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自分スタイルで目指す未来へ。Feliz代表 柿本可奈子さん
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自分スタイルで目指す未来へ。Feliz代表 柿本可奈子さん

2014-11-01 23:30

    母子の絆は強い、といいます。

    まだ子どものいない私でも、自分の母親との関係性に目を向けると思い当たる節はたくさんあります。今回お話を伺うのは、保健師として活躍したのち約10年間の専業主婦を経て、フェアトレードブランド「Feliz(フェリーズ)」を立ちあげた柿本可奈子さん。

    ブランド設立後、ご自身が子育てをしながら歩んだ3年間で岐路となった出来事、そして、これからの一歩を伺います。

    Feliz(フェリーズ)とは

    フェリーズはフェアトレードのアクセサリーブランド。2011年6月、天然素材を使用したアクセサリーづくりをスタートさせました。はじめは、フィリピン・リサール州カシグラハン地区に住むお母さんたちに技術指導を行いながらの製作でした。

    フェリーズが目指すのは、すべての子どもたちの基本的な人権が守られて、子どもたちが未来に夢や希望を持てるような世界にすること。そのために、お母さんたちの仕事をつくることを通して、子どもたちの生活を向上させ、子どもの教育の機会を増やすことを目的にしています。

    アクセサリーの素材はなるべく現地で調達し、生産も現地でおこなっています。こうすることで、すこしでも多くの賃金を支払うことができて、将来、現地の人たちだけでも事業を続けていくことができるのです。

    (左から)シェルフラワーピアス/アラベスク ピアス/タイガーシェルフリンジピアス/タイガーシェルピアス

    子どもの未来のために

    柿本さんとの出会いは、2年半ほど前。初めて電話でお話した柿本さんは、とても自然体で謙虚な方でした。けれど、「子どもの未来のために、なぜ女性の雇用創出が重要なのか?」という問いへの柿本さんの答えは、明確でした。

    父親より母親がお金を持った方が、子どものために使う率が高いのです。ひとりでも多くの子どもが教育を受けるためには、まずはお母さんたちが技術を身につけられるような、働く機会をつくることが不可欠なのです。

    子どもたちへの優しいまなざし

    初めてお話を伺ったときから、柿本さんの目はずっと変わらず、子どもたちの未来へと向けられています。

    ーー子どもへの思いは、どこからきているのでしょうか?

    両親の教えと、保健師だった頃に感じたこと。そして、私自身の出産にまつわる経験の3つが大きな理由です。

    私は、戦後苦労して育った両親から教育の大切さを聞いて育ちました。大人になってからは、保健師としてたくさんの親子と接しながら、生まれた環境によって子どもの生活や教育の環境に驚くほど差があることを目の当たりにしました。

    そして、私自身、流産や2人目の子がなかなか授からず諦めた経験があります。そのときに思ったのです。子どもが生まれるということは、奇跡的なことだと。自分の子どもだけでなくこの世に生まれた命が、基本的な人権を守られて、未来に夢や希望をもてるような環境で暮らせるようにと願うようになりました。

    アルバイトをはじめたのもその頃。毎月5千円のお給料のほとんどを、チャイルドスポンサーを通じた子どもの支援につかうようになりました。

    第一子出産後、専業主婦として育児に励んでいた柿本さんが本格的に仕事復帰するきっかけとなったのは、息子さんからの「お母さん、働かないの?」という言葉だったのだそう。

    それまで興味のあったアクセサリー製作の技術を学びはじめると、すぐにコンペで優勝し、上手く事が運びました。あまりに物事がとんとん拍子に進むので、「これをやれ」という天からの合図だなと思ったのです。フェアとレードという仕組みがあるのを知ったのもこの頃。いままでの思いと重なるフェアトレードと、得意のアクセサリーづくりを組み合わせて生涯の仕事にしようと決めました。

    突然直面した岐路、迎えた新しいステージ

    フェリーズがもうすぐ3周年を迎えようとする今年3月、当時のパートナーだったフィリピン・パヤタスの女性たちから、アクセサリーづくりを辞めたいという申し出があったのだそう。

    ーーそれは一大事だったのでは?

    彼女たちの本業は刺繍。もともと副業としてフェリーズの仕事をしてもらっていたので、いつかこういうときが来ると予測はしていたんです。本業の仕事が増えてとのことだったので、むしろ嬉しかったですね。それに、次のパートナーもきっと見つかるという予感がありました。

    その言葉どおり、現在、新しいパートナーと共に、来春のコレクションの話を進めているそう。

    ーー新しいパートナーはどんな方がたですか?

    マニラの北にあるオロンガポに住む女性たち、そして、昨年、台風による大きな被害に遭ったレイテ島に住む女性たちです。幸運なことに、確かな技術をもった貝加工の工房にも出逢えました。

    これからは、いままでよりさらに質の良いアクセサリーをみなさんにお届けできるのではないかと思っています。

    ーーパートナーが変わったことで、他にも変化はありましたか?

    パヤタスのお母さん達とは緩やかに仕事を進めていたのですが、新しいパートナーとは、私のこれまでの3年間の経験をもとに、よりスムーズに商品製作ができるよう条件を整えることができました。

    今後、世界各国でもフェリーズの事業を展開する上での基盤をつくる、良い機会になったと思っています。

    思いを未来へつなぐジュエリーへのチャレンジ

    ーーこの秋、フェリーズに新しい取組みがあると聞きました。

    フェリーズ初のフェアトレードゴールドジュエリーを発表します。がんばっている女性を応援するような、パワーあふれるジュエリーに仕上がりました。今回、はじめて生産を国内で行うことになったのも特徴です。

    これまで、現地での生産にこだわりがあったという柿本さん。

    ーー国内生産を決断したのはどうしてなのでしょうか?

    親の形見や思い出のジュエリーって、ずっと残りますよね? 貴金属のジュエリーって簡単には壊れないし、リサイクルもできる。思い出や気持ちを未来へつなげていくことが可能なのです。

    ジュエリーは人の気持ちを未来に伝えるサスティナブルなものだと感じていました。フェリーズからは、人や社会、環境に配慮したフェアトレードゴールドをつかった、社会的な問題が解決されるストーリーを伝えられるようなジュエリーを発表したいという思いがありました。

    今回、その思いを形にするにあたり、どうしても日本の職人さんの高い技術が必要だったのです。

    そしてもうひとつ、国内生産を決意した理由として、フェリーズの基盤が欲しかったことがあります。3月のような出来事がまた起こっても、フェリーズを未来につなげていけるよう環境を整えていきたいと思っています。

    新しい取組みがはじまり、ますます忙しくなっていくようにみえる柿本さん。

    ーー家庭とお仕事のバランスは変わりましたか?

    以前より息子も3歳成長したので、時間が増えました。家族や息子に任せられることは任せ、仕事をできるようになったのです。ときが経てば、自分もまわりも変わっていきます。その変化にあわせて自分らく仕事をしていきたいと思います。

    ーーこれから先、長くフェリーズを続けていく上で、大切なことは何だと思いますか?

    「私がやりたいからやっている」ということを意識することでしょうか。誰かがやりなさいと言ったわけじゃない、自分がやりたいからしているということを忘れない。それは、腹をくくって責任をもつということでもあります。

    [Feliz]

    Feliz 3rd Anniversary and New Collection Launch Party☆Shine☆開催
    6月に3周年を迎えたフェリーズが、パーティーを開催します。
    インタビューでも登場したフェリーズ初のジュエリーラインのお披露目もあるそうですよ。

    日時:2014年11月7日(金) 19:30-21:30
    場所:GOBLIN 表参道店
    内容:Felizの活動紹介
    新ジュエリーラインのお披露目

    デザイナーとのトークセッション

    ワンドリンク・オーガニック軽食付き
    ラッフル抽選会
    参加費:4,000円
    申込は、こちらから。

    RSSブログ情報:http://www.mylohas.net/2014/11/041430nextstepfeliz.html
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