感を伝える信号は、消化器から直接送られてきます。食べ物は十二指腸に届き、そこから脳にメッセージが送られますが、そのプロセスに要する時間は約15分。人は通常、満腹感を感じる前の段階で、つまり15分間でかなりの量を食べてしまうため、結果 的に「お腹がいっぱいになった」ではなく、「食べ過ぎてしまった」という状況に陥ってしまいがちです。
「Psychologies.com」より引用
満腹感を感じたら食べるのをやめるのであれば、指摘のように食事のスピードに気をつける必要があります。ゆっくり噛んで時間をかけて食べるというのは、食べ過ぎないための基本アクションといえます。
満腹感を得るのは「お腹」だけでなく「口」からも一方、「口が感じる」食欲について、氏はこう続けています。
人は口から食べる喜びや味覚の満足を感じるものです。だから、同じものを食べ続けられるものではなく、バリエーションのある料理を好むのです。例えば、ステーキをある程度食べたら、まだお腹はすいていても「ステーキはもう十分だ」と感じ、他のものを口に入れたくなります。
「Psychologies.com」より引用
つまり、口が満足感を得るためには、喜びを感じられる食事をすることがポイントになりますす。例えば、ダイエット中の人がインゲンだけをお皿に盛って食べても、お腹の満腹感は得られても、口の満足感が得られないため、わずか数時間後には間食してしまうといいます。
満腹感を味わうためには、口の満足感にも気遣うことが必須。少量でも、好きなものを意識しながら食べることだといいます。「これが本当に食べたかったものか」「もう充分味を楽しんだか」など、ゆっくり噛みながら食べること。食べたいものを極度に我慢するダイエットは、リバウンドを招きがちです。お腹と口の満腹感に耳を傾けながら、楽しい食事を心がけたいものです。
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