目覚めて、お湯をわかし、コーヒーをいれて朝食を食べる。掃除機をかけ、洗濯をし、植物への水やりを済ませてから、メールをチェックし、仕事にとりかかる。繰り返される毎日をほんのり心地よく思えるようになったのは、4年ほど前に今の家に越してきてから。30歳を少し過ぎ、やっと自分のペースや価値観がつかめてきたのかもしれません。
「衣・食・住 暮らしの雑貨帖」に並ぶもの1。長崎・波佐美焼きの工房「sen」とのコラボレーションで作った、富士山のフラワーベースと鳥のオーナメント。
ケトル、コーヒーポット、ガラスのサーバー、フラワーベース。包丁、ピーラー、フライパン。タオル、ふとん、洋服にバッグ。着るもの、食べるため、住まうこと、毎日使う暮らしのための道具類。そのものへの愛情をとくと語れる好きなものだけに囲まれていようと決めてから、家にあるものひとつひとつと向かい合い、10年先をイメージ。
「衣・食・住 暮らしの雑貨帖」に並ぶもの2。韓国の万能布団、イブル。
10年後も一緒に過ごしているだろうと思えるものだけ手元に残し、それ以外は手放す作業。フリーマーケットで販売したり、「どうぞの箱」に入れて自由に持ち帰ってもらったり。かわりに、10年20年ともに年を重ねていけるだろうというものを吟味し、新たに揃えているところです。
衣・食・住 暮らしの雑貨帖」に並ぶもの3。信楽焼のウォーターボトル。
たとえば台所をぐるりと見回し、皿や鍋や布巾のどこが好きか、我が家にやってきたときのことを思い返すと、自分にとってなにが大事か、自らを知るきっかけになります。もちろん自分の大事なことは、他の人と同じでなくていいことも、自然と解せるようになってきました。"いいもの"とは、千差万別。値段の高い安いでもありません。
「衣・食・住 暮らしの雑貨帖」に並ぶもの4。ヨシタ手工業デザイン室のステンレス製品。
衣食住、暮らしの雑貨と上手に付き合うためには、まず自分にあったもの選びから。そして的確に相性のいいものと出合うには、よりたくさんのものを目で見て触れてみることです。一目惚れもそれなりにあるけれど、私はこれがほしいというものがあると、いろいろなお店を見て回ります。
日本各地に、その場所へ赴くたび立ち寄りたい暮らしの道具店がありますが、「CLASKA GAllery & Shop "DO"」もそのひとつ。目黒、渋谷、日本橋、たまプラーザ、丸の内、大阪、札幌......。いろいろなところに店舗はありますが、ところ変われば置いてあるものも違って見えることがあり、その都度その店舗で雑貨や道具に見入っています。
「衣・食・住 暮らしの雑貨帖」に並ぶもの5。歯ブラシ。
そんな大好きなショップで、昨年末に発売した拙著『衣・食・住 暮らしの雑貨帖~ずっと愛したい、わたしのお気に入り~』展を開催いただけることに。
本の中からピックアップしたものや、これまで「マイロハス」で紹介してきたものも、店頭に並びます。日本各地の地場産業や伝統工芸に私のアイデアを加えたオリジナルの商品も数量限定で販売するので手にとってご覧いただければ幸いです。
7月5日には、CLASKA GAllery & Shop "DO"ディレクターの大熊健郎さんとトークショー(無料)も開催します。ものへの愛情や見立て方、大熊さんに私から伺いたいこともたくさんあります。予約は必要ありませんので、ふたりとお立ち寄りくださいませ。
(写真:shinsaku kato)
[「衣・食・住 暮らしの雑貨帖」展]
「自分の"好き"が胸の内にあれば、街に出て通りを歩くときも宝探しのような心地になれる」
文筆家・甲斐みのりさんが日頃から愛用している品々について、日々のひとこまとともに綴られた著書「衣・食・住 暮らしの雑貨帖 ずっと愛したい、わたしのお気に入り」。
甲斐さんならではの着眼点で選ばれた、長い間ずっと一緒に過ごしていける、暮らしを彩る日用品の数々を、この度クラスカ ギャラリー&ショップ ドー たまプラーザ店にてご紹介致します。
また会期中には、甲斐みのりと、クラスカ ギャラリー&ショップ ドー ディレクター大熊健郎によるトークショーも開催致します。どうぞお楽しみに。
会期:6月26日(木)~7月13日(日)
会場:CLASKA GAllery & Shop "DO" たまプラーザ店
〒225-0002 神奈川県横浜市青葉区美しが丘1-7 東急百貨店たまプラーザ店 2F
TEL:045-903-2082
・トークショー「暮らして旅して見つける日用品」
日時:7月5日(土)14:00~
予約不要、参加費無料。
文筆家 甲斐みのり×CLASKA GAllery & Shop "DO" ディレクター大熊健郎