今年で第3回を迎えた、ソーシャルプロダクツアワード。社会のことを考えて作り出された商品を表彰するソーシャルプロダクツ賞を受賞した24商品の中から、大賞をはじめとする各賞が発表されました。
大賞「ベン&ジェリーズ アイスクリーム」
1978年にアメリカ・バーモント州バーリントンで1号店となるショップをスタート。今では世界35ヶ国で展開するベン&ジェリーズのアイスクリームが、第3回ソーシャルプロダクツアワード大賞を受賞しました。
ベン&ジェリーズのWebサイトを見てみると、環境破壊や貧富の差、地域コミュニティーとの関係性などあらゆる社会問題の解決につながる、持続可能なしくみに支えられたアイスクリームであることがわかります。
たとえば、2010年、2014年を目処に原材料をすべてフェアトレードに移行、そして2013年には、遺伝子組み換え商品を使わないことを明言しています。
こうして自社の価値観を徹底してつらぬく企業が、37年もの間存在し、世界的な広がりを見せているのを知ると、社会的な問題に妥協せず継続することができるのだな、と希望を感じます。
優秀賞 「楽膳椀」合同会社楽膳優秀賞は、おしりのような形のお椀「楽膳椀」。
このユニークな形が、美しいしぐさでお椀を持てるよう「所作の美しさ」と持ちやすさを同時に叶えてくれるという楽膳椀。福島県の会津塗職人、障害者支援のNPO、デザイナーのコラボレーションにより誕生したユニバーサルデザインの食器です。
持ちやすさを追求する過程では、障害を持った方にモニタリングをしてもらい、その意見を反映させていったのだそう。
「合同会社楽膳の母体となっているNPOでは、生産の過程のどこかに障害をもった方が関わる活動を続けてきました。その根っこの部分が評価されたと思うと、とてもうれしいです」(合同会社楽膳 代表社員 大竹 愛希さん)。
多面的なソーシャル性とコラボレーション今回のソーシャルプロダクツアワード受賞商品には、大きく2つの特徴が見られました。
ひとつは、大賞のベン&ジェリーズをはじめとした、さまざまな社会・環境問題と向き合う多面的なソーシャル性を持ったもの。もうひとつは、楽膳椀のように、さまざまな立場の人々が力を結集させたコラボレーションによって生まれたもの。
社会的な問題と向き合う人々の輪と、商品の力強さを感じた授賞式でした。
ソーシャルプロダクツアワード2015
・大賞
「ベン&ジェリーズ アイスクリーム」ベン&ジェリーズ
・優秀賞
「楽膳椀」合同会社楽膳
・生活者審査員賞
「オーラルピース」株式会社トライフ
・特別賞[インパクト]
「ORGABITS AKI プリントT」豊島株式会社
・特別賞[アイディア]
「ペーパーミラクルズ」ミラクルズ トラスト
・特別賞[東北復興]
「KURIKOMA 復興スギエコファニチャー」株式会社ワイス・ワイス
・奨励賞
「幸せのはちみつカカオ アイス」愛知商業高等学校ユネスコクラブ