その食材とは、納豆。しかも、あのネバネバの部分に、保湿に関わるすばらしいパワーが宿っているそう。化粧品開発者の尾崎幸子さんによると、
動物性よりも高い植物性コラーゲンの保湿力化粧品原料としての納豆は呼称として「植物性コラーゲン」と言われ、「ナットウエキス」や「ナットウガム」「ポリグルタミン酸」という名称で配合されています。近年、動物由来成分よりも植物由来成分が好まれるようになり、納豆は美容成分としてますます注目されています。
<納豆コラーゲンの持つ美容への効果と、動物性コラーゲンとの違い>
・角質水分量が60%増加(動物性コラーゲンは元の水分量より40%増加)
・水分蒸発を抑制(元の水分量の94%をキープ。動物性コラーゲンは103%蒸発してしまう)
・天然保湿因子の生成が約15%アップ(動物性コラーゲンは約30%減少してしまう)※数値は尾崎さん所有の原料メーカー資料を参照
これは原料だけでの数値なので、実際化粧品に配合された場合は配合量やその他の成分との相性、体質・環境などで変わりますが、納豆は動物性コラーゲンを超えるチカラを持っていると言えるでしょう。
動物由来の方がエネルギッシュなイメージがあったので、この数値は意外! 植物の生命力ってすごいのだと、あらためて感じさせられた結果です。
尾崎さんも納豆が持つ保湿力に魅せられ、自身のコスメブランド「MUQ」に納豆エキスを採用しています。ちなみに納豆をそのまま肌に塗布するのは、肌に合わない成分が含まれる可能性もあり、おすすめしないそうです。
毎日のうるおい補給に納豆をいただき、五感で楽しむスペシャルケアとしてコラーゲン鍋やコスメをプラス。理屈を分かって取り入れるだけでも、肌のうるおい力があがってきそうです。
化粧品開発者/コスメ成分アドバイザー・尾崎幸子さん
文系の大学を卒業後、人材ビジネスに10年間従事するも、シャンプーのPRに関わったことを機に化粧品に興味を持ち、大手化粧品メーカーの開発などを手掛ける化粧品開発コンサルタント・岩田宏氏に弟子入り。化学の基礎から化粧品処方までを学び、自ら開発したジェネリックコスメ「MUQ」 を発売。自身が皮膚疾患を抱えていることもあり、身体に優しく、正しく機能する化粧品を現在も開発中。日々ビーカーを片手に実験に勤しみながら、客観的に 正しいコスメ情報を発信すべく、「コスメ成分アドバイザー」としても活動中。
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