こんにちは。マリアージュカウンセラーの斎藤芳乃です。
母親のように相手を見守っていたい。なんでもやってあげたいし、心配しているし......そんな母性豊かな女性が世の中にたくさんいらっしゃいます。
けれども、相手の世話を焼きすぎてしまうと、男性にとって、パートナーではなく、本当に母親のように「自分の世話を焼いてくれる人」という依存を許してしまうことにもなるんですね。
自分が甘えることをせずに、一方的に相手を甘えさせ、相手のわがままを許し、受け容れていると、どんどんエスカレートしてしまう残念なケースも少なくありません。恋愛で、このような関係をつくらないようにするためには、どんな対処が必要になるのでしょうか。
●「役に立たなければ愛されない」という誤解に気づくいつも何かをついついやってあげてしまう犠牲的なパターンを持っている女性は、相手との関係を自分の心地よいものに保つために、自分自身がしっかりと「やらないことを決めること」が大切なんですね。
この「やってあげすぎてしまう人」は、無意識に「世話をすることや、必要とされていることで安心する」というパターンを持っています。愛を与えることは素晴らしいことですが、「相手の役に立っていないと......」と脅迫的になってしまっている場合は、その裏側に「役に立てない私には価値がないという無価値感」が隠されているんですね。
本来、愛とは、何かをしてもらうことで成立するのではなく、「その相手がいてくれるだけでいい」と思えることです。だからこそ、「何かをしない私も愛されていい」という許可を自分に出していく必要があるのです。
●相手にしすぎしてしまう行為を見直してみる「面倒見る母親」になってしまう行為にはどんなことがあるでしょうか?
○ ご飯を作り、掃除をし、相手がだらしなくても、なにも言わず許して全部世話してしまう。
○ 「やってほしい」と伝えたことを相手がやらないと、「しょうがないな」と思って、結局自分がやってしまう。
○ 「でも仕事で疲れているし」「でも相手も大変だし」と、相手の気持ちばかりを考えて、自分の負担や苦しみを無視して、伝えることをしない。
いかがでしょうか。
これらは全部、自分自身が「つい率先してやってしまっていること」なんですね。こうした行動をあえてやめることで、「犠牲をやめ、相手にしてもらうことを受けとる」という習慣が育っていきます。
●「やらない」に慣れていこうあらためて、ここでしっかりと相手と自分が対等な立場にいることを確認し「やらない」ということを決めてみましょう。
もしも頼んで彼が引きうけてくれたことを彼がやってくれなかったとしたら、彼がやってくれるまで待つ。たとえば家事の分担であれば、ときには自分もやらない。その時間をリラックスや安心のために使う、などです。
ここで「やってあげなければ愛されなくなるかもしれない」という不安が出てくるかもしれません。しかし、恋愛は自分からも与え、相手からも与えてもらってはじめて成立し、そして育っていくものです。
あなただけが負担に思う関係ではない、愛し愛される素晴らしい関わり方を創っていくためにも、「やらないこと」を怖がらずに決めていってみてくださいね。
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