じつは「しあわせ」は奈良時代には「為合」と表記し、「天が為すことに合わせるしかない。」という意味だったそう。そんな驚きの話を教えてくれたのは、僧侶にして芥川賞作家である玄侑宗久さんです。
奈良時代の「為合」も、室町時代には仕事の「仕」の字である「仕合」となり、「天」が「人」に変わり、「相手がこうきたからこう仕合わせる」という意味になったようです。そこで玄侑さんはこういいます。
「しあわせだなあ」というのは、思わぬことが起こったけれど、なんとか仕合わせることができてよかった、ということ。
(「『荘子』2015年5月 (100分 de 名著)」P42より引用)
思いもよらなかったできごとに右往左往するときにこの話を思い出せば、すこしは心を落ち着かせて仕合せることができるはず。そしてなんとか仕合せることができたあとには、達成感や安心という「幸せ」を感じられるのではないでしょうか。
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