そんなとき、オンライン上の「誰か」が話を客観的に聞いてくれたら、それだけで心が軽くなるかもしれません。それが2003年9月に立ち上がった若者のためのサービス「ユース・ライフ・ライン Youth-Life-Line」です。匿名でメールや電話相談ができるサービスが人気を呼び、2013年時までにトータル13,000通の相談メールが届きました。そして2014年だけでも556人もの若い人が、さまざまな悩みを打ち明けに連絡してきたそう。
気負いなく本音で話せ、また相手も客観的に意見を出してくれる38名の「相談員」は、12歳から25歳までというまさに同世代。彼らはきちんとした専門の訓練を受けていて、ただ友達のように対応するのではない、れっきとしたプロフェッショナルなのです。
相談者が必要としているのは、答えだけじゃないこのサービスの最大の特徴は、同年代の相談員と話ができるところ。従来であればアドバイスするのは決まって大人。電話口の向こうのティーンエイジャーという、特に難しい年齢の子どもたちへの対応と受け止めかたには温度差が生じやすいといった問題もありました。
また現在の社会では相談内容も多様化していることも見逃せず、たとえば家庭内での暴力、交際関係のむずかしさや、つらい局面、人生に意味が持てないといったときに相談者が必要としているのは「答え」だけではありません。自分の身になって話を理解し、状況を察してくれる同年代のほうが、言葉により説得力を持つのでしょう。
「自殺を考える人たちは、同じような境遇にあったり、また本人と比較できるようなシチュエーションにある人間からのアドバイスというものに耳を傾けるもの。苦しむ該当者と相談員は『同じ言葉』で語り合えるからです」
(3satより引用)
大きな反響を呼び、ドイツのメディアで取り上げられるようになったこのようなサービス。交通事故に次いで、自殺での死亡率が特に若者の間で多いといわれるドイツにおいて、これからも注目されていくでしょう。
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